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自分用レビュー  作者: くーくま
60/224

シナリオ通りに退場したのに、今さら何の御用ですか?

悪役令嬢もの。

イースターエッグ系のスキャンダルです。

「未来のために」まで読みました。

評価は「読んで悪い」ものです。


話の前提にスキャンダルを配置して、本編でミスリーディングさせている作品です。

その部分が分かる所だけ説明します。


粗筋は、婚約破棄された事で、主人公クリスティアーヌ(長いのでクリスにします)は家出します。

婚約破棄の理由はクリスがある令嬢に酷い嫌がらせをしたから、王子がその責任を取り、その令嬢と一緒になる、というものです。

ですが、半年経過して、実はその嫌がらせというのは捏造されたもので、その令嬢が仕組んだものであり、クリスは無実だった、という事が分かります。

周囲はクリスを迎えに行き、クリスはその時知り合った市民の皆に恩返しがしたいから市井官になろうとする、というものです。

女性が頑張って成功していく、というストーリーに見えます。


裏は実に醜悪です。


まず、家出についてですが、

『身分剥奪の上放逐・・・?』で父である公爵と話しています。


「・・・此度の事は、事の真偽も確かめず断罪したグレシオン樣は元より、それを諌めなかったお前にも咎がある」


「クリスティアーヌ、わかるか?お前は・・・公爵家の矜持に傷をつけたのだ」


「・・・クリスティーヌ。此度の件、自分一人の咎にして欲しいと、そう言ったそうだな。・・・それを、私達が望むとでも?」


ここでは台詞はまともですが、威圧が行われたのでしょう。

あえて口に出す事で、自分一人で責任を取れ、と言っているように聞こえます。

それまでの会話も、クリスに非がある、という展開をしています。自分には非がない、と言っているとも取れます。

クリス一人を切り捨てて公爵家を守る、という保身でしょう。

例えば「それを、私達が望む、とでも?」と話し方で、「私達が望む」を強調したりすれば、態度と表情なども加えれば充分威圧できます。


そしてクリスティアーヌは失踪します。

ここでもそんな簡単に屋敷を出て行ける、という事はそれを止めもしなかった、と解釈出来ます。

普通の令嬢が動きやすい服を手に入れて、気づかれる事なく屋敷を出て行くなどはまず出来ません。



そして半年後です。

この半年の間に酷い事がありました、という作品です。

ここがイースターエッグ部分です。

この後の展開をミスリーディングさせるための布石です。

ここの解釈がずれるのは、その状況を知っているかどうか、です。

つまりは、社会で長く経験を積んで人間とはどういったものかを知った人物と、まだ学業に励んでいたり社会経験が浅いために人間というものがどれだけの悪質さを示す事が出来るかを知らない人物の違い、とも言えます。

