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自分用レビュー  作者: くーくま
91/224

ライブダンジョン!(1章)

ファンタジー。RPGものが好きなら読めます。

評価は「読んで良い」もの。


極普通の娯楽小説です。

現時点(20180726)で、裏はありますが酷いものではないです。


表側のあらすじは、ツトムはダンジョン探索型RPG「ライブダンジョン!」を楽しむプレイヤーの一人だが、残念な事に「ライブダンジョン!」はサービス終了する事になります。最後に最終階層である100層をクリアしたいと思ったツトムはPT構成最大人数の5人分のキャラクターを1人で操作して挑み、見事100層を突破します。広場に戻るとあるNPCと思われるキャラクターから「単独でのダンジョン制覇おめでとうございます! そんな貴方にはこれを差し上げましょう!」と誉められます。ツトムは運営の方かな?と思い、粋な計らいをしてくれると思い、プレゼントをもらうのですが、そのプレゼントをもらったツトムは「ライブダンジョン!」の世界に入り込んでしまいます。そして気づけば100層で100層ボスの爛れ(ただれ)古龍と遭遇し、爛れ古龍のブレスで殺され光の粒子となり消え去ります。消え去ったツトムはダンジョンの上にある街にあるギルドの生き返りした時に出現する場所へと移動します。

ツトムは右も左もわからないまま状態でギルドにいます。「ライブダンジョン!」では装備したアイテムの一番価値のあるもの以外は死んだ時に外れ、紛失するために一番価値のあった杖のみを持ってギルドにいます。そしてギルド職員のガルムに話を聞き、自分がダンジョンで正式な活動をするためのステータスカードすら知らない事などからモグリであるとガルムに判断され、また、所持金も持たない事から、その杖も幸運にもダンジョンの浅い階層で拾ったものだと思われます。所持金のないツトムはガルムと杖を鑑定したエイミーの勧めで杖をオークションにかけ資金を得ます。しかしその杖は最高級のものだったので「幸運者」というあだ名を付けられ、嫉妬からPTも組めない状況になります。その状況を知ったギルドは騒動の原因でもあるためガルムとエイミーをツトムのその悪評となる「幸運者」という噂が消えるまでPTを組むように命じます。そしてツトムは自身が元の世界に帰るには「神のダンジョン」の100層を突破して何かの情報を手に入れる必要があると思いダンジョン制覇を目指します。


この世界にはダンジョン内を自在に行き来する「神の眼」という存在がいて、その眼が見た映像が地上にあるモニターに映し出されて一種の娯楽、エンターテイメントになっています。そのモニターに映って人気を得る事で不名誉なあだ名の払拭を狙ってもいます。


裏側ですが、表のあらすじとなる話の導入で被せていますが、それを除いた場合、ツトムは王族か高位貴族のどちらかのようです。何を目的として訪れたかは知りませんが、ダンジョンに挑みます。しかしどこかで死んでしまい、ギルドへと戻されます。死んで3分以内に「レイズ」をかけられて生き返らないとギルドの生き返り場所に転移される仕様のようです。その時、おそらくは護衛メンバーは生き残りツトムだけが死んだのでしょう。杖だけを持ちギルドに戻って来たツトム。ガルムは今まで顔を見た事のないツトムをモグリと判断します。誰の後ろ盾もないモグリがもの凄い宝を持っている。ガルムからしてみればアルバイトで金を稼ぐチャンスです。同じような考え方をするエイミーを共犯にして、脅すようにツトムから杖をオークションにかけるように誘導し成功します。ツトムは、探索者は「神のダンジョン」内では死んでも生き返る事が出来るが、その外であるギルドでは殺されれば死ぬ為に、装備もまともに持っていない状況でガルムとエイミーの脅しに従うしかなく杖をオークションにかける事を了承します。

