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自分用レビュー  作者: くーくま
62/224

夜伽の国の月光姫

女性向けファンタジー。

勘違い系。

スキャンダルはありますが、展開は表側で示されます。

スキャンダル部分だけ隠されています。

評価は「読んで良くも悪くもない」もの。


第一部の最後で主人公が死んでエンド、ですが、実は生きている、という解釈で終わります。


粗筋は大国の王子が諸国巡りをしているが、結婚相手を探していると噂される。

ある小国に訪れた時に、塔に幽閉されている姫の存在を知り、保護して連れて帰ります。

その姫が美しく、王と王妃の関係を倣ってその姫をゆくゆくは王妃に、と考えたようです。

王子は隣国に主人公を伴って訪ねます。

その際に、王子が苦手にしている婚約者候補の王女と話して牽制してから帰国します。

その後にエルフのいる北の森に旅行にいくのですが、竜にあい、少しの勘違いの元に、竜に連れ去られます。

竜は勘違いに気づきバトラーの話術で主人公を解放し、主人公はエルフに保護されます。

王子は主人公のために、森の奥深くに入って行き、エルフと戦った後に和解します。

主人公の功績ですが、エルフと交流をする事になります。

その後に、王子は最初の旅の目的だえる諸国巡りを再開する事になります。

隣国の姫が主人公を呪い殺そうとしますが、呪術師は王子を殺そうとします。

主人公はちょっとした勘違いの元に、その呪術師が放った呪いを魔物を倒しますが、自分も死んでしまいます。

主人公の事を想う王子と主人公の姉が結ばれてハッピーエンドです。


裏ですが、隣国に訪れた時に隣国の王女が主人公をスキャンダルに巻き込みます。

スキャンダルに巻き込まれた結果、主人公が生きていくためには何かしらの功績や収入を得る基盤が必要になります。

そこで王子はエルフとの貿易を主人公の功績として開始する事にします。

そうやって主人公の存在が必要であり有益だから王子の相手に相応しい、という状況を整えます。

ですが、王は王子に諸国巡りを再開しろ、と言います。

それは新たな婚約者候補を見付けてこい、という事になります。

また、王子は主人公を連れてきた時に、一生守ると誓っています。

旅に主人公を連れて行く事も決まりますが、これは旅の途中で命を落とす事を期待しての事になります。

主人公がいる間は、王子は別の婚約者を選ぶ事も出来ず、また、王になる事もできないです。

諸国巡りも終える事も出来ずに彷徨う事になり、そうこうしている内に誰かが王についてようやく王子は立場を失う事によって主人公と一緒になる事が出来るようになります。

ですが、その展開を良しとしない主人公は、旅の出発前に王子にお別れを言って死にます。

それに悲しみ、激怒した王子はその発端となった事件を追究し、それを行った呪術師を殺し、隣国を半壊させ、計画を立てた王女を島流しにします。

そして王子と主人公の姉が仲良くしている所でエンドです。



粗筋通りで後は勘違い系の話を読むだけになります。


話の初めで、主人公セレネは塔に幽閉されています。

話し方が片言のようになっていて、知能障害があるように見えます。

ですがその姿は美しいです。

セレネの国に王子ミラノがやってきます。

ミラノはセレネの姉アルエにセレネの存在を聞き、国へと連れ帰ります。

どこまでの扱いにするつもりだったのか知りませんが、ミラノはその美しさから、「セレネを守る」と誓ってしまいます。


10話「永遠の友達」で、王シュバーンとの会話があります。


「先ほども言ったが、私はお前を一人の男として扱う。お前が独断で抱えた問題は、お前で責任を取れ。私から言える事は以上だ」


「ありがとうございます!」


ただ、王女だと気づかれてはいけない、という事でセレネは従者扱いになっています。

これが騒動の原因にもなります。

元々はセレネの国の女王が、自分が生んだ娘が知能障害を持っている事などというスキャンダルを隠すために、ミラノに連れていくなら平民として連れていけ、と言ったからです。


そのセレネを口実に婚約者を押しつけられるという事態から逃れようとしているミラノがいるようです。

ただ、ミラノとしてはセレネをかなり気に入っているようです。


隣国に行く時、セレネを同行させて、隣国の姫からのアプローチを躱します。

ですが、隣国の姫はセレネが邪魔だと思い、セレネをスキャンダルに巻き込みます。


18話「路地裏」での話です。

露店を見ている時に連れ去られ、路地裏でセレネを発見した時にはもう遅かった、という展開です。

セレネはその時、ミラノに迷惑をかけたくないから自害できるような薬を買っているようです。

このスキャンダルは、隣国の姫が、セレネをただの従者と思い、身分の低い女を加害しても自分が罪に問われる事などない、と考えているから起こっています。

ここの根拠が薄いようには思えます。ミラノのお気に入りならどうであれ、リスクが高過ぎて出来ないはずなのですが。


後は粗筋で書いたような展開なのですが、エルフのいる森に行く時の理由が、エルフとの交易で功績を得させるためかセレネを事故に巻き込まれた事にして捨ててきたかったのかの解釈が難しいです。

