誰かこの状況を説明してください(47話まで)
逆転ストーリーもの。
女性向け恋愛もの。
34話「契約更改」までは「読んで良い」もの。
それ以降はスキャンダルートなので読まない方が良いです。
人気が出てから即埋め込みか、方針変更したものだと思います。
34話「契約更改」までを考えて書いたのだと思います。
それで人気が出たので続きを書いたんでしょうが、そこに良くないものが含まれています。
というか、そこからの展開はスキャンダルとそれを隠す主人公、それをたしなめる夫、それでも不倫を止めない主人公、の醜悪な展開になります。
また、夫は良く逆さ表現を使いますので、それが主人公に正しく伝わらない為に起こったスキャンダル、という解釈もほんのわずかにあります。
粗筋は、愛人を囲いたいから、お飾の妻になって欲しいと契約結婚を申し込まれた主人公ヴィオラ。ヴィオラは貧乏伯爵家令嬢で、領地と家の為にその契約を受け入れる。
嫁いだ先では、夫は愛人と別邸で過ごし、お貴族生活ながらも一人寂しく過ごすヴィオラはけなげに頑張り、やがて夫の関心を得て、夫が愛人を追い出し、本邸で一緒に過ごすようになる、という内容です(34話まで)です。
先に書いておきますが、決定的なスキャンダルの明示が47話にありますので、これ以降は不倫を隠すヴィオラと夫サーシスの化かし合いになります。
それが面白いと見たいなら読んでも良いですが、私は好きではありません。
ちなみにヴィオラは隠しているつもりですが、ばれています。そしてヴィオラはそれも承知ですが、不倫を止められません。
初めの設定のために、すでに精神的に病んでいる、と解釈は出来ます。
そのスキャンダルは入れる予定だったのか定かではありませんが、それ以前にそういったものを入れる要素がないので、人気が出たから入れた、か、もしくはスキャンダルを入れる事が交渉で決まったから人気が出たのかは知りません。
要は、読者が期待したものではないものを、後付けを放りこんだ、と言う事です。読者に分かりにくく、毒を仕込むように。
最近の作品にはとても多いです。隠していれるのが、何か技巧的に優れているだとか錯覚していそうですが、それについてはここでは指摘しません。
'洗脳'と'教育'の違いが分からない方は、こういった間違いを良くします。
34話までですが、貧乏伯爵家の令嬢が鬼畜な条件で公爵家に嫁ぎ、その夫は愛人と生活するが、妻として努力する事で夫の気持ちが妻側に傾いて来て愛人とは縁を切りハッピーエンド、というのが一段落です。
この部分の展開が女性の好みそうな展開となっています。
35話以降なのですが、全体的に、騙しの技法の対象も含めて、まだ精神的に未成熟な読者層を対象にしている、と言えます。中々にあくどいですね、と言いたくなりますがこれはレビューを読んだ方自身で決めてください。
この一段落までは騙しの技法らしい部分はなく、だからこそ人気があったのでしょう。もしくは過去に人気が出たものの焼き直しとして書かれたのだろう。
ここでは最初から騙しの技法を盛りこむ予定ではなかったと仮定して話を続けます。
34話までの部分で、興味を惹くのは男と女の視点の違いです。
書かれている視点が主人公が女性なので女性視点が主となります。
その女性が一人での食事がさみしい、お飾でやる事がない、などの女性らしい感情で行動していく姿が描かれています。
問題としては、それは女性視点であり、男性視点ではない、という事です。
表面を読めば、どうやって夫の愛を得たかという展開は分かりますのでそれは割愛します。
男性視点の方ですが、夫サーシスは権謀術数の世界に生きている設定です。諜報機関の長をやっています。
契約結婚の動機が、仕事上で必要になるお飾を欲したのか、ヴィオラを愛したから妻にしたい、と思ったのかがわかりません。
まず、この話は2通りのルートが考えられます。
一つは、表面通りの、夫サーシスが愛人カレンデュラを囲うために行った契約結婚から始まるルート(女性視点)。
もう一つは、夫サーシスがヴィオラを妻にしたいがために、考えた計画(男性視点)です。
女性視点を軽く説明します。