さて、その杖は最高級の代物です。オークションでは最高値がつき、大金を手にいれ、また、エイミーはオークションで高い値がつくようにするためにツトムのラッキー(ツトムがモグリで浅い階層でその杖を手にいれた)を誇張して宣伝します。そのため、その話はかなり広まり、ツトムの顔は周囲に知られ、「幸運者」という不名誉なあだ名まで付けられます。大金は手にいれました(杖を手放すという事からすれば捨て値)がその不名誉は高位貴族もしくは王族であるツトムにとっては致命的で、全てを失ったに等しい状況になります。街を歩けば「幸運者」と妬みから罵られ、ダンジョンを探索したくてもその妬みとダンジョン探索する際のPT構成の現状から誰もPTを組んでくれない状況に陥ります。一方で、自分たちがやらかした事を知ったギルドは対処に追われます。ダンジョンからの帰還者を守る役割を担うギルド職員が帰還者を金づる扱いして脅して杖を奪うという醜聞、しかもそれは少なくとも高位貴族に対して行われ、そのせいでとんでもない恥をかかせた。ギルドはどうにかツトムに怒りを鎮めてもらうために、大元の原因であるガルムとエイミーをツトムのPTに加入させてツトムのご機嫌取りをする、という所から始まります。ツトムがモグリと間違われたのは恐らくステータスカードを含めてすべての雑務を部下に任せていたから、金銭も部下が持っていたからだと思われます。そして、ツトムは醜聞を抱えたままではその正体を明かすわけにもいかず、明かした場合には家に泥を塗る事にしかならないためその醜聞をはるかに超える功績が必要になり、「神のダンジョン」を制覇するという目標を建て行動します。


この裏側の話の部分で、途中にある描写から推測出来るものがあるので先に書いておきます。街などで医者などをしている人物は「神のダンジョン」で探索者になった時に得られるジョブでも大抵は同じ系統の白魔導士になる、他のジョブも同じようになるのが大半だと書いています。つまり、わずかな確率で一致しないそうです。そして杖は黒い杖であり、話の都合上、後で白魔導士専用という設定になっていますが、恐らくツトムの外の世界での職業は黒魔導士(貴族)で、神のダンジョンでのジョブが白魔導士になっているようです。そして白魔導士のレベルが1レベルなのでガルムもモグリと判断したまま事を進めた、という事です。18話「カミーユの期待」で「その思考回路は少なくとも迷宮都市の生まれではない。孤児とカミーユは報告を受けているが、魔法を使える何処か他国の貴族の息子か。あるいは外のダンジョンを制覇した者か。出自の推測はいくつか思い浮かぶ」という描写があるのでおそらくは裏側の設定はそうなっているのでしょう。



2話「ギルド登録」でツトムだけがステータスカードを作成する際に唾を行うという描写があります。ダンジョンに入る時にステータスカードを作成する必要があり、それには体液が必要になります。通常は皆、血液を採取してステータスカードを作成するのですが、ギルドに唾を吐きかけたい程の心情のツトムは唾でステータスカードを作成します。



12話「壁の向こうへ」まではシェルクラブというモンスターを退治する展開になります。レベルを上げ、役割分担をします。それまでのダンジョン攻略には役割分担がされておらず、アタッカー中心の構成が主となり、タンクは役立たず、ヒーラーも使い捨て扱いである状況を変える為にツトムはタンク、ヒーラーという役割を明確にして探索をします。その背景の一つに、6話「先と現実」で初心者ヒーラーがカモにされて装備を失った後にその損失を補てんするだけの収入を得られずに放置される、という状況を見る、という描写があります。それはツトムがされた行為と似たようなものであり、ツトムは状況を変える事で相手を貶めるのではなく全体を改善する事で意趣返しをする方法を選択します。昔から社会の中でよくある方法なんですが、最近の社会では見られなくなった方法です。相手を加害する事は社会のルール違反だからそれ以外の方法で過ちを指摘する、という方法です。

また、シェルクラブまでの探索の過程で、ツトムは、ガルムとエイミーはツトムを全くの素人だと思っているんだろうけど違うからね?という部分を見せつけて自分たちが何をしたかわかるよね?と圧力をかけているように見えます。

恐らくシェルクラブは「神のダンジョン」周辺の社会、ギルドやソリット社を含む閉鎖性の高い環境を表しているのでしょう。分厚い殻を被って簡単には倒せない魔物のような、自分たちだけで固まって利権を漁る集団、だと思われます。そのシェルクラブを倒す際にツトムは毒をシェルクラブに食わせて弱らせ倒します。これはギルドで脅迫されて杖をオークションにかける事になった部分を比喩していると思われます。通常の手段ではなく、毒という手段で弱らせる、という事が、ギルドでは本来帰還者を保護するのが義務であるにもかかわらず脅迫して奪い取り弱らせる、という部分と重なるという事です。


