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自分用レビュー  作者: くーくま
70/224

神殺しの英雄と七つの誓約(9章)

こういった小説になる裏側で、長編はその内容がブレやすいです。

逆表現をしたり、ミスリーディングさせた内容が、単体なら成立してもつなげると矛盾があったりと読むのに大変です。


これとは違うパターンですが、同じように数多くミスリーディングをさせている長編で私が知っているのは、

「フェアXーテイル・クロニクル」

「誰かこの状況を説明しXください」


でしょうか。その3つではこの作品が使い方がかなりましですが。


9章1話『戦いの前に』で負傷したレンジが食事をしている場面から始まります。

前章で左腕を折られています。

精神性のもの、この場合は想い、でしょうか。

レンジを殺そうとしたアヤに対しての想いがついに底をついた、とでも言えるかも知れません。

ソウイチ達とレンジが話します。


「それより、魔術学院の勉強はどうだ? あとで、宇多野さんと学院の先生に聞くからな」


「・・・まあまあだよ」


>先ほど話したマサキちゃんなど、「完璧ですよ」と言っていたのに。


ここは、ソウイチ達に企みの進捗状況はどうなんだ、と聞いていると思われます。

それに対して、うまく進んでいないから、言葉を濁すソウイチ、でしょう。

また、ソウイチの監視役のマサキがソウイチ達が企みを練るのを阻止している、と取れます。


「予習復習をちゃんとしておけよ」


「これから戦いが始まるのに、勉強の心配なんてーーー」


「人生、ここで終わりじゃないんだ。やる事をやってないと、後悔するのはお前だからな、ソウイチ」


ここは、ちゃんと反省しないと後悔するぞ、でしょう。


「あの野郎、エルメンヒルデを餌にしたら食いつくと分かって生かしたんだ・・・絶対に後悔させてやる」


ここの台詞はソウイチに向かって、アヤを使ったらレンジを必ず操れると思った事を後悔させてやる、と言っているように取れます。


2話『独り』でレンジが訓練をしています。

そこでもアヤはソウイチのいいなりのように動いているようです。

そしてユーコから呼び出されます。


「・・・戦いを終わらせる方法は、もう決まっているでしょう?」


>そう言いながら近寄ってくると、何の迷いも無く包帯でぐるぐる巻きにされた左腕の上にその右手が乗せられる。


アヤとの関係を割り切ったレンジにそう伝えています。

牢屋行きだと思われます。最悪は死んでもらう、かも知れません。


「焦らないで、傷を癒したらどう?」


「・・・焦っているように見えるか?」


「ええ」


まだレンジはアヤに対して甘さが残っているのでしょう。

もしくはせめて最後の幕引きは自分で、とかもあり得ます。

題名の「独り」はレンジ独りで、アヤはソウイチと、という意味と思われます。


9章幕間『独り』でシェルファがエルメンヒルデと話しています。

ここの話はアヤの内面のほんの一部は、レンジが英雄になる事を望んでいる、とも取れますが、メインライン上の解釈とずれるので割愛します。


3話『英雄の条件』ですが、ここが苦みのある部分になります。

先に書いておきますが、ここの裏の解釈は、この話の裏側で、クキとアヤがベッドインしている、って事になっています。

これの表面上を読んで楽しんでいた方がそれを知れば一気に読む気をなくしそうな内容になります。

ソウイチに操られて、コウタロウと肉体関係になり、今はクキと肉体関係になっている。

でも、表面上はレンジの事が好きだというアピールを続けているアヤ、です。

この時点で作品の魅力もないなぁ、と思えるのですが表面を読んで楽しんでいる方は気づかない方が良いかも知れません。


レンジの部屋にアナスタシアが夜這いしているシーンから始まります。

他の誰かの所には行かなかったのか、という話でレンジの所しかなかった、というような話にはなっています。


「ねぇ、メダル女を奪われたんだって?」


「・・・貸しただけだ」


ここの会話ですが、アヤを他の男に取られた、と取れます。


「なんでお前がここに居るんだ?」


「さっき来たのよ。ファフに乗って」


「・・・来ているのか」


「リンにユウもね」


「これで、皆か」