なろう小説を読む層の多くは年寄りと呼べるだけの経験はないでしょう。だから、気づけないために、ミスリーディングになってしまう、ということです。

また、そうなるように、社会が組まれている、とも言えます。

性善説で語られる人間や社会と性悪説で語られる人間や社会は全くの別物として扱う必要があり、どちらがよりこの社会の実情を示しているか、となります。

性善説でこの作品を読めば作品通りの表面上の内容に見えるかも知れません。無条件に書かれたままを信じて受け入れる、という事です。

性悪説でこの作品を読めばその描写になっていたり表現を使っていたりするのが、普通とは違う違和感を感じる事ができます。

食堂で王子が部屋を借りるために、強引に、金銭を払って強要する、というものがどれだけ違和感があるのかを、気づかずに無条件に受け入れると不味い事になります。

性善説で見ると、そういった無茶な行動をする王子がいるんだなぁ、でスルーしてしまい、そういった精神が育まれます。


クリスの件は冤罪だと分かるがすぐにはクリスは見つからず半年後に発見された、という事でしょう。

冤罪だと分かるにも時間がかかったのでしょう。

その間にクリスはぼろぼろにされて町娘として生活しています。

'町娘'です。



クリスが酒場兼食堂で住み込みで雇われています。


「クリスティアーヌ・・・まさか、本当に・・・君が、こんな所で働いているだなんて・・・」


>グレシオン樣が呆然と呟いたのを合図に---


ここではまだ冤罪だと知らされていないので、追放した人物が、庶民として働いているのはかなりのショックでしょう。

高位貴族として何不自由なく生活しているはずの人物を、王子が突き落としたのです。


「さ、グレシオン樣、これで分かったでしょう。姉はこの通り下町で働いています。・・・殿下の知る『庶民の気持ち』を学ぶために」


ここは既に公爵家がスキャンダル消しに動いている、という事です。

追い出したのではなく、勉強のために働いている、という建前を欲しがっています。


その後、強気に出る事が出来ないクリスを誘導する形で、話が進みます。

クリスの弟が父の命令も受けて、スキャンダル消しの口実をつらつらと述べています。

威圧して追い出したのですが、それは勝手にクリスが出ていったのだ。

そして婚約破棄の場面ではクリスが自身で王子に発言をする事を望んでいたのだ、と自分達に都合の良い建前を連発します。



そして、食堂に母がやってきます。

これは周囲に、クリスは貴族の娘で高い身分ですよ、と伝えています。

何今まで好き勝手してくれたんだ、という脅しです。

そしてこれ以降手だしをするな、という脅しでもあります。


クリスの母は食堂の主と話をしにいきます。

脅しと、スキャンダル消しのためです。


クリスには途中から護衛がついていて、レオ、マーク、セルバ、と名前が出てきます。

レオがクリスに今後どうするのかと聞きます。

食堂で楽しく生活していたけど、本当に屋敷に戻るの?という感じです。

ここでも威圧を使っています。それほど強くはないですが。

周囲にとっては、クリスが屋敷に戻る場合の対処がものすごく大変です。

公爵令嬢が食堂で働き、そして娼婦として男に抱かれていた、などというスキャンダルはとても消しにくいです。

ですが、冤罪で追放したのは王子達です。

クリスが戻るのを希望すればする必要があります。

ですから、クリスから断って欲しいのです。

母は女性側の立場で動く役割なので、クリスを屋敷へと連れ帰ります。



『追憶とひとつの決意』で、クリスは屋敷に戻ります。


「あのリナリア嬢のように、甘言でも涙でも、信頼でも、媚びでも、必要な時に必要な手段が使えなくては、社交界など乗り切れなくてよ?」


「もちろん彼女のような目的に使う必要はないけれどね。・・・大事なのは、手段を何のために使うかなのですよ、クリスティアーヌ」


と伯母が口にしていますが、ここも体面を整える口上でしょう。

自己防衛と保身が主で、同時に娼婦のように抱かれるなどという選択を強いられるようになるなら、そもそもが社交界にいる時にでもしていればよかったのに、くらいの意味がありそうです。


