転生王女は今日も旗を叩き折る
わかりにくい、という程でもないが、隠し表現があります。
どういった経緯で話の前提を変えてきたかは不明。
見えない事実に主人公が汚された、という部分があります。
どうしてこういった話にわざわざ放りこむんでしょうね。
それが何かうまいことやれてるとか書けてるとか思ってるんでしょうか、と言いたくなります。
53話まで読んだ。
悪役令嬢ものでバッドエンド回避に奮闘する、という内容です。
登場人物が乙女ゲームのヒロインと仲良くなる時に、悪役令嬢として登場する自分が破滅しないように準備する内容です。
あらすじとしては、主人公ローゼマリーがバッドエンド回避しつつ、登場人物の中では脇役になるレオンハルトと結ばれようと行動する、というものです。
スキャンダル展開をなぜ選んだのかが謎です。
初めからそうだったのか、書籍化の話が舞い込んだためにルート変更したのかさっぱりです。
どちらにせよ、スキャンダルをいれなければ話題性もないのが恋愛もので悪役令嬢ものなのか、と言いたくなります。
裏側に、ローズマリーとレオンハルトの関係の破局、が見えるようです(解釈次第です)
他に書いておく登場人物として、クラウス、ルッツ、テオ、ミハイル、ゲオルクが必要です。
ルッツ、テオ、ミハイルは魔術師です。そして空想扱いの、心的描写や起こった事実描写のために登場します。話の中では実在して進みますが。
ミハイルはレオンハルトとの情事についての描写のために登場します。ミハイルはゲオルクの行動も表わしている可能性があります。
また、ミハイルはローズマリー自身を表わしているようにも取れます。
ミハイルの設定は、遠くの地方まで、聖職者として奉仕に出かけたりする人物です。そして'魔王'になる可能性のある人物です。
ゲオルクはローズマリーと親しい友人です。ローズマリーに想いを寄せています。
クラウスも王女に近過ぎる態度と王女を付け狙う態度が表われる人物で、レオンハルトと通じている、と解釈したほうが良いでしょう。
レオンハルドは設定上、良い人物描写になっていて、それがカモフラージュになっています。
または、設定上良い人物だと主人公は思い込んでいるが、実際相手してみると悪い人物でしかなかった、という思い込みがあるのかも知れません。
クラウスとレオンハルトが王女の護衛として主に登場します。クラウスがつきまとう部分に身に危険を感じるローズマリーは二人きりになる場所をなるべく避けます。
二人きりになる場所ではレオンハルトに頼るのですが、レオンハルトもまた下衆野郎だった、という展開です。問題は頼ったか、レオンハルトが権力を利用してわざわざ代わったか、という部分があいまいです。
「転生王女の考察」「転生王女の対話」「転生王女の懇願」「転生王女の交渉」「転生王女の遭遇」
で一連のスキャンダルが語られています。
「転生王女の考察」で、レオンハルトとローズマリーが場者でゲオルクの屋敷に向かいます。ここでミハイルが登場します。この場所の中で情事が行われた、という事を表わします。
描写は黒猫が場者の進行上にいて、それをミハイルが助けようとしたために馬車が止まる、というものになります。
王女の護衛に1人で、侍女もついていないなどありえないんですが、そのあたりは創作ものとしてゆるふわ設定としておくべき所でしょう。納得できないですが^^;
そういった時はもう枯れた人物、例えば老人と呼べる執事だとかが同乗して若い騎士は周囲にいるのが普通なんですが。どちらにせよ御都合展開です。
黒猫が前を横切る、という描写で不吉な出来事もしくは死を表わします。次にミハイルですが、魔術師であり、'癒し'の使い手です。
この'癒し'の使い手、というのが実に厄介な設定です。
黒猫は後ろ足を怪我しています。下半身を怪我する、と解釈するとその意味がわかります。
その出来事の後、屋敷につきますが、ゲオルクはローズマリーを見て倒れます。その際にテーブルにあった地図を落とし、インクもこぼして汚します。頭もうって怪我をします。
ゲオルク自分の計画、将来計画が潰れた事を知ります。ゲオルクからは恐らくローズマリーの着衣の乱れなどが良くわかったでしょう。
ゲオルクは「死にたい」とまで言う程に衝撃を受けます。
ローズマリーに情事に至る意思があったかどうかは設定上わかりにくいですが、展開上はなかった、と解釈したほうがよいです。国王の登場とその展開がローズマリーにとってレオンハルトの存在が好ましくないものだと告げています。
話を少し戻し、「相談」でレオンハルトと馬車で2人きりという場面が初めて登場します。この時にレオンハルトに危機感を抱く、という解釈が後の展開からは考えられます。
次の「邂逅」で父である国王が登場し、ここで「魔王」という存在について話合い、自身の身の置かれている状況と伝えます。
国王はローズマリーが魔王について調べている事を聞いて「童話か」と言い、つまり、空想か、と聞きますが、これにローズマリーは魔王に関する書物を歴史として残る先人の遺産、と言い、'実話'である、と告げます。これを聞いて国王は自室への入室を許可し、事態が深刻化した時に対処できるようにしようとします。