ここの会話の問題点は、あえてクキが来た事を告げていない、です。

クキも一緒にきたはずなのにそれは描写されていない。ですが、レンジはそれに気づいている、という事です。


「こりゃあ、明日の朝は怒られる事になりそうだ」


「怒られる?」


「エルを、失くしたからな」


「・・・」


アヤとの関係を話す決意があるレンジです。


「・・・シェルファに取られちゃったんでしょ? なら、助ければいいじゃない」


「・・・お前、あれだけ仲が悪いし喧嘩腰でいつも話していたのに、こういう時はちゃんと助けるって言うんだな」

・・・

「・・・お前、俺がエルメンヒルデを助けに行かないように、止めに来たのか?」


「・・・悪い?」


8章あたりからシェルファがアヤだけじゃなくアヤを表面としたソウイチ達の企みのようにも取れる扱いになってきていますが、同じように扱っておきます。

ここでは取られたアヤを取り返せばいいじゃない、と言う事でしょう。

アナスタシアの前置きがありますが、レンジはそれに否定的な話を切り出します。

その言葉を受けてアナスタシアは話を合わせます。


「嘘、吐いたか?」


「いつも言っていたわ。『俺を信じろ』、って」


「信じた。貴方なら・・・レンジなら大丈夫だって」


「・・・」


「でも、貴方はエルを喪った。私達の前から姿を消した。・・・それを、隠していた」


ここはアヤの内心をアナスタシアが語る、というシーンでしょう。

レンジなら信じられる、守ってくれる、と思っていたアヤは、レンジが失踪した事で、裏切られた、見捨てられた、と思っている、と伝えたいのでしょう。


「久しぶりに、今夜は一緒に寝るか?」


「・・・うん」


ここがきついです。アナスタシア=隠し事を持つアヤ、ですので、それが一緒に寝る、という状況でクキとアヤが今ごろベッドインしちゃってる、と解釈出来ます。

そうでないならアナスタシアはこの辺で退室になるでしょう。


「・・・私も、悲しむからね?」


「ーーああ」


「泣くから。大声で、子供みたいに・・・誰よりも、泣くから」


ここまでの流れで、アヤもレンジへの想いは持っているが、裏切られた、見捨てられた、と思っているから今の関係になっている、と考えられます。

レンジに憧れるアヤと憎むアヤと独占したいアヤ、そういった感情が混ざり合って今のアヤになっていると解釈出来ます。


4話『生きる意味』で、皆にエルの死を伝えます。

タカシが代表してレンジに言います。


「ーーー実はバカだろ?」


「馬鹿にバカと言われたくない」


「じゃあ阿呆だ」


タカシらしい一言です。

子を成して一緒に生きていく事まで考えると簡単な事でもないのですが、それで悩むレンジをバカ扱いしています。

2人の貞操観念の違いがよくわかります。


「いきなり姿を消したと思ったら、エルの死を隠したから? エルメンヒルデを甦らせたから?」


「あ、ああ」


「その時に言えよ。心配したこっちがバカみたいじゃねえか」


「・・・でもな」


「エルが、笑っていてほしいと言ったから、か?」


エルの死の部分がアヤとレンジがどういった破局の迎え方をしたのかが分からないので解釈が出来ません。

笑っていてほしい、が、アヤが仲間程度の普通の関係で過ごしてほしい、と言ったのか、

レンジがアヤに笑っていてほしいから、王城を去ったのか、と違う解釈が出来ます。

ですが、王城を去る、という部分とこの後の展開で「部屋を用意してくれてありがとう」という会話が番外編でされるので、レンジがアヤを守る、という約束の為に、アヤの居場所を守る為に自分が王城を去った、と解釈します。


「だって、エルの遺言、考え違いをしているじゃない」

・・・

「エルはな、お前の笑顔が好きだったんだよ。俺たちじゃねえ」


「エルが笑っていてほしかったのはお前だ。泣いてほしくなかったのもお前だ。俺達じゃない。ガキどもでもないーー」

・・・

「エルさんは、ヤマダさんに向けて言ったんだよ。ヤマダさんにだけ。俺達じゃない。ユーコさんでも、コウタロウでもない・・・ヤマダさんに、笑っていてほしいって。泣かないでほしいって」


この会話で、もし破局の時にアヤが「わらっていてほしい」と言ったとするなら、それはレンジに笑っていてほしい、であって、周囲に気づかれないように振る舞ってほしい、ではないのだと言っている事にしています。