「貴方、少しだけいい瞳をするようになったわね」


ですが、恐らく逆表現です。庶民に混じって、そして立場としてかなり低い脅される立場で過ごしたから、媚びるような事もして、卑屈さを身につけてしまっているのでしょう。



『お父様の告白』で、父と面会します。


「謝らずとも良い。今日は話すべき事が山積みだが、時間は有限だからな」


と若干、悪いと思っているな父がいそうです。

ただ、謝罪を口には出来ない、と取れます。


そして父も建前をつらつらと述べます。

実はこうやって考えていたんだ。だから間違えたのはクリスだよ、俺は悪くない、的な展開です。


そしてここから数話は、強権を持つ父を批判する事は出来ないので、誘導される形で話が続きます。



『求められる役割』で、父が言います。


「お前がこれから先、どう生きていきたいのか。それを聞きたい」



『お父様の問いかけ』で母の話をします。


「しばらく経って、初めてお前の様子を見に行ったエリーゼは、その日泣きながら帰ってきた」

・・・

「ああ、お前が屈託無く笑ってたって」


「・・・」


ここは逆表現です。いいように従わされ、客に媚びて卑屈な笑いを浮かべている所でも見たのでしょう。

もしくは男に媚びる所でしょうか。


そして父は、前話でクリスに、これからどう生きていきたいのか、と聞いたにも関わらず、こう言葉にします。


「お前の幸せは、今の生活にあるのではないか?」


ここでも強要する気満々な父です。そうだよな?そう言ってくれ、という意思が見え見えです。


「はい・・・どちらが幸せかは分からないけれど・・・お父様、私。許されるならもう一度、公爵家の娘としてやり直したい。私は色々な事から逃げるべきじゃなかった・・・」


クリスは父の強要を受け入れません。

言ってしまえば王子から受けた冤罪であり、その時味方せずに見捨てた父に、まだ従って更に幸せを逃す、という選択はないのでしょう。



『半年』で、王子の新しい婚約者がグレースリアという女性だと知ります。

これが後の展開に関係しているようです。文系の家系だそうで、それと入れ替わり、という事で市井官、という事なのかも知れません。

そう取れるようにクリスが嫌味を込めていそうですが。

また、市井官になる事には別の意味もありますがそれはこの後の食堂でのイベント後に書きます。



『お父様の教え』では更に父が強要、というより今後の既成事実を作るための発言をしているように見えます。

相手からどう見えるかを考慮して言動を取りなさい、という事でスキャンダルに気づかれるな、と言っているようです。


「・・・そうか、期待している。下町で働いていた時のように、笑顔で頑張りなさい。私も生き生きしたお前が見たいからな」


では逆表現です。下町で働いていた時のような媚びた態度をしたらだめだ、と取れます。



『翌日、私は・・・』で、食堂でのイベントが始まります。

公爵令嬢に戻るために、食堂で働いていた事を知る住民に脅しをかけるためのイベントが発生します。

ここの描写で、半年の間、クリスがどういう扱いをされていたかが分かります。


この後の展開ですが、王族が権威を振りかざし、金を支払う事でクリスの時間を借りたい、と言います。

そして、奥の部屋も借りてそこでクリスと話したい、と言います。


要は、行く宛てもなく身よりもないクリスは住み込みで働く弱い立場です。

強要されても拒む事が出来ません。

なので、娼婦として客を取らせて奥の部屋で相手をさせていた、という事実を、「既に知っているんだぞ」と伝えています。

王族と庶民の身分の違い、でその時の客とクリスの身分の違い、を分からせています。


また、これはこの場所で、そのような事は行われていない、という偽装のための上書きでもあります。

周囲にも分かる演技で、事実を知るものには脅しで黙らせ、事実を知らない者には、親切な主がいたんだな、と思わせるためです。



『その時、殿下は・・・』で殿下は頭を下げています。

これで周囲も何かおかしい、と気づけるでしょうが、さきほど書いたような目的なのでこの描写も必要なのでしょう。

王族が頭を下げるしかないような失態、という事で、ここにいる連中がクリスにした事は同様の重みがあるんだよ、と暗に示しています。


この後にマークが失礼な物言いで、クリスと殿下が奥の部屋で話す事を受け入れろ、と宿の主人に言っています。

そのガラの悪さがクリスに娼婦紛いの事をさせた客の態度を表わしていそうです。


「そうだな、弱腰と見りゃ外交でも政争でもカモだからな。だがな、ここにゃ他国のヤツも政府も居やしねぇんだ。ここで頭一つ下げたところであんたの大切な坊っちゃんの株も下がらねぇし、情勢なんか変わりゃしねぇよ」


ここで脅しが続いています。令嬢であったクリスはここで弱きな態度を取ってつけ込まれて娼婦紛いの事をさせられた事について、「他国のヤツも」といって、まさか自国の仲間と呼べるようなやつにそんな酷い真似していないよな?という意味を含みます。


「女将、聞いただろ?謝りたいんだとさ。確かにここじゃあなんだ、部屋はあるか?」


とりあえず女将に謝らせるつもりらしいです。



『グレシオン樣の謝罪』。

殿下も冤罪のために謝る必要があります。


「ああ、途中からは読むのも苦痛なくらい、詳細に調べられた報告書付きでね。自分の愚かしさに、身が凍る思いがしたよ」


クリスが娼婦紛いの扱いを受けて、客に媚びて生きている生活の報告はさぞ精神的にこたえたでしょう。

それも、自身が冤罪で処罰した事で発生した事です。


「私も浅薄でした。あの時の私はどうせ何を言っても無駄だと諦めて、ろくな主張もしなかった。邸で父に叱られましたわ。王族といえど・・・その言に過ちあれば、命を賭して正す事も臣下の役目だと」


「命を賭して・・・」


「まぁ王族に反論するのは普通は命がけだよなぁ。女将みたいに噛みつくヤツァそうはいねぇよ」


ここの会話で女将を脅しています。やった事はそれくらい重大な事だよ、と。

頭の悪そうな女将がどこまで理解しているかは疑問ですが。



『グレシオン樣の決意』で殿下の反省があります。

庶民のリナリア嬢を庇って冤罪を発生させたから、身分に関係なく有能な人材に教えを受ける、と言っています。



『私の答えは』。

ここでクリスは王族に反論します。

これが後の展開に若干影響しているようです。


「謝罪を受け入れるかどうかはその『いつか』まで、保留にさせて下さいませ』


王子側の予定では、謝罪を受け入れて終わり、の予定だったのが、クリスのアレンジが入ったのでしょう。


「クリス、3年が上限だ」


マークが会話に参加します。期限を付けないとやらないから、と言っていますが、最終的に2年になります。

これが誰に対してか、全員か、が解釈は難しいです。

食堂のオカミさんも対象なのかもしれませんが、それで済まされるようにも見えません。

王子とその取り巻きに言うとともに自分にも言っています。


『先輩の心配』でレオが登場し、また強要しています。


「・・・それ、クリスちゃんの意思?」


などと言っています。ここでの重要な事は、レオが学園の先輩だと言う事です。

つまり、クリスのスキャンダルを知っているやつは学園にもいるよ、と暗に示しています。

それでもクリスは意思を変えません。

多少の恥を書いても、このまま食堂でいいように従わされて娼婦紛いの事をさせられるよりはるかにいいからです。

仮に、裏から手が回って娼婦紛いの事をしなくても良くなったとしても、その生活と、令嬢として過ごせ、その先の生活も今より格段に良くなるはずの状況を手放す気もない、という事でしょう。