鬼畜な条件を提示した夫に対して敬虔な妻としての役割を果たす事で愛人から夫を取り戻す、という視点となります。
この場合、妻側の意図的なものか単なる偶然か、で解釈は代わります。
妻側の、執事やメイドを味方につけた焦らし作戦の結果、夫の心を自身に誘導した、という解釈と自分らしい行動が夫の心を捉え、夫を取り戻した、という解釈の二通りがあります。
後者は単純に読めば把握でき、前者の場合は'うまくやった'と読者側が'にやり'と出来る展開と解釈できます。
このあたりの解釈が'人気が出た'原因になるのでしょう。
男性視点を書きます。
サーシスは権謀術数の世界に生き、人間というものがあまり信じられないのでしょう。そういった世界とは縁のない存在を求めている、と仮定します。
そんな中、社交界にすら出席できない貧乏伯爵家のヴィオラは他の令嬢より特別に見えるでしょう。
ヴィオラは他の令嬢のように着飾ったりするのではなく、領地で家事などをしている女性でしっかりしています。
だからサーシスはヴィオラを妻にしたい(社交界での見栄や外聞を気にしない無害な存在でもある)ために契約結婚を持ちかけます。
表ルートの別派生として、お飾の妻が欲しいがために財政上の支援を条件に無害な存在を手にいれる、というものもあるのですが、話が面白くないし根拠も薄くなるのでその解釈では書きません。
なぜ契約結婚なのか、ですが、社交界にも出席できぬ貧乏伯爵家の娘が公爵家の妻になる、という事を周りが認めずにヴィオラをいじめる事がわかっているので、あえてサーシスが泥を被る、という解釈と、ヴィオラの鑑定です。
公爵家という立場上、品格が求められます。ですが、貧乏伯爵家のヴィオラにはそれが足りません。なので、品格を身につけたら名実ともに公爵家夫人として認める、という展開です。
サーシスは愛人を囲います。愛人は表ルートでは単なる愛人ですが、裏ルートではヴィオラを客観的に判断する、女性視点の批評家です。また、彼女の態度がヴィオラがどの段階に至っているかを周囲に示すものとなっています。
ではなぜ愛人としてなのか、ですが。これはいくつかの解釈があるとは思います。その一つとして、まだヴィオラの元にはサーシスの愛情、妻に与える愛情はないよ、という解釈です。根拠として強いものとしては、ヴィオラに向けられる敵視を和らげるものです。
公爵家夫人となるともう贅沢の限りを尽くせます。そのため、ヴィオラに嫉妬を抱く存在は後を絶たないでしょう。自分よりマナーや社交界での知名度もない令嬢が、自分ですら手に入れられなかった地位を得ているのです。認められるわけがない、という事になります。
また、家臣団についてもそうです。公爵家夫人としての品格が足りない、となると不満を表わすでしょう。場合によっては、その家臣として入っている人物が、どこかの元貴族令嬢だったりして、自分より家格が下の家の令嬢に頭を下げなくてはいけない、という事でわだかまりを感じるなどの諍いが生じる、などの問題が発生する可能性が考えられます。
だから、ヴィオラを、契約結婚のためだけのお飾の妻、それも愛人という存在を囲うがためだけの存在、として、他のどのような令嬢も遠慮ねがいたい、鬼畜な条件で妻にした、と考えられます。
夫の愛を得られぬ夫人、という事で醜聞も流れ、また、家臣団も命令を聞くかどうかも分からない。ないがしろにされた道化のようなもの、に例え公爵家夫人という肩書があってもなりたいか、と言われれば誰もが遠慮したい、という事です。
そういった立場のヴィオラには憐れみの気持ちを抱く人物こそ居るでしょうが、辛くあたる人物はほぼいないでしょう。
この部分で男女の視点の違いがわかると思います。
ここで先に書いておきますが、これは男性側が女性を守るためにした、と解釈しても女性側がそれを理解していない場合は'公開処刑'と変わりありません。話の展開を加えて内部事情も含めますが、愛人を囲う為だけの存在で、初夜すら求められない、存在です。愛人であるならまだ女として見られています。侍女ならそもそも男女の関係でもありません。ですが、ヴィオラは契約の為だけの道具であり、女性としての価値すらないと宣告されたに等しいからです。そして、その男性側が癖にある人物だったりすればまだ良いのですが、男としては美形で資産も持つ公爵家の当主だったりします。女を選び放題、つまりは女の目利きが出来るとも言える存在が告げた、'女として無価値'宣言です。貧乏伯爵家の為とはいえ、鬼畜な条件を受け入れたヴィオラがどう思っているかは定かではありません。