そして、「考察」までの間の話の中で国王の話と、国王の寝室へと立ち入る許可を貰った、という話を告げる事で、レオンハルトを牽制します。がレオンハルトは止まらなかったようです。そして「考察」へとつながります。
「転生王女の対話」で「考察」で起こった情事について国王へローズマリーは話をします。ここで国王はローズマリーに「鳥を一羽やる」と言います。表面は密偵をあげるから使ってみろ、という内容です。裏面は、どこへでも好きに飛んで行け、です。
レオンハルトは騎士団長ですが、それ以外の設定がないようです。なら彼はどうあがいてもローズマリーと結婚できません。ですがすでに情事に至っています。なら出来る事は駆け落ちです。'人選をあやまった'という発言が後悔を表わしています。
そしてそのままずるずると関係を続けないで済むように、ローズマリーの婚姻話を持ち出します。そうする事で、ローズマリーにレオンハルトへ今後の将来の事を考えているか聞く事ができる要因を与えます。
「転生王女の懇願」でローズマリーはレオンハルトに直球勝負します。想いを受け止めてください。という内容です。これに対してのレオンハルトの答えは最悪です。以前の婚約者、という形で述べます。以前に婚約者はいたが、恋愛感情も何もなかった。そしてその女性は修道院に入った、です。つまりは王女とは火遊び以外の何物でもない、と告げています。そして、結婚するにはレオンハルトは格が足らないのでしょう。また、今の立場を捨てて駆け落ちする気もないのでしょう。そして、身分や権力狙いであったかも知れません。それを知ってローズマリーは泣きます。
「転生王女の交渉」でローズマリーは決断するしかなくなりました。駆け落ちは出来ません。そうなると出来る事は結婚以外の選択肢を作る事です。表面上、能力を示して政略結婚以外の選択肢を作れ、です。ここでのローズマリーの発言は「鳥を返すから自由に動けるようにして」です。これは後の展開次第で解釈が変わります。修道院にいきたいのか、監視をつけてくれ、と言っているのか、死に場所をくれ、といっているのかこの時点ではっきりしません。
「自由に動けるようにして」を逆さ書きだとすれば、死に場所が欲しい、が一つの解釈になります。婚姻話が出るまで2年の猶予があります。ですが2年の猶予があるだけで、もし能力を示せない場合には、汚れた体で結婚するわけにはいきません。婚約話は隣国の王子なのでそのまま国同士の問題に発展するからです。それほどのスキャンダルです。なので、ローズマリーは能力を示せなかった場合には死ななければ成りません。そして、どうであれ、その醜聞の原因は国王に告げていますが、それがすぐに表面化しないために町娘のように行動して、その貞操がどこで失われたのかを悟らせない事実を作る必要が出ます。そして本人の望みはその際中に死ぬ事でしょう。
ローズマリーは「幸せになるために、頑張ると決めたんです」と言っていますが、これは逆さ書きでしょう。「幸せを諦めました」という解釈がしっくりきます。
「転生王女の遭遇」で母と会い、ここでも逆さ書きと思われる発言が続きます。それが事実を隠すための小説描写なのか、小説展開上で、他者に気づかれないように話すための逆表現なのかがわかりにくいです。逆さ書きの欠点はこういった部分です。文中に嘘の記述を入れた事と、小説内で実際に逆さ表現を使っているかの区別がつかなくなります。そのため、小説などは本来は記述自体に嘘を混ぜません。でも最近の小説は混ぜます。なのでそこが縮退してどちらであるかの判断が出来ないものになります。ここでは小説内の展開としてあえて逆さ表現して醜聞を表に出さずに鎮静化したい、と捉えます。母にローズマリーの行動を逐一報告して、監視をつけて守ってもらう、またはレオンハルトの蛮行を明るみにして処罰する、という展開になるでしょう。裏側からの派生を展開すれば。
乙女ゲームの展開ではミハイルは魔王になる設定です。ここまでの話でいけば「魔王」になりそうなのはローズマリーです。小説としての「魔王」はレオンハルトです。ローズマリーが魔王になる、という部分は暗い感情がうっ積して恨みのために行動しだす、と見るべきでしょう。この部分で問題なのは小説内では、ミハイルとゲオルクが共に行動し、旅に出ます。これ以降を呼んでいないので、ゲオルクがローズマリーの代わりの行動をするかもしれませんがわたしにはわかりません。
スキャンダルの部分で読む気がなくなったので展開を確認した所で読むのを止めました。
これで何かうまい事したつもりで、話題性を盛りこんで人気が出るようにしたつもりなんでしょうか、と言ってしまいそうになります。
ですがこれはわたしの個人的解釈なので、裏側を読んだつもりなだけです。
この解釈根拠はゲオルクの「死にたい」発言とミハイルの登場シーンです。
解釈が難しいのは前提として設定した内容と矛盾したものを盛りこむ事で発生しています。前提はレオンハルトは誠実な人物で、実際は保身に塗れた人物であり、嘘の表現記述で誤魔化している、というのが読みにくさを表わしています。
評価としては読んで悪いもの、でしょうか。
ここまでの展開で、被害者は救済されず、恐らく後はお茶を