次にマークが説得にきます。

クリスが今さら令嬢に戻っても令嬢としての価値がないからそのまま庶民でいろ、と説得します。

まあ身勝手な話です。冤罪で貶めて、それが都合が悪いから自分達に都合の良い結果を得るために強要しています。

つまりは謝る気もない、という事です。

この作品のこの王国の在り方は通常の国の在り方とは違うので、創作物らしい内容と言えます。

だからそこに矛盾を指摘しても仕方ないのですが、そうなるとリアリティがない、というか、一体何の話を読んでいるんだろう、という事になります。

こういったものの極論は、なんかすごいことが起きて、ズバァーっと、ドカーンとして、皆笑ってハッピーエンド、と書けますが、そう書いて何か楽しめたのか、となります。

そこにどれだけ近付いているか、遠いか、という部分にリアリティが関係しますので、こういったあり得ない描写を書かれると作品を読んでいてシラケます。


マークは町娘や冒険者なんてお勧めだよ、というための役割です。マーク自体が元貴族の冒険者です。

だからこの役割を受けています。場合によってはスキャンダル消しのために夫になるかも知れません。


ここでマークなどが、令嬢に戻っても令嬢としての未来なんてないから、自分で生活する方法を考えろ、というような事を言っていますが、これは誤りです。

その機会を奪った側が補填しない限り、謝罪にはなりません。そうしないと、同じ事をして奪ったほうが利益になる世の中、という事になり社会は成り立たず、国なんて成立しません。

アニメで言えば、某世紀末的な社会しか作れません。


ここで王国が謝罪する、という事がどういう事なのかと考えると、貶める前は公爵令嬢で、王子の婚約者でした。つまりはそこまでの現状回復は当り前で、かつ、飢饉だとか他国が攻めて来たなどの外的要因がないならば、その先にあっただろう将来も保証するのが必要です。つまりは王子は無理でも高位貴族を伴侶とするなりして、生涯を平穏に暮らさせる、というのが最低ラインになります。そうでないと王国に何の信用も出来ない事になります。出来ないなんて言えるわけがないです。奪った側がその主張をして良いなら加害したもの勝ちになるからです。社会の成り立ちは、お互いに攻撃しない所から始まります。何の根拠もなしに攻撃して権利を奪ったのならそれを返す事でしか信用は取り戻せません。


だから、この作品の展開は王国としてはあり得ない展開になります。

出来たばかりの小さな国だとかならまああってもおかしくないですが、公爵位を設定するほどの国ではまずないでしょう。

奪ったものと等価なものを返して納得してもらうか、国として信用を失うか、のニ択をどう選択するか、などわかりきっています。

まあ、国として余程腐敗しているならこの展開もありえそうには思えますが、それでも降嫁させて生活させるというのが筋でしょう。


後、例えば19世紀のヴィクトリアン朝でしたか。それを見て、それ以前もそうだった、と錯覚させたい人物が世の中にはいたりもします。

そんなものは推測に過ぎないですし、そう断定できるものでもない。ですが他に情報を得られないなら錯覚するかも知れません。

例えば、この作品のような態度や行動を取る王国物の作品が溢れかえり、そういったものしか読む事がない場合、錯覚するかもしれません。

すると誰が得をするか、という所を考える必要が出てくる事になり、それだけ手間がかかり面倒な世の中になります。

あくまで創作物として割り切れるだけの知識があれば良いのですが。



『誰の役に立ちたいのか、なんて決まってる』

ここでレオとマークの強要を躱し、マークの発言と仕返しもかねて市井官になる事を選択します。

丁度、グレースリアの家系が文官を輩出する家系なので交代と言えます。

市井官、ですが、食堂で働いていた時に強要されて娼婦紛いをさせられていたというのは立場的に弱者である事から強要されたので、今度は立場的に強者となり、強要する側に回る、と取れます。