男性視点で見れば、徐々に公爵家として相応しい実力を備えていく妻にあわせて、本邸に戻って来る頻度を増している、と解釈できます。
そして、31話で愛人との対決とハッピーエンドに向けた展開になります。
私の中では34話「契約更改」でこの作品は終わっておくものだからそう書いておきます。
31話からの会話の流れが示すように、夫サーシスと妻ヴィオラの持っている感情の違いがよくわかります。女性視点ならさきほど書いたように、夫の心を自分に向けさせる為のものです。男性視点で進んでいる場合、サーシスはようやくヴィオラを妻と認めても良いと思ってこのイベントを仕組んだが、ヴィオラの側には全くの理解がない、という事になります。ヴィオラはサーシスに対して、愛情も理解もない。あるのは夫への拒絶と'契約'だけでしょう。
それを見て、客観的な批評をする役割の愛人カレンデュラがいます。彼女はその豊富な人生経験から一つの結果を示します。
33話でのカレンデュラの台詞がこうです。
「あ〜、おかしい! サーシス、あなたの想いなんてこれっぽっちも奥様に伝わってないじゃない!!」
です。男性視点で進んだ場合、何の為にこの計画があったのか、実はヴィオラを守るためだったんだよ、っていうサーシスの想いがこれっぽっちも届いていません。
この後の愛人からの別れの宣言ですが、女性視点をまず書きます。
女性視点としては、他の女に愛想尽かされるような男を好んで取りたがる女はその男を捨てた女より下だと見られがちなので、そう見られたくないと興味すら持たなくなる、という事から、別れを持ち出した、となります。
男性視点からは、カレンデュラは客観的な批評を出します。
カレンデュラお行動は'すっぱり旦那と縁を切り、それまでに得たドレスや宝石を手切れ金として貰い、立ち去る'という行動を取ります。
これを見て夫はその結論に呆然とします。
ここまでの解釈として夫は、妻の身を案じ、貧乏伯爵家の令嬢である事から社交界や周りからの迫害を避けるために行った事はすべて妻には伝わっていない、という事を知る。その結果として愛人は第三者評価として別れるべきだ、という結論の元に立ち去る、というのが解釈となります。
なぜなら、ヴィオラが多少なりともサーシスを夫だと、愛していると想っていたらこの展開にはならなかったはずです。自分の元に帰って来てくれる夫に寄り添い、ハッピーエンドがサーシスとカレンデュラが書いたシナリオですが、ヴィオラにその気が全くありません。
だからカレンデュラは別れるべきだ、と結論付けます。
もし、ハッピーエンドの展開になるのなら、カレンデュラはあえて醜態を晒してヴィオラとサーシスの仲を取り持つでしょう。ですがそうはなっていないのがこのシーンです。
自分の想いが全く伝わっていない夫サーシスは焦って契約を書き換えます。34話「契約更改」です。元々そうする予定でしたでしょうが、とりあえず契約内容で自分の気持ちを伝えておかないと全く相手にされないのがわかったのでしょう。
ここまでがハッピーエンドの内容です。
男性視点の解釈は深読みの可能性もありますが、そもそもが公爵家の当主でこの設定という初めからあり得ない設定なのでそれは気にしないでおきます。まず廃嫡されます。こんな事すれば。男爵とかならまだしも、公然と愛人を囲う時点で当主権限を取り上げられるでしょう。だから、それでもこの前提を通すなら、男性視点であるべきなのです。
ここで話を終えておけばよかったのでしょうが、ここからルートが変わります。
騙しの技法、としてスキャンダルが盛りこまれます。
ほのぼの展開から一気にプンプンと臭うようになります。
先に最初の契約と更改後の契約に触れます。2話より、
「ああ、貴女は自由にしてくださって構いません。あまり派手には困りますが、恋人を作ってもらっても結構。衣食住、何不自由なく生活していただくことを約束しますよ」
