勘違いなさらないでっ!
貴族恋愛もの
評価は「読んで良くも悪くもないもの」です。
50話で折り返しにしたいのか、ルートが変わります。
50話までなら「読んで良くも悪くもあるもの」です。
粗筋ですが、伯爵令嬢シャナリーゼはかつて婚約破棄された身。
元婚約者はデブで醜男でオッサンであり、その後妻になるように組まれたものですが、これが嫌で嫌でたまらないシャナリーゼは社交界で浮名を流し、相手側から破棄させる事に成功した、という設定があります。
浮名を流す時に、ライアン王子の計画に乗り、社交界で悪い噂がある人物を社交界から放逐するために、悪女をシャナリーゼは演じます。
また、一部の貴族結婚を成就させるための策を考える事とあて馬を演じます。
そんなある日、隣国の王子サイラスと出会い、彼からの婚約交渉がこれでもかという程に行われる、という展開です。
「勘違いなさらないで」というキャッチフレーズもしくはキメゼリフがある点は作品の強みだと思います。
最初は良い作品だと思って読んでいました。50話までは。
2話でシャナリーゼに婚約を申し込むサイラスと運命wの出会いをします。
ここで裏ルートなんですが、大きく2通りです。
50話以降にネタバレがあるのですが、69話に出てくるエシャルと姪の関係とその思惑が、シャナリーゼと妹ティナリアの思惑です。
つまりは、サイラスと結婚したいティナリアがいるのですが、年齢が低いのでまだ出来ません。なのでシャナリーゼに代わりに婚約者になってもらい、成長したら交代、という思惑です。
もうひとつは、ライアン王子はリシャーヌと結婚しますが、この時にシャナリーゼは手助けしています。
元々はリシャーヌはライアン王子を好きでもなかったのですが、この時仕組まれたイベントでコロッと騙されてライアン王子と結婚してしまいます。
後で気づいたリシャーヌ。当然怒ります。
この部分は作品内に情報が少ないので根拠が薄いですが、その当時、リシャーヌはサイラスと恋仲もしくは親しい仲にありました。
それを邪魔したのがライアン、そして裏で計画したシャナリーゼ、です。
そのため、仕返しを計画します。そして2話でサイラスがシャナリーゼと出会います。
リシャーヌとしてはサイラスに是非ともシャナリーゼを騙してもらいたい、という所です。
69話は展開として、50話以降の書籍化の影響か、怪しい展開になった後に出てくるネタバレなので疑わしいのですが、それ以前でもその解釈は出来る展開だったのでルートとしては存在して良かったと思います。
ただし、どちらのルートもあるかのような書き方なのでかなりあいまいです。
また、シャナリーゼが男性不信からサイラスを拒み続ける、という展開が、69話のネタバレコースでは難しいです。
その内容自体は、隣国の王妃様も指摘しているのですが、場合により、王妃やエシャルはティナリアとの結婚なら認めると言っている可能性があります。
どちらにせよ、69話の展開を前提に進んで来ていたのなら、展開がおかしいです。
リシャーヌの策略の補強は53話での会話にあります。
「ならん。除外はない。わたしが警戒しているのはまさにお前の友人達だ。お前の噂に一番お怒りなのは皇太子妃様だという話を聞いたぞ」
とあります。
リシャーヌは妊娠中にも関わらず、パーティに出席した際にダンスを踊ろうとしたり、ライアンとの不仲を表わす描写があります。
また、75話でシャナリーゼとサイラスとのやり取りですが、
「とにかくあなたは、あちらに思わせぶりな態度を取る必要がある作戦とやらを、さっさと進行して終わらせるのよ!」
という部分が深読みできます。この言葉にサイラスは
「! そうだった」
"ハッと本当に今思い出したかのように笑みを消し、チッと舌打する。"という文章が付随します。
「! 言っておくが、本当にこれは作戦の一つなんだぞ!? 相手を油断させるための上辺だけの事なんだからな!」
とありますが、あくまで深読みです。
なぜなら50話以降、ルートが変わったようで、まるで書いている人が変わったかアイデアや助言を与えている人がいるかのように作品の雰囲気が変わっています。
サイラスの舌打ですが、シャナリーゼはそもそもサイラスの思惑は分かっていたのよ、的な発言をしているようにも見れます。
ただし、逆さ発言や逆さ表現を既に多用し始めているのでそれが特定できません。シャナリーゼがサイラスと再度合流した後には逆さ発言などが見受けられます。
50話以降の流れで、すでにシャナリーゼはサイラスの婚約者候補から外れているのが分かる展開が続きます。
75話でシャナリーゼが孤児院に入る、という話があり、75話最後の方でシャナリーゼがつい「少し考えるから」と呟いてしまいます。
それに驚く面々と罪悪感から思わず目を逸らすサイラスがいます。
話を読まないと分からないのですが、シャナリーゼの平民落ちの原因を作り出したのがサイラスですので、サイラスは負い目を感じています。
51話以降はルートが変わっていると言えるので50話までをダラダラと読むなら「あり」でしょう。
51話以降は主人公シャナリーゼの転落ルートなのであまり面白くもありません。
65話あたりで、ある出来事から騎士の詰所で尋問を受けるシャナリーゼ。
そこにサイラスの部下のナリアネスが来ます。
そのナリアネスに平手打ちをします。騎士の詰所での出来事が、恥をかかされた、もしくは多少なり暴行を受けた、という解釈が出来ます。
72話でシャナリーゼを保護したナリアネスの別邸に、シャナリーゼがいると知って激怒して訪れたサイラスの腹部をシャナリーゼが膝蹴りします。
これは、シャナリーゼの不貞を表わすかもしれません。
50話以降の話の作り方からこういった解釈が出来てしまいます。
ナリアネスはシャナリーゼに執着していました。そして、これも話を読まないと分からないのですが、シャナリーゼとティナリアの計画があると仮定するルートではシャナリーゼを籠絡するための刺客でした。
筋肉好きという評価のシャナリーゼに、サイラス以上の逞しい体型の男性を与える、という方法です。
評価は「読んで良くも悪くもないもの」です。
50話までなら「読んで良くも悪くもあるもの」です。ただし話途中なので満足感はありません。
折角のキャッチフレーズがもったいない感があります。50話までの展開のままで進めれば良かったのに誰かと相談でもしたんでしょうか、っていうくらい長所がなくなった作品になりました。なので私も読むのはここまでで、他に何も読むものがなかった時に読もうかと思える作品になってしまいました。
サイラスとの合流後は、サイラスとエージュに脅されて動くシャナリーゼ、そして失敗するシャナリーゼが描かれているだけになっています。
83話後半で、エシャルが部屋の暖炉で焼き芋していますが、これはシャナリーゼへの皮肉です。暖めすぎた、はその少し前の出来事での計画がやりすぎ、という批判です。雑なクリームはシャナリーゼのやり方が雑といっています。'芋'もよくあるように庶民的で、ダサイという皮肉でしょう。「絶対人には任せませんのよ」で、エシャルが指揮監督しているのだから、あまりやりすぎたりでしゃばるな、的な発言をしています。
ここからどう面白い展開に持っていけるのか、不思議な気もしますが、裏を読めないなら楽しめるのかもしれません。
逆さ発言等は、ここので解説は省略しておきます。なにせシャナリーゼに強要するために使っているので読んでいて不快になるからです。