シェルクラブを倒してガルムとエイミーも自身の最高記録を更新します。そこまでのエイミーの態度に問題があります。エイミーは「鑑定」スキルという珍しいスキルを持ち、それを持つギルド職員がおらず探索者としてダンジョンに入ってアイテムを手に入れその場で鑑定も出来るという強みがあり、その強みのおかげでギルド内でもわがままな態度をしています。そんなエイミーがギルドの指示とは言えツトムのいいなりにならなければならない為に不満を抱えており、内心ツトムを見下しています。だからどうにかしてお役御免になりたい為に、イヤイヤながらツトムに従っているんだよ、というアピールをして周囲を煽り既成事実を作り、ツトムに従う状況を周囲からの要望、突き上げで変えたいと思っています。



14話「ソリット社」から34話「観衆の歓喜と猫の背中」で火竜討伐になります。

当初、ツトムは「幸運者」という不名誉なあだ名が聞こえなくなり、極普通にPTを組めるようになるまでガルムとエイミーにPTに入ってもらう契約をしていました。しかしまたスキャンダルが起きます。ダンジョンのある街で新聞を発行しており、最有力のソリット者から取材を受ける事になります。その際、ツトムの評価は低く、ガルムとエイミーが高評価な状態で、やたらとエイミーがツトムをヨイショしている所を取材している記者ミルルが不審に思い、その言動から裏があると推測しツトムとエイミーの関係を調べ、エイミーがとっていた行動からツトムがエイミーの弱みを握り脅していると新聞で報じます。その結果、ツトムは更なる醜聞にまみれてしまいます。ミルルはエイミーのファンであり、彼女の役に立ちたいから行動した事になっています。そこにはエイミーの打算も含まれるでしょう。

結果として、醜聞を消すためにギルドから派遣された2人によって、ツトムは更に大きな醜聞にまみれる結果になってしまいます。

ギルドの方ではもう大変。どうにか機嫌を直してもらうために2人を派遣したにもかかわらず、更に不機嫌にさせる結果になってしまいました。その原因を作ったエイミーをこのまま放置していては更に醜聞を広げる恐れがあるために謹慎処分にし、代わりにギルド長のカミーユ自らPTに参加します。もうそれ以外に方法がない、という判断でしょう。他の誰かを派遣した所で同じ結果に成りかねず、また、その大きな醜聞を消す事が出来るだけの話題性が必要で、ユニークスキルという話題性を持ち実力も持つカミーユ自ら、ギルドが取材を許可したがために生じた醜聞を消すために行動する事になります。


ここの醜聞は場合により予定調和の可能性として書かれている場合があります。一つ目の醜聞で与えた損害を補てんするためにあえてここで払う損失額に見合うだけの醜聞にして、後日謝罪して慰謝料を払うという展開にする事で、払う額に周囲が疑問を抱かないようにしているようにも見えますが、どちらで解釈しても話は通りますのでエイミーの意図的な画策という線で話を進めます。


カミーユが"龍化"というユニークスキルを持っていますが、ツトムの現状を表している可能性があります。表側としては、現状の改善のために周囲環境に逆向き、龍のようだという意味で、裏側では表側の意味とそれとは別に、少なくとも高位貴族であるツトムに対してギルドが結果として逆らう事になった、という意味でカミーユは竜人なのかも知れません。とにかく竜人、龍化という名称はそういった事に絡んでいる可能性はありますが全体の流れとしてはそれ以外に関係なさそうなのでこれ以上の追求をしません。


17話「新生PT」で、ツトム、カミーユ、ガルムの3人でもう一度シェルクラブを退治します。この時、カミーユがPT内での役割になじめずヘイトを取りすぎて失敗します。それをツトムがシェルクラブを必死に引き付け挽回した後にシェルクラブを倒すという展開ですが、この展開の最初のほうがソリット社の取材によるスキャンダルの展開に重なっている可能性があります。ギルド(カミーユ)が対応を誤り、ツトムに負担が行き、苦労させられる、という内容とも取れます。


18話「カミーユの期待」で、ツトムが「幸運者」という不名誉なあだ名を払拭するには火竜討伐が必要だという展開に発展しています。ガルム達はその手前の階層でモニターに映れば充分と話していますがそれでは「幸運者」というあだ名の払拭には火竜討伐というインパクトが必要だとツトムは話しています。