皆、レンジ以外は'魔力'をもっています。割り切って生きるのも慣れています。だから、揉めごとを隠す嘘をつくのも慣れている、と取れます。

かつての破局時の状況で「笑っていてほしい」などとアヤが言ったなら、それはやはり周囲に気づかれないように振る舞ってほしい、だと思われます。

騙されていたレンジとしてはその振る舞いは出来ないから王城を去った、が正しいと思います。

騙されたと知っても、アヤに対して憎しみもそれまでの想いもないまぜの状態で、簡単に感情を切り捨てられないままに約束を守った、と解釈しておきます。

ただ、破局時の状況はソウイチ達の秘密をしったレンジがアヤに何も告げずに去った、というのが一番しっくり来ます。

この場合、かつてのアヤへの想いをレンジが惚気た、とも取れます。


「兄ちゃん、さっきの話、本当なんだ」


「ん? ああ、まあ、なんだ。隠していて、悪かったな」


ここの会話で、ソウイチはようやく、自分達のしている事が既にレンジに気づかれていた、と知ったのでしょう。


>突然の事に驚いて顔を上げると、すぐ正面にアヤの顔。視界の隅で、ソウイチとヤヨイちゃん、マサキちゃんとユイチャンが驚いた顔をしていた。


「レンジさん」


「は、はい」


「・・・」


「もう、絶対に泣かせませんから」


「お、おう?」


「私が、絶対にレンジさんを泣かせませんっ」


>それだけ言うと、掴んでいた手を離して幕舎から足早に出ていくアヤ。その際にソウイチとヤヨイちゃんの手を掴んだのは何故だろう。


アヤはこの話でようやく、レンジのアヤへの想いとなぜレンジが失踪したのかという事を知ったのだと思います。

見捨てられた、守るといったのに去った、事が実は「アヤの居場所を守る」ためだと知って、もうレンジを騙さない、と決めたのでしょう。

レンジのその気持ちを知って、ようやくアヤは自分がしている事がどれだけ相手を傷つける事かを知った、と解釈できます。

そして、もうソウイチ達のいいなりになって美人局のような事をしない、と決めたからソウイチ達と話し合う事にした、という展開でしょう。


綺麗な展開ですが、この後の部分で、レンジが最後の戦いに挑む時、アヤはクキと一緒にいますw。

レンジにつきまとっていないという部分でいいなりになっていない、と解釈できるので良いのですが、わざわざクキと一緒にアヤが戦いに挑む、という部分が苦みがあります。

確かに現在、肉体関係になっている相手はクキなのですが。

それはいいなりになってクキを選んだわけではない、とも表現されているかも知れないのが問題です。そもそも昨晩、クキの部屋で寝た、という内容が暗に示された後ではそう取ってしまいます。

ですが、単にレンジが悲しむから騙さない、のであって、騙してはいけない理由というものをまだアヤは分かっていない、とも取れます。


「エルは死んで貴方を泣かせたから・・・自分は死なないって意志表示だと思うわよ」


先ほど書いたように、レンジを騙して傷つけない、という事でしょう。


「・・・ヤマダ君は、この世界、好き?」


「好きだよ。好きじゃなけりゃ、電気もテレビもインターネットも、車や飛行機だって無いこの異世界で生きていこうだなんて思わないさ」


レンジにとっては、生きにくい世界でしょう。

先ほどのように、「笑っていてほしい」の部分を嘘で塗り固めて誤魔化して割り切って生きるこの世界は、'魔力を持たない'レンジには辛い世界でしょう。

だから、やせ我慢をしている、と、今までのレンジの行動から解釈する事が出来ます。


「好きよ」


そんな不器用な生き方しか出来ないレンジをユーコは「好きよ」と言います。


ただし、この後の「だから、死んだら駄目よ?」などの解釈が結構問題になります。

逆表現の可能性も出てきます。アヤを受け入れないなら用済みだから、「ね?わかっているよね?」という感じです。

後の展開で、エルメンヒルデを取り戻せ、などという展開があるからこう解釈する事も出来ます。

ごった煮なんでどうしても臭みがあります。


「死んだら駄目よ?」の別解釈では、レンジには辛い世界だからといって諦めては駄目よ、と取れます。

きれいに解釈するか汚く解釈するかは読み手次第ですが両方出来る事に越した事はありません。



9章幕間2『終わりの足音』でソルネアが地下に幽閉されている場面になります。

黒いドラゴンがソルネアを食べない、という描写があります。

前話でアヤがソウイチ達の企みにはもう加担しない、という部分で、企みにアヤは含まれない、と取れます。


ここでエルメンヒルデを黒いドラゴンに食わせます。


「我らの神は、同類は喰わんが、同族は喰らうようだ」


エルメンヒルデ=ソウイチのいいなりになるアヤ、で、ソルネア=レンジに対して企みを持つアヤ、です。

もしかするとレンジに対してだけもう騙すような事をしない、と言っているのかもしれません。

また、神の座につく、のは黒いドラゴンだ、という部分で、ソルネアではない、かもしれないが、エルメンヒルデを取り込む事で結局はアヤは計画に加担する事を止めない、と取れます。


>神殺しの武器が失われた今、レンジはただの人間となる。


この解釈は酷い解釈になるのですが、展開的に書いておきます。

この解釈も微妙なんですが、美人局で操られて本来してはいけない事をする、という部分で神殺し、という解釈して、アヤを使って操られる、という事がなくなったから神殺しの武器が失われた、と解釈も出来ます。