傷物になったセレネはミラノにとっては御荷物でしかないからです。



隣国の姫が雇った呪術師が呪いをかける時が2回あります。一回目は王子の帰国後すぐ、もう一回が半年後、になっています。

これは、スキャンダルで、セレネが精神的に弱って自害するのが一回目で、ミラノが自害する薬を取り上げているので発動はしていません。

この時に、スキャンダル隠しを行っています。

そして、ミラノが選んだのはセレネではなく姉のアルエなんだよ、という展開にしようとしてます。

アルエは学院にいます。

そこにミラノが訪れ、また、セレネもミラノの妹である王女マリーにつれられて登場します。

ここでのマリーとセレネが大喧嘩していますが、ここのでマリーは隣国の姫役かも知れません。

そして周囲の人を集めています。

皆の前で何が起こったのかを示すためのものと取れなくもないです。

セレネがアルエの方へ向かおうとするときに、マリーはセレネの服を後から掴み、セレネは顔面から勢い良く転倒し、気絶します。

この描写でセレネがスキャンダルに巻き込まれた、という事を周囲に告げている、と取れそうです。

また、それを学院で行う事で、ミラノが会いに来た女性がいる、ミラノのはお気に入りの女性がいる、会いにきた女性はアルエである、ミラノのお気に入りはアルデである、というような感じで、事情を知らず噂程度しか知らない人間に誤認をさせようとしている可能性があります。


2回目の呪術の発動は半年後、という事でここは恐らく妊娠発覚したら、セレネはもう死ぬしか無くなるからこの時期だと言っているのでしょう。


スキャンダルに巻き込まれたせいで、失ったもの以外で役割を補填する必要があるセレネを支援を周囲はします。

いわば自分達が巻き込んだものだからです。

ミラノの結婚に絡む話であり、セレネを守れなかったのも護衛やミラノです。

セレネへの支援で作る実績は、エルフとの交易、そしてアルエがミラノのお気に入りだという事にするために学院への寄付、です。


ですが、セレネ自体がいるので約束を守るとミラノは他を選ぶ事が出来ません。

ミラノは諸国巡りを再開しますが、王妃とマリーはセレネをつれていけ、と言います。

厄介者を置いたままに出来ない、という事でしょう。

裏側を隠すためのミスリーディングをさせているのですが、そのために勘違い系にしているようです。

ですが、裏側の展開を隠すための根拠がここでは薄いです。

別段、セレネを正妃にする必要がないです。そんな約束もないです。

ですが、正妃に出来ないから、ミラノは王になる事を諦め、諸国巡りをしてあてもなく放浪する事になる、という事になっています。


旅に出ようとするミラノですが、その状況を呪いに例えています。

隣国の姫は、実は自分が呪いをかけた、つまりスキャンダルに巻き込んだのは、実は他国の王女だと知ります。

これで国家間戦争を仕掛けてしまった事に気づき、また、セレネをスキャンダルに巻き込んだ事で、セレネとの約束を守るためにミラノを害する事になり、殺す結果になるから、呪いはミラノに対してかけられる描写になっています。

隣国の姫が「寝る」、という比喩を、目を閉じる=盲目になる=自分が何をしているのかわかっていなかった=失敗して死んでしまった、のどれかに解釈できそうですが、詳細にどう解釈すべきかが分かりません。失敗に対して現実逃避している、から「寝る」という描写をしたのかなどは分からないですが、ここでは姫が失敗した、としておきます。


旅に出ようとするミラノですが、セレネはそれが自分のためであり、その旅に出掛ける事は、セレネがいる限り終わる事のない放浪でもあります。

なので、セレネはミラノのために自害します。

そのセレネの自己犠牲により、放浪の旅をする必要のなくなったミラノは、セレネが死ぬ原因を作った隣国に報復攻撃をします。

呪術師はとことん追い詰めて殺し、国は半壊にして、隣国の姫は島流しです。

ミラノはスキャンダル消しのためにアルエと一緒にいるシーンでエンド、です。



この作品のタイトルにある「夜伽」の使い方が違うと思います。

夜伽に通夜の意味がある、と書いていますが、これは逆説になっています。

御伽話という言葉があるように、子供に聞かせる話や娯楽として聞かせる話を指します。

それを夜に行い、男を慰める、という事でそこに男女間の物事が付随されて夜伽には性関係の意味がつきます。

そして、つまりは夜通し男女が一緒にいるから「通夜」の意味がある、です。

ここでの「通夜」は、葬式を意味していません。


葬式も「通夜」で行われるからと言って、「通夜」が全て葬式を指すわけではありません。

だから、喪に服す国、だからといって、夜伽と書く事は出来ません。

そこはつながっていません。

夜伽の国の、と書いた場合に連想されるのは、セレネがミラノの性欲処理のためにあてがわれた御妾さんだった、という内容になります。


勘違い系の部分を省くと、知能障害をもっていそうなセレネの役目はたしかにそうなのかも知れませんが。

裏側に仕込むために裏側をつなげるには色々と矛盾がある作品のように思えます。




評価は「読んで良くも悪くも無い」ものです。

スキャンダルの展開は表で表現されているので、隠しているのですが、それほど綺麗に隠しているわけでもない。

そして、主人公は死んでしまいますが、それを仕掛けた側が利益だけ得てエンドという事にはなっていない。

後は、「おっぱい」だとかシモネタに話が寄り過ぎて読みにくいという所でしょうか。


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