が最初の契約です。
34話より、
「僕以外に恋人は一切禁止です」
という内容が追加されます。
ここで大問題なのですが、恋人禁止ですが、'恋人を作らないなら'何をしても構わない、と、契約に対して否定的な場合には解釈できてしまいます。
そして、既にヴィオラは夫サーシスを拒絶しています。
拒絶する事で、精神の安定を保っていたものをどうやって取り除けるのか、という問題になってもいます。
サーシスは逆さ言葉を多用します。それが問題に拍車をかけているとも言えます。
決定的な不倫の明示は47話『贖罪は散財!?』にあります。
それを踏まえてヴィオラの精神具合がどうだったか、となります。
不倫の相手は庭師のベリス。その仲を仲介するのがヴィオラ付きの侍女でありベリスの幼馴染であり妻であるミモザです。
誰も味方もいない公爵家。そこに一人で不安になるヴィオラ。
このスキャンダルルートに入ると、34話までの展開の解釈に分岐が出ます。
表としては、そのままヴィオラの活躍です。裏としては、夫に愛されぬ肩書だけの夫人は仕える執事やメイドにないがしろにされ、また、自身も貴族令嬢として上に立つ経験もないから、執事達の都合の良いように操られる、という見方も出来るようになります。
また、夫は屋敷を良く留守にし、執事であるロータスにほぼ委任しています。これがスキャンダルの発生に関与します。
本来はスキャンダルが起こらないようにするべき執事が、当主への報告を故意かどうかはわからながい報告しない事で問題を深刻化させてしまいます。
ベリスとの情事が恋愛感情からか精神的な依存のどちらであるかは判断できません。
公爵家に来て精神的に不安になるヴィオラ。公爵家での振舞すら教えてもらう事になります。ヴィオラはミモザに依存する事になります。それを利用してミモザが自分の夫であるベリスを情夫としてヴィオラにあたがう、というよくある詐欺行為が発生した、とも取れます。
公爵家乗っ取り行為です。
ベリスなどのサーシス以外の男性と接触を持つ機会を執事ロータスは意図的かどうかは別として作っています。
また、ミモザが信用出来ない為に起こったスキャンダルとも言えます。
ここでスキャンダルに関連して、サーシスの逆さ言葉なのですが、34話『契約更改』における変更が何を意味するか、となります。
まず、サーシスが公爵家夫人になる為に決めた条件が2話『商談成立』から推測すると
「ああ、貴女は自由にしてくださって構いません。あまり派手には困りますが、恋人を作ってもらっても結構。衣食住、何不自由なく生活していただくことを約束しますよ」
ですかあら、衣食住において節度を勤め、愛人等を作らない、という条件があると思います。
サーシスが愛人を作っても、贅沢しても良い、と言っても、自分で自制して生活態度を整える事ができる、というものを条件にしている可能性があります。
スキャンダルルートで解釈すると34話の条件追加は「サーシス以外の男の所に行ってくれ」、つまりは別れてくれ、とも解釈出来てしまいます。
作品中の描写の関係からか、どこで逆さか順かの切替えが全く見えて来ません。
そもそもが、そのルール決めが出来ていない間でこういった逆さ言葉を行う事が問題なのですが、それにサーシスは気づいていません。
相手に伝わっているだろう、という判断で動いています。
なので、普段の言動から、ヴィオラが「僕以外に恋人は一切禁止です」という発言をどう捉えたかは分からない、とも言えます。
また、35話以降をスキャンダルルートにするために34話の追加項目を曲解して話を組み換えた、もしくは初めからそのつもりだった、かも知れません。
つまり、この時点でサーシスはヴィオラと別れるつもりになっているという解釈が出来てしまいます。
35話から47話までですが、ヴィオラの失敗が書かれています。
サーシスは諜報機関の長です。だからサーシスから情報を得たい貴族ばかりがいます。そのために、その夫人はそれだけの能力があるか、お飾として何も知らされず、また、社交界にほとんど出席しない存在である必要があります。