嘘がなくなったら、単なる人でした、と言っているように思えます。

なぜならレンジは最弱ですので、偽装のための飾りでなくなれば何の助力も得られない人間だ、と取れます。


5話『戦いの準備』で戦いの計画を建てています。


新しい魔神が生まれるまで5日という台詞があります。

新しい魔神です。復活を阻止するのではなく、魔神が復活と書いています。

アヤの行動が改まらなかった、と解釈出来ます。

ソウイチとマサキでシェルファと城に残っている魔物の足止め、となっています。

マサキがソウイチを監視して企みを実行させない、と取れます。

ファイロナにソルネアの探索を頼んでいます。

アヤの思惑はどこか、とも取れます。

レンジはエルメンヒルデを取り返して全て倒す、と言っています。


「今度こそ終わらせてやるーーー腐れ縁も、ここまでだ」


アヤとの腐れ縁もそろそろ終わりにしたい、と取れます。

まあ、この作品の展開を見る限り、ここまでやっていまだに懲りないのはうんざりするでしょう。



6話『彼は英雄になれない』で、出発します。

その出発前に話をしています。


「言わなくていいんだよ・・・お前は」


「皆を助けたいんだろう? 犠牲を一人も出す事無く、この戦いを終わらせたいんだろう?」


「・・・うん」


ここでソウイチに釘を刺します。有名になりたい、誰かより上になりたい、権力を持ちたい、だとかで余計な争いを起こすな、と言っています。


「お前は、まっすぐ前だけを見ていろ」


「きっと、皆がそうやって戦ってほしいと思っているから」


変な考えを持って行動せずに、英雄らしく動いてくれれば周りは迷惑を被らずに済むから、と取れます。

この話では、フランシェスカとムルルも一緒に行く事になります。

アヤがもうレンジを騙さない、レンジとパートナーにならない、という展開なら必要ないのですが、なぜか一緒に行きます。

レンジはアヤとパートナーになる気はない、のかも知れませんが周りがそれを認めない、と取る事も出来ます。



7話『決戦』で、ファフニィルに乗って魔王の城まで飛んで行きます。

途中で、クキとアヤが一緒にいる光景を見付けます。


魔王の城につき、ソウイチとマサキでペアを組みシェルファを陽動します。

ファフニィルとレンジで黒いドラゴンの相手をします。

フェイロナ達はソルネアの探索になります。


そして黒いドラゴンが登場しますが、エルメンヒルデを喰らって翡翠の結晶で覆われています。


8話『犠牲にしてでも』で、ファフニィルと黒いドラゴンが戦っています。

ですがエルメンヒルデも喰らったドラゴンの方が強いのでファフニィルはこう言います。


「エルメンヒルデを取り戻せるか?」」


「・・・」


ここ以降も酷い解釈を続けてしまいますが、アヤを受け入れないなら死んじゃうよ?という今までの展開通りの脅しに見えます。

前提の時から、レンジは最弱で用済みだから追い出された、という解釈も出来る、と可能性を示しました。

また、レンジを飾りとして、神を殺したのはこいつで、俺達じゃない、という逃げ道作りの可能性もあります。

そして、皆の飾りとして、アヤを受け入れないと助けないよ?と取れます。

ごった煮なのでこう見えてしまうのですが、やはり醜悪なのでこの解釈は止めます。


黒いドラゴンに取り込まれたエルメンヒルデですが、ソウイチの指示でクキ相手に頑張るアヤ、としておきます。

結局は振りだしに戻り、最初の王城での頼まれ事に戻っています。

レンジの告白は、眠り姫の目を覚まさせるための王子樣のキスにはならなかった、と言えます。

そして、ここで「エルを取り戻せるか?」ではないのが何とも苦い部分でもあります。

アヤがもう一度、今度はいいなりになったからではなく純粋にレンジを慕って仲良くなってハッピーエンドはないよ、と予想されます。


なんであれ、レンジはアヤとパートナーになる事をまた強要されます。


ここの別解釈ですが、レンジの告白によってアヤを改心させた、と考えてそれをファンタジーで表わしてエンドとも取れそうに思えますが、展開がそうなっていないのでこの解釈では進めません。


9章幕間『仲間として出来る事』でフェイロナ達がソルネアを救出します。

ソルネアは地下に幽閉されており、それが企みは秘密にされたまま、という事であると同時に連れ出すから明るみに出る、とも取れます。

また、ソルネアが救出されて戻る、という事はまだ企みが残っている、とも取れます。

ですが、ソルネアは衰弱していて弱っているから、企みも消えそうな程に弱い、と取れます。


「私はまだ利用価値があるからーーー私が、レンジと同じ『器』だから」


やはりこの章の解釈は醜悪になります。アヤが操られるままに動くからまだ利用価値がある、と取れます。

ベルドが邪魔をしに登場します。


「いいや。『勇者』と『魔剣使い』・・・残念だが、『神殺し』はもう死んだぞ」


少し前にも書きましたが、アヤとあてがわれていいように操られて本来してはいけない事をするレンジ、を神殺し、と表現しています。

現状でアヤをあてがわれていないので、レンジは『神殺し』ではありません。


ソウイチがベルドを倒すために加勢します。

シェルファの右腕を持ってきます。


「魔力を封印したんだって? あんな半端で、僕とマサキさんに勝てると?」


レンジの告白でアヤがもうレンジを騙さないと決めた事を表わしているようです。

クキと一緒にいた事をどう捉えるですが、あれが単なる偶然扱いなら、もう美人局のような事もしない、とも取れます。

ただ、アヤと一緒に出発したメンバーで、あえてクキとだけ一緒にいる描写なので前者だけでしょう。


ベルド=魔物、吸血鬼としてのソウイチ、です。

この地下牢で、ソウイチはベルドが死ぬまで何度でもベルドを倒します。

ここは、アヤを操るソウイチは、アヤを表わすシェルファの右腕、企みに加担するアヤの実際の行動も、もうさせない、と表現できそうです。

そして、ソウイチ自身のその黒い企みも何度でも自分で倒す、つまりは反省している、と取れます。


「だから言ったのです。ベルド、貴方はレンジの仲間を舐め過ぎだ」


ソウイチの企みが失敗した事だけについて述べているようです。

これがレンジの告白時の仲間の態度と関連があるかがよくわかりません。

ありそうなんですが、曖昧すぎて関連できそうにないです。


「レンジだけに笑っていてほしい、と言った」という解釈において、皆(ソウイチ達を除く)がレンジを擁護した、とも取れます。

深読みになるので追求しません。

また、表面上は揉めごとにならないように片付けたが、やはり美人局をするような人物を信用出来ないのでソウイチは信用を失った、から強力な味方になるはずの仲間を失った、と取れます。