その強要の仕方が善人らしいものにはなりますが。

失ったものを返してもらう方法を、その奪った側の努力で国を良くする方向で返してもらう、という選択なのが善人の可哀想な所と言えます。

悪人はやりたい放題やって後の事は考えないが善人は後の事を考えてしまう、という事です。

ぶっちゃけ、悪人らしい対応を考えれば、関わった親類縁者もろとも、この国で生活できなくして、鉱山送りとか開拓民扱いで放逐とかでも良いのです。悪人なら。仕返しを考えてもそこまで悪びれる事ができない善人としてのクリスがいる事になります。



『学園にて』でまだ攻撃が続くようです。

学園に戻っても話しかけて来るのは平民出の学生だけです。

この作品は冤罪からの現状回復の考え方がなっていないな、と思ってしまいますがしつこいのでこれはもう追求しません。

この学生達の意図は態度も表情もないので分かりません。

庶民らしく何かつけ込む余地があればつけ込みに来たのか、それとも誰かに指示されたのかなどは分かりません。


この後、茶番があります。

現在のクリスの立ち位置を周囲に知らせるものです。

王子の婚約者グレースリアがクリスの援護します。

これで周囲が容易にクリスを脅さないようにしています。



『招かれざる客』で、市井官になるためのハードルが設定されています。

このハードルの解釈がよくわかりません。

この作品は途中で休止状態で『未来のために』で一旦止まっていました。


そこまでの解釈としては、達成できないハードルを与えて貴族社会から追い出す、という手法に見えたりもします。

また、市井官になるという事はまた街に出て以前クリスを脅した人物達と会う機会を持つ事から市井官にさせたくなく、そのまま穏便な居場所にいてほしい、とも見えたりします。

前者に見える展開なのですが、それが判別できる部分がないです。

ここで1位、ですが、王子の謝罪で要求を突き付けた事に対する意趣返しに見えます。

王子に要求したんだから自分も同じくらいでないと駄目だよな?的な展開です。



『何故ここに?』で、かつてクリスを追放した時に加担した貴族子息が登場します。

ここで集団で押しかける、というのは下町での出来事を表わすイベントでしょう。

少し前の貴族令嬢が会話で自分の意見を押し通そうとしたものも恐らくはそうでしょう。

それを王家が助ける、という形式をつくっているように思えます。


レオが付いて来ていますが、会話と展開から元々グレースリアとレオは結婚する予定にでもなっていたのでしょう。

それが王子とグレースリアというペアになり、代りにレオとクリス、というように見えます。


ここの展開で、2人程トカゲの尻尾切りで身分剥奪をしています。

その他は要努力だそうです。

展開が甘過ぎて笑えます。

なぜここが蜥蜴の尻尾切りかと言えば、謝罪する気があるなら、ここで全員、自分自身でどう償うかは決めてから来ていないとおかしいからです。

口先だけで「すまん、悪かった」と言い、下っ端数人を処分してしまえば何か謝った事になると思い込んでいる連中だと言えます。



『切に願う』で、女性読者対象のこの作品が、女性読者に気に入られる展開をしています。

ここの展開はある意味クリスを追い詰める為の展開にも見えます。

他の女性などにもやる気を出させて、ただでさえハンデのあるクリスを女官にさせないようにしていると取れます。

このタイミングでしなくてもいいんじゃないか、というやつです。

ならそこにはどんな意図が、となります。


この後に、事の発端となるリナリア嬢が取り巻きの一人の騎士団長子息と一緒に行方不明になります。

冤罪が分かった途端にリアリア嬢を気絶させて運び去った、と書かれています。

王子の口から今更糾弾出来ないからでしょう。

庶民の女一人に騙された挙げ句本来の自分の婚約者を追放した後に、どう自分で処理できるのか、というなんとも恥さらしな事をしないといけないからです。

ここで、周囲の圧力で強引に追い出されたクリスと、騎士団長子息に強引に連れ去られたリナリア、で合わせています。

リナリア達は辺境の村で重労働が待っているという事になっています。

同じようにするための罰のようで、また、同じ目に合わせてやったからこれで勘弁してくれよ、という周囲の態度とも取れます。



『未来のために』で、まだクリスは試験で1位になっていません。

この展開だと1位になれず、バッドエンドです。




この作品は、実際に起こっているであろう出来事を、話の主要な展開が始まる前の部分で起きたはずの事を隠す事で、全く違う内容に見せかけている、と言えます。

それに気づけない人物にとっては、「良い話」に見え、気づける人物には「醜悪な話」に見えます。

正しく判断出来ないままに受け入れ、現実でも似たような事を正しく判断できずにスルーする、という精神が育まれそうです。


評価は「読んで悪い」です。

もうそれ以外に言えないです。


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