それをサーシスは試すか、利用します。結果として、ヴィオラはそういった事情は分からずに、社交界の場でサーシスの情報を漏らそうとしてしまい、サーシスはそれをわかりやすくヴィオラに教える為に、伝えて良い情報を社交の場で話します。その結果、ヴィオラの元には、ヴィオラをくみし易い人物だと思った貴族からのパーティの招待状がたくさん来るようになります。また、お茶会の約束をしてしまったヴィオラ。開いたお茶会に招かれた令嬢は恐らくはサーシスの派閥のものだとは思われますが、ここでもヴィオラは試されます。
その結果として、夜にサーシスの部下が屋敷に訪れ宴会をします。ここでサーシスの業務における日常を裏も表も隠す事なくヴィオラに漏らす、という描写があります。この展開で、ヴィオラがお茶会で同じ事をしてしまいましたよ、と伝えています。
さて、これが善意から来たものか悪意から来たものか、です。
何の準備も出来ていないヴィオラを何の知識も与えずに社交の場に放りこむ。これの解釈ですが、大抵は良くない解釈になります。
なので既にスキャンダルルートに入っているのでサーシスはどうにかしてヴィオラと別れたい、という解釈が出来てしまいます。
43話『旦那様が今ごろ知った事』、44話『歩み寄り?』で、サーシスに2週間の出張に行きます。これはヴィオラ監視です。行動を逐一監視してヴィオラがどう動くかを見ています。そして帰って来たら断罪しています。料理長カルタムと2人きりで話をしている所を咎めます。これは前振りです。
そして
「これからヴィオラにはスキンシップ禁止だ」
と、逆さ言葉と思える発言をします。
44話では同じ事をベリスにも行います。ここでベリスにはスキンシップ云々は言っていません。なので43話のカルタムへの発言は、ベリスとヴィオラの関係の周知、とも取れますが、どちらであるかはこれだけの情報では分かりません。
この2話で、サーシスが知らず、ヴィオラが知っている事柄があるのですが、これは逆でしょう。長く屋敷にいる人物の情報をサーシスが知らないはずもないです。また、諜報機関に勤めるサーシスがそれを怠る事もないでしょう。44話でのヴィオラの発言
「旦那様は公爵家の当主なのですから、もう少し、いえもっともっとしっかりしていただかねばなりません!!」
という発言の後に、『お綺麗な顔をピクリと引きつらせる旦那様』という文章がありますが、まさか知らない側から言われるとは、という捉え方も出来ます。
詳細なキーワード設定はわかりません。ここでは、どこで暗号を使いはじめるかのキーワードになっていると判断するだけに留めるべきでしょう。
本来は何を口にしたかで変わるはずなのですが、言ってしまえば所詮小説です。現実に使うような詳細な設定まで用意はしないと思います。
44話最後でサーシスが寝る場面は、深読みすれば、'起きている'のではなく'寝ている'だからサーシスの気持ちはヴィオラにない、という解釈も出来ますがここでは展開にあまり関係しないので考慮しないでおきます。
45話で、サーシスが無駄に2週間の成果を披露します。ヴィオラはサーシスから外出を求められます。ここで'『たまには』どこから『始めて』ですけど'という描写が重要です。
困った事に、ここまでで必要な部分をあえて書かない事で誤魔化しをいれています。騙しの技法の一つです。小説を小説として読み解くために主人公視点で欠けては成らない描写や表現をあえて欠落させる、というものです。
ここで、2週間の成果として、サーシスはヴィオラが周囲を誤魔化して外出している、という事実を突き止めています。というより、そうなるように仕組んでいる、とも言えます。
もちろん、そうでないルートとして、ミモザとベリスの公爵家乗っ取りルートもあります。
どちらにせよ、ヴィオラが夫人として気づかれずに外出するには変装をする必要があり、それを監視するのがミモザです。そしてそのミモザが信用できず、場合によってはサーシスからの指示でヴィオラが失敗するように動いている可能性もありますが、ミモザは外出について咎めず、また、報告もせず、変装するための技術を用いて支援します。そしてその外出に同伴するのがベリス、という事です。
この45話でサーシスとヴィオラの会話に若干問題があります。
外出のお誘いですが、サーシスが