ソルネア達は外に出ます。


「やはり」


「まだ生きていますね」


『神殺し』としてのレンジがまだ生きている、と解釈出来ます。


ソルネアはファフニィル、レンジ、黒いドラゴンの戦いを見ています。


「見届けます。それがーー私達の願いです」


ここの解釈も微妙です。

ネイフェルの願いである、戦いを楽しむ、生きたい、のどちらが被っているのか微妙です。

また、アヤを含めた仲間が、レンジがどう選択するかを見守る、と解釈も出来ます。

死ぬか、アヤを受け入れるか、というやはり醜悪な解釈が出来ます。


「単純な話なのです」


「神の戦いに、人は立ち入れない。近寄る事も出来ないーーそれだけの話です」


「さようなら」


ソルネアとフランシェスカがさよならします。

アヤにはもうレンジへの想いがない、と取れます。

神の戦いに、の部分で、精神、心の問題、つまりは恋愛感情に他人が入り込む事は出来ない、と取れます。


9話『神殺しの神』で、エルメンヒルデを取り戻すために行動します。


「お前が居ないと、戦えない、倒せない、勝てない」


この言葉がまあ、表面上は聞こえが良いのですが、作品の裏の仕込み方から、今まで通りにアヤという存在を強要されて受け入れた見返りに、勝たせてもらっている、と読む事ができます。裏側を見るとこの作品もろくなもんじゃないです。


「ーー生きていても、楽しくないんだ」


この部分で、負け犬の人生は楽しくないんだ、とも取れます。


ここで七つ目の制約について書かれます。

俺という『器』に神を降ろす、です。


飾りとして強要されつづけるレンジの生き方ですが、アヤを失うと良い思いをさせてもらえなくなるので辛いだけの人生になります。それが嫌だからアヤと一緒にいたい、という「想い」を自分の中に持つ、と裏側では解釈できます。

別解釈は、この後にエルは俺の心の中にいる、という描写から、かつてのアヤの想い出と共に生きる、から現在のアヤとの関係は割り切る事にした、です。


七つ目の制約でアストラエラの力を授かります。

女神アストラエラが何の比喩かは知りませんが、ここでは女性の総体、理想の女性像、と解釈しておきます。


「お前は、俺の相棒だ」


この言葉をレンジが発して、エルメンヒルデを取り戻します。


「お前は忘れてしまったんだろうけど、元々はそういう存在なんだ」


ここは、美人局として利用され、貞操観念も低い為に、表面上はレンジを慕う振りをしながらも、例えば裏でクキとベッドを共にする、というような行為をさも当然のようにするが、夫婦やパートナーというのは表面上の肩書きじゃあないんだよ、って事だと思います。


「アストラエラ」


「俺はここに居る。俺達は、ここだ」


この台詞を言う時に、アヤはいません。かつてのアヤへの想いだけを抱いて生きる、と言っているように取れます。

ごった煮なのでどうしても醜悪な部分も含めて色々に解釈できてしまいます。


10話『約束の為に』でレンジと黒いドラゴンは戦います。

ここでの黒いドラゴンですが、アヤと、アヤの持つ企み=不倫、くらいで良いのだと思います。


「神と戦うってのは、こういう事だ」


「テメエが望んだ戦いだ」


「見ていろ、フェイロナ」


アヤを糾弾するレンジ、で良いと思います。フェイロナの名前を出す事で、かつてのアヤに多少の想いを持っていたレンジも攻撃の手を緩める事もない、と取れます。

ここでの神は、恐らく社会の常識や規則や法律の類でしょう。


「コレは、俺のだ」


「俺の、相棒だ」


アヤを取り戻しはする、という事でしょう。


「やり過ぎだっ。あれでは、フランシェスカ達がーーー」


前回のように周囲に迷惑をかけないようにするのもせず、今回は躊躇しないようです。

黒いドラゴンを倒した後に、シェルファが登場します。


「その手は?