31話「火竜の咆哮」で火竜と戦いますが、カミーユが恐れて動けなくなります。ここは駆け引きの可能性があります。火竜を倒すにはカミーユ、アタッカーの力が必要になります。なのでカミーユは自分の価値を吊り上げようと恐れている振りをしてツトムから譲歩を引き出そうとしているようにも受け取れます。ツトムが譲歩しない限り、何度かは火竜を恐れて動けない振りをして焦らす方法がとれそうです。しかしその思惑は外れます。カミーユが恐れている間にガルム、ツトムの2人で火竜の攻撃を2時間もしのぎ続けます。さすがにそれほどの時間を耐えている2人の前でまだ恐れている振りは出来ません。なのでカミーユは戦線復帰します。そして今後の関係が不利になる可能性が高い為に、恐らくは今まで隠していた、龍化しても意識はある程度残っている事実をツトムに教えます。その後、火竜を倒します。


火竜と戦い倒す、という部分で火竜はツトムが対抗する現状、を表していると思われます。上記のカミーユの行動で、最初は動かないが、時間が経過してからツトム達を助ける行動をする、という部分が最初の話の展開に合わされている可能性があります。動かない展開は、ギルドがガルム達の行動を把握できていなかった事を、その後の行動する展開で、事後になるがツトムを助けるために行動する部分を表している様に思われます。


35話「掌返し」から1章最後までは火竜討伐の影響とツトムが提唱するPTの役割分担を広める活動、「幸運者」という汚名を払拭するための活動としてエイミー達と火竜討伐をする事で、「幸運者」という汚名が薄れてきたために契約満了しPTを解散する事になり、ツトムは新しくクランを作り活動を始める事になるまでが書かれています。

35話から40話「因果応報」まではツトムはソリット社の報道での醜聞に対する仕返しをします。その際、副ギルド長、ギルド長に多少なりとも恩のあったツトムは、副ギルド長の頼みで恐らくは意図的にツトムを罠にはめたエイミーを許す事にします。エイミーを許す事で、ギルド対ソリット者の構図になり、火竜討伐をした有名人を敵に回したくないソリット者はようやく謝罪と記事の撤回を行なう事を決めます。しかし、表面上は謝罪をする気はあるのですがなれ合い体質の業というべきか、記事を書いたミルルは罰を受けて懲戒解雇され、ソリット社では雇い入れない事になっていますが、編集長の秘書(ソリット社ではなく個人での雇い入れ)もしくは他社で雇われる事になっています。どうせそういった裏があるだろうと予測したツトムは謝罪を受け入れる条件としてミルルの顔写真と捏造記事を書いたのがミルルである事を新聞に掲載する事を要求します。ソリット社側はとにかく体裁を整えて逃げるつもりだったのですが、ツトムの要求を受け入れるとミルルの記者生命は終わり、ミルルをソリット社の為に使い捨てて切り捨てる事になるため難色を示します。ですがツトムはその要求を押し通します。渋々と要求を受け入れるソリット社側とそれを受け入れるわけにはいかないミルルの間で協調性がなくなります。自分だけ切り捨てられてたまるかと編集長の後ろめたい事をミルルは暴露し始め、話がエイミーにまで及んだところでエイミーに止められます。エイミーもこのままミルルに話を続けられて余計な事を話されるとまずいからです。エイミーはそのままミルルを丸め込んで事無きを得ます。

39話「静かなる憎悪」の最後に「努は相変わらず冷めた目でエイミーに縋って泣き喚いているミルルを見続けた。」という描写がありますが、三文芝居をしているエイミーとミルルを眺めているのでしょう。


46話「迫りくる契約期限」でとうとう「幸運者」のあだ名が払拭されるまでという契約に終わりが見えます。実際にはツトムが納得するまで、です。ですが、ここでのやり取り、


「僕はそろそろ荷物をまとめる準備をしなければいけませんからね。なので今日はすみません。ではお疲れ様でした。また明日いつもの時間で」


ツトムは納得できている様です。ツトムが失ったもののほうが大きいのですが、約束は約束。そして出来る限りで償いをしようとした姿に溜飲を下げたのでしょう。この後、ガルムとツトムは寮に帰り2人で食事します。ガルムは"菓子パン"を黙々と食べています。"お菓子"="犯し"で良いと思います。ガルムがした犯罪行為で醜聞にまみれたツトム。ツトムの目の前で黙々と菓子パンを食べ続けていると、ツトムが話しかけます。


「あ、もう僕はいいので」


この会話でガルムはようやくツトムが許してくれそうだと分かります。

この後、カミーユとエイミーが酷い二日酔いになっていますが、ようやく解放された喜びからハメを外しすぎたのでしょう。



ここまでで1章が終わりです。

裏側はあるも酷いと言える内容でもなくファンタジー作品を作るための導入で済ませているので読みやすいです。



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