「明日は朝、キチンと起きますから」
と伝えています。これが地味に逆さ言葉として後の展開に響きます。47話への前振りです。
46話で外出デートです。ここでのコースはベリスとした外出コースです。
まず、服屋です。高位貴族ですので、こういったものは商人を呼びつけて買うものです。それをせずに、あえてその店に行っているのがポイントです。
ただし、ここは別解釈があり、服を与えるの逆さ表現として服を取る、脱がす、と暗示がある可能性はあります。実際にベリスとこのコースを通ったのかは実の所根拠が薄いです。
ベリスと一緒に行ったであろう場所はこの次で、有名料理店です。
ここでヴィオラは
「あ!!」
などと発言しています。それに対してサーシスは
「どうかしたんですか?」
ととぼけます。
その次には宝石商の所ですが、ここも服屋と同じであまり重要ではないかも知れません。あるとすれば ベリスとのデートの内容の追体験くらいなものです。
そしてカフェに行き、デートは終わりです。
これを受けて47話です。ミモザに変装させてもらってベリスとお忍びデートした事がばれているヴィオラ。ここまでを逆さ表現で解釈します。
料理店前にある服屋の解釈が微妙ですが、逆さ表現として服を取る、と解釈し、また、その前日の発言である「明日は朝、キチンと起きますから」も逆さに解釈し、サーシスの脅迫からの行動の誘導と受け取ります。
「ん・・・まだ、もう少し寝させて・・・」
という会話があるのですが、ここでヴィオラはまさかの寝坊です。理由はベリスの所に初夜を迎えに行ったからです。
その会話の後ですが、
「その内慣れますよ」
「いや、絶対慣れない気がします。一生」
という会話をして、ヴィオラの罪悪感を表わしています。
この作品はごった煮です。裏に隠すためのものを誤魔化して表面を取り繕うためにあちこちに会話運びに矛盾が生じますが、それは作者視点しか考慮されていないからその矛盾などは考慮されていません。
だから、ここまで読んでもルートが確定しません。
一つのルートとして、サーシスの脅迫からの行動誘導を示しました。
もう一つは、ミモザとベリスの乗っ取りルートですが、ここだけの展開では根拠が薄いです。
もう一つは、ヴィオラが精神的に追い詰められて、しかもサーシスを拒絶しているからベリスとの関係を求めた、というものになります。
どれだかさっぱり分かりません。確かに言えるのはここでスキャンダルがあり、その前提でもってこれ以降の話が進んで行く事だけです。
行ってしまえば、スキャンダルが含まれている作品を読者に読ませて「良いね」などと言わせて地雷を踏ませるために、根拠も薄いがとりあえずスキャンダルを放りこんだ、と言えなくもないです。
47話から別邸の改装がされます。また、ヴィオラ用の庭園も作られます。いよいよサーシスによるヴィオラ別離作戦が本格化します。サーシスが用意した情事を行う為の別邸が、ヴィオラ用に改装されますが、それは筒抜けになるように作られます。
贖罪として、と書いていますがベリスとの浮気の贖罪、を意味し、別邸に行け、という解釈が出来ます。
贖罪に関してですが、お忍びデートがそこまで重いかどうかが判断できません。だからここでなぜスキャンダルにまで発展しないといけないかがさっぱりです。
そもそも、ヴィオラは貧乏伯爵家の令嬢であり、金銭感覚も貞操観念もしっかりしているので、そこでスキャンダルに至る根拠がないのです。ベリスとのデートを断罪されるなら、素直に告白して、離縁すればいいだけの話で脅迫されてスキャンダルを起こす理由もないです。
また、それを指示されたからと言って、行う程に判断がつかないわけでもありません。あり得るのはやはり、精神的に追い込まれて周囲からの暗示による強制なのですがその根拠が薄いのです。
ベリスが好きだからこのタイミングで?というのも根拠がないです。
だからこのスキャンダルは脅迫による命令か、単に作品にスキャンダルを埋めたいから無理矢理こじつけたものである、となります。
ではなぜこういったスキャンダルルートになるか、です。小説商売としての理由のほうではなく、作品内の根拠です。