「勇者に切り落とされた」


いいなりになって行動する、という行動をとる必要がなくなった、と解釈出来ます。


「・・・力を封印したってのは嘘だったのか?」


「いいや、魔力を封印されたのは本当だ」


ここの会話は、騙されていいなりになっていたのではないのか、という内容でいいと思います。

シェルファは呪具を外し、腕を元に戻して全力を出せるようにします。


「全力で戦えない。常に死の恐怖が傍にあるーーー死ねば、ヤマダレンジともう戦えない。その恐怖を、ずっと感じていた」


「だから、生きた。必死に、この時の為に生きたよ」


「お前と戦うために、(略)ーーこれが、生きたいという気持ちか。死にたくないという感情か」


「約束を果たそう、ヤマダレンジ。儂は、その為に、今日まで生きた。今日まで待った」


この言葉の解釈のために、今までの前提を少しだけ変えます。

一回目の魔神討伐の際はまだアヤはソウイチのいいなりになっていない、と考えます。

その時、アヤは自分の保身のためにレンジを操ろうとしていた、とします。

そしてレンジがいなくなると次に弱いアヤが最弱になって、いままでレンジが押しつけられていた役割をする事になった。

「殺す」と脅されながらもう一度、レンジという最弱を手に入れて、自分は脅す側になって脅されなくて済むようになりたいと思っていた、と解釈できます。

'魔力のある世界'ではそれが常識なんでしょう。


「いい所なんだ。邪魔すんじゃねぇ!!」


ここでソウイチ達が駆けつけようとするのを拒みます。

ここの裏ですが、味方の振りして参戦して後から攻撃、とか妨害して邪魔をする、だとかの工作を避けた、とも取れます。

なぜならソウイチ達はアヤに勝ってほしいからです。そうすれば今まで通りにレンジが最弱で、アヤも含めて脅す側でいられるからです。


最終話『戦いの終わり、旅の終わり』で決着がつきます。

シェルファが負けて、レンジが勝ちます。


「やくそく」


「うん」


「やくそ、く・・・まもれ・・・なかった」


「いいんだ」


ここの会話をどう捉えるかも難しいです。

互いの発言を逆に発言している、とも取れます。

これをアヤが、「約束を破ったな」と批判している、と取る事も出来ます。

ですが、同時にお互い、本当ならしたくもない戦いで、生きるためにレンジが約束を破るのも仕方がない、と納得している、という態度と表情からこの言葉になっていると推測も出来ます。

別解釈として、レンジの告白時に、「絶対泣かせない」という部分から、レンジが実は実際に泣いているか、すくなくとも心の中で泣いていて悲しそうな顔をしているからその発言かも知れません。

この場合の解釈としては、先ほどの最弱争いという解釈を外して、クキを選んだ事にレンジが嘆いたからとも取れます。

ごった煮は解釈が虹色になりすぎて特定しずらいです。


向うから、ソウイチ達が駆けてくる。手を振ると、満面の笑みを浮かべてソウイチが飛びつくように抱き付いた。


「いてえ!?」


>俺はもう普通の人間なんだからな、と言うとソウイチが照れたように笑った。


ソウイチは不満を態度で表わします。よくもやってくれたな、という感じです。

神殺し=偽装で周囲を騙す、とも取れます。

ソウイチがアヤをいいなりにしてあてがう事でレンジをいいように扱う、という事が出来なくなった、からソウイチの態度がこうなっている、と取れます。


「なんも残ってないな」


「吹き飛ばしたの、ヤマダさんだけどね」


周囲も巻き込んで、事実を明らかにして関係をはっきりさせた、と取れます。

この後、フランシェスカを名前で読んでいる話になります。

もうアヤを子供扱いしない、守らない、と解釈できそうです。


そしてソルネアを神の座に導く場面になります。


「きっと、いつか私もーーー」


「大丈夫だ」


「俺は、お前を独りにしない」


「寂しくなったら俺を呼べ。顔くらいは見せに来るさ」


この先、ソルネアは独りでいることになり、いずれそれに耐え切れなくなりネイフェルやシェルファのようになるだろう、という話がされています。

周囲に見向きもされなくなり、周囲を傷つけてでも自分に関心を持ってもらいたいと思うようになる、という解釈が出来そうです。

それに対してレンジはアヤを独りにはしない、と言っています。


「貴方を呼ぶには、どうすればいいのでしょうか?」


「さあな。自分で考えろ」


「貴方は、残酷ですね」


「今ごろ、気づいたか?」


呼べばくるけど、呼び方は教えない。

自分で見付けろ、という事です。

アヤに、どうすれば他人に、この場合はレンジですが、好かれるのかを自分で良く考えろ、と言っているように思えます。

その思考から、他人がされると嫌がる、傷つく事を理解しろ、という事でしょう。

アヤがレンジの事を少しは理解して、レンジを傷つけない、という事がどういう事なのかが分かるようになればレンジはアヤに応える、と解釈しておきます。


エピローグ『笑って生きよう』でレンジとエルが会っている夢から始まります。

ここでエルとの永遠の別れをしています。

エルの事を忘れない、という会話をしていますが、いずれ記憶は薄まり忘れていく事になるという内容になっています。


「好きだった」

・・・

「・・・好きでした」


レンジももう心のどこかで、エルは帰ってこない、と思っていた、という描写になっています。

レンジがもう現在のアヤにかつてのアヤを重ねないようになった、という事でしょう。


「宇多野さん、今からご飯なんだけど、一緒にどう?」


「・・・ぅ、朝、もう食べちゃったのよね」


>そう言って、お腹を押さえる宇多野さん。


ここでの解釈も9章は酷い解釈が出来る、という事で、手柄を立てたレンジだけど、これ以上は無駄飯は食わせる事は出来ないわよ、と取れます。


>その名前を呼ぶ前に、腕を組まれる。


「さあ、行きましょう」


「・・・そうだな」

・・・

「今度は」


「私も連れて行きなさい。いいわね?」


ここも逆表現に見えます。

用済みだからそろそろ出ていってくれない?充分タダ飯を食べたでしょう?的な解釈が出来ます。

台詞上は好意的ですが、態度と表情で威圧をして逆になるように見せている可能性があると言う事です。

あえてそれをここに書かないというミスリーディングがありそうです。

この解釈には最初に回想をもってきている事も補強材料にしています。


>大丈夫だよ、エル。

>俺は、笑えてる。

>お前は、笑っているか?


という最後の描写で、レンジにとってはこの世界がとても生きにくく辛い世界なんだと告げているように見えます。




以上で、ごった煮なのでいくつかの話を混ぜている事からわかりにくい部分と、章毎に違う内容で展開しているとも取れる裏側があって読み辛い作品、と言えます。

作風でどこか暗い雰囲気を与えているので、裏側もその差で必要以上にダメージになる事はないのですが、モヤモヤとした気持ちにさせられます。

9章最後の状態が、作品の最初のレンジの状態になる前、という事でループになっています。

違ったのは一回目はレンジが気づいていなかった、二回目はレンジは気づいていた、という部分で、アヤとの関係はレンジにとっては改善されています。



作品のおさらいです。


まず醜悪な解釈からです。前提と9章からの解釈になります。

神殺し=本来の正しい行動とは違う、不正行為や違法行為といった行動をする事、と取れそうです。


アヤを使ってレンジを操りそういった行為をさせていた周囲(少なくともソウイチ達)。

それに気づいたレンジはアヤと別れますが、周囲とも縁を切らないとだめなのでその集団から出て行きます。

レンジがいなくなって最弱となったアヤはいいように扱われます。

そしてレンジは違う環境に行きますがうまくいきません。

そしてレンジは元いた集団の中に帰ります。

するとやはりアヤを押しつけられますがレンジは受け入れたくなく、アヤも今更レンジと一緒になりたくありません。

すでに何をしていたか気づかれているからです。そもそもがそれ以前も仕方なくレンジと一緒にいたからです。

それでもアヤはレンジと一緒にいる事を強要されます。

自分が脅されないためにはレンジを脅す側になる必要があります。

ですが中々レンジは屈服しません。

そして、レンジが目障りなので殺そうとします。

それは失敗するのですが、そこまでアヤが攻撃してくるのでレンジも覚悟を決めてアヤを攻撃するための材料を集めます。

レンジは屈服した振りをして取り込まれますが、アヤの不貞行為の証拠も握ります。

それを皆に開示して、アヤとの関係を終わりにしようとし、アヤはレンジには近寄らなくなります。

アヤとしては喜んでいるかも知れません。

結果としてレンジはかつてのように操られる事もない、ですが、それでは周囲にとっては用済みだから、またその集団から出て行く事になりそうだ、という結末になるようです。



別解釈です。


ソウイチのいいなりになって操られるアヤは、レンジにつきまとい、レンジをいいように操ろうとします。

レンジはアヤが純粋に慕ってくれていると思い、一緒にいますが、目的を果たした時に、アヤが単に命令にしたがっていただけと知ります。

それに傷心したレンジは、失踪します。

これは「アヤを守る」という約束をしていた事が関連し、実情を周囲に話すとアヤが孤立し居場所がなくなるから、それでは約束を果たせないために、レンジが去る事で「アヤを守る」という約束を果たそうとします。

ですが、レンジもうまく生活出来ません。

そして元の環境へと戻って来ます。

その時にはすでにアヤの事で問題が起こっています。

ソウイチ達に操られてアヤは他の男を騙そうとしています。

その対処としてユーコはレンジにもう一度アヤと一緒になれ、と言い周囲もそれを望みます。

アヤはレンジが失踪した事を対して、裏切られた、見捨てられた、守ると言ったのに守ってくれなかった、などと思っています。

なのでレンジとは元に戻りたいとは思っていません。

レンジも他の男に操られるままのアヤとは一緒になりたいとは思っていません。

レンジはアヤが操られる状況をなくそうとし、アヤに常識を植え付けようとしますがうまくいきません。

アヤは操られるままに行動しますが、レンジが操られてくれないので、ソウイチ達の指示でレンジを殺そうとします。

アヤがそこまで異常な行動をするため、レンジもやむなくアヤに対して割り切った行動をする事にします。

ソウイチ達の企みと、以前に失踪した理由を告げると、アヤはレンジの想いに気づき、レンジを傷つけた事が分かり、レンジを騙さないと言います。

(この後の展開はその最後の部分をファンタジー表現したものだと強引に解釈してエンド、としておきます)



こういった解釈の出来るものを裏側に仕込んだごった煮ですので読み辛いです。

二つ目の解釈で「この作品良いね」などと言うと一つ目の解釈で言ったと強引に解釈されて、「じゃあ、あなたにしてあげよう」などと言ってくる輩がいるかも知れません。

また、二つ目の解釈でも、ならいいように操ってあげる、と言い出しかねない人物がいるかも知れません。

裏側を仕込んだ作品を褒める時は注意が必要です。

また、それに気づかない、から同じような事をしてもばれない、きづかれない、からしてしまおう、という使い方をする連中もいるでしょう。


作品自体は「良くも悪くもある」ものです。

こういった裏側なしでなら楽しめるものだと思います。

アヤやユーコは可愛いと感じる事ができます。

アナスタシアもファンタジーらしいキャラクターでしょう。

使っている比喩をあちこちで違う表現に使ってしまう事は良くない部分だと思いますが、'髪'などの表現の使い方はうまい方だと思います。

最近は思想誘導をするために、こういった裏側なしの作品は'人気がある'事にはされないのでしょう。

まあ、悪魔の取り引きをする方が多いとも言えますが。

そういった作品で埋めつくしてしまえば、それが'デファクトスタンダード'、'慣習'、'普通だ'などといって、イースターエッグよろしく無条件に受け入れさせる事が出来る、というような企みでしょう。

世の中の劣化のさせ方の常套手段です。

周りがしているから自分もしていい、という考えだと、犯罪者の中にいるなら、一緒に犯罪をして良い、という解釈が出来てしまいます。その矛盾に気づけるどうか、が精神が成熟したかどうかの指針になると思います。その判断は相対だけであり、世の中というのは自分の周りの相対差だけで出来ているのではなく、絶対値でも定義されており、それらを考慮する必要があるんだよ、ってことです。


ここから5行スペースの部分はこの作品をディスる内容になるのでそういった事が嫌いなら読まない方がよいです。

まだこのレビューを読んでくださるなら番外編に移動してください。

書籍に含まれていないのか、番外編は良い状況になっていく展開のようです。






この作品の良くないところは、ファンタジー表現で被せているのですが、それを用いた設定において、裏側につながりがない、という部分です。

裏側にある展開にファンタジーを被せるだけ被せて、それがファンタジー部分で成立しているかどうかは確かめなかったようです。


ソウイチですが、女神アストラエラと精霊神ツェネリィアの加護を受け魔力を供給してもらい、聖剣も授かっています。

この作品の裏側の企みを実行した時点で加護を失い、聖剣も取り上げられるでしょう。

つまり、作品として成立しない、と駄目出ししてしまいます。

また、一回目の魔人討伐で精霊神の加護も聖剣も貰えないでしょう。



魔人討伐があったとして、レンジが追い出されるのが矛盾です。

正当な対価を払わずに追い出す、という事は次からは何の信用も出来ない、という事です。

だから王国や、国という規模では、そのような行動はまず取りません。

それはその国が発行している貨幣の信用も、そして法律の信用度も疑われる結果になるからです。

だから、レンジが出て行きたがっても、出て行かせず、王女と結婚させるか、王族にするか、領土を与えて貴族にするだとかの方法しか取れません。

いいように扱って用済みだから追い出す、なんて真似をする連中は信用などされないから国としては成立出来ず、やがて崩壊するから誰も信用しないし、そういった連中とも一緒にいようとしません。

それがこの作品では分かっていないように思えます。

生死にが身近になる国や社会ほど、それがわかっていないと生きていけません。そこに甘さがあるのはより箱庭の住人だけです。



「死」という言葉を出して、レンジを脅迫しているようにも見える作品だと言えます。

その言葉でレンジをその場その場でいいように操っているように見える。


「皆を守るから、皆も俺を守ってね」


レンジは最弱だからこう言うしかなく、誰よりも率先して行動しようとするしかない状態だと見えます。



一人で寂しい人物は、腹話術のような事をして一人で会話して寂しさを紛らわせる事があります。

エルメンヒルデの会話が腹話術を連想させます。

こう見ると、エルメンヒルデの会話がレンジの発言だと捉えて読み直す必要が出てきますが、私は止めておきます。



クキは浮気をした時点で婚約者候補になりえない。

クキの浮気はソウイチの企みを阻止するため以外には成立しない。

ソウイチの企みが阻止できたら関係破棄が正しい(正妃を無視して浮気できる時点で王の資格なし)。

王女との交際が公式に認められた時点でアヤとの関係を断つ、もしくは必要以上に仲が良いと思われる行動を取らない、のが常識です。

それをしてしまうと、王女は他の女より価値が低い、魅力がない、と表現しているとも取られ、王国の体面に関わります。

王国を侮辱したクキを王にすることはまずない、となります。

やるならやるで、人目につかないように、高級娼婦だとか、それ目的の側付きのメイドだとかにしないと話が成立しないです。

王女を無視してアヤとイチャイチャしている姿を晒すというのはクキの常識が疑われます。






大体こんなものでしょうか。

根拠がどうにも、といった感じに思えます。


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