サーシスを愛していないヴィオラでは、いつサーシスを裏切るかわかりません。また信用できないので駒としても使えません。だからヴィオラのスキャンダルとして、排除したい、という展開が考えられます。また、43話あたりでサーシスに逆らったヴィオラです。当主に恥をかかせたヴィオラを放置する気もない、という事なのでしょう。
個人的には、そう見えるように商売根性丸出しで地雷を埋め込んだように見えます。
ここまでの展開で、コミュニケーション不和が結構な問題になっています。サーシスは逆さ言葉を使う。その逆さ言葉を用いている集団と、ヴィオラは無関係であるが、サーシスはその基盤を与えずに、その逆さ言葉で接しています。暗号のための解読表や、秘密鍵を渡さないままに公開鍵で暗号化しているようなものです。それを復号して望むように行動しろ、というのが大きな問題です。
この後は醜聞のオンパレードになります。
話に裏ルートが盛り沢山なので一旦締めますが、展開は酷いです。
話の展開から、ミモザとベリスとロータスの手によりヴィオラを害す展開と解釈される展開になります。
同時にヴィオラとベリスの浮気が何故か続いている、という展開にもなっています。
ごった煮だから仕方ないのですが、あまりにあまりな展開です。どのルートを確定させたいのかよくわかりません。
単純にそういった裏側を読めない人物を抽出して、現実でゴニョゴニョしたいのかと思えます。
スキャンダルが起こった事を確実に示すのは、ピエドラへの旅行があります。
93話『旅行準備だったようです』で、ヴィオラの衣装代が10分の1にまで下がったものになります。そして仕立てられる衣装は町娘風です。
99話付近のピエドラの街での騒動を屋敷で報告する事で、暗にスキャンダルがあった事を屋敷にいる人間に伝えています。
106話『ワタシ・ブランド』でサファイアを用いてヴィオラの不貞を表わしています。
この作品の初めの方で、ヴィオラは大きな最高品質のルビーをプレゼントされる。言葉は'情熱'だとか'努力'だとかの意味があります。
不貞後の描写はサファイアの屑石となります。'貞操'を表わす言葉を付加されて、その部分で屑石だと描写が入ります。
それを最高品質とされるサファイア、という表現にまで持っていけるかどうかが妻の側に問われています。
その描写はその前に自警団結成という話があり、その解釈は'妻と情夫達の間で自分達で律しろ'という意味が付加されています。
結局、本編では最後まで情夫との肉体関係の回数と頻度はわからないがそれが少ないとはいえ発生したのは事実であるとされ、それ以降も肉体関係には至らないがデート気分での接触が繰り返される、という事が暗に示され続ける、という醜悪さがあります。
その後の海の領地ではヴィオラに対する脅迫が成されています。
別荘のある場所は断崖絶壁であり、'誤って'転落する危険がある場所です。
また、その崖の下にはきれいな洞窟があるという描写があり、そこでの景色が美しく'妻が喜ぶ'もしくは'妻がここを気に入る'という描写があります。
ここまでの解釈で、愛人との別れのシーンからの契約更改と不貞までは夫の計画通りの展開、とも受け取れる。
色々なものを盛りこんだためにここまでいくつもの解釈が出来てしまう結果になっている。
もう盛り沢山なので全部書くと時間が足りないので、読んで楽しめる部分を書いたし、その後のスキャンダルルートについても触れたのでここまでで止めておきます。
後も詳しくレビューがいるなら感想にでも書いてくだされば、時間の余裕を見て書きます。
その際はこちらが感想返しをして、それを確認できましたら感想を消して頂けると、感想から、どこぞの存在に辿られる、という可能性が減ります。
まあ、そこまで気にする必要もないかもしれませんが、つけこませる情報は与えないのが一番です。
暇があれば勝手に続きもレビューするかもしれません。ですが長いです。
埋め込まれたものも多いのでスキャンダルが分かっているものにあまり時間をかけたくないという心情もあります。
総じて、「読んで悪いもの」ですが、34話までは「読んで良いもの」です。
それ以降は裏側をいかに隠そうとしているかを見分ける練習台とも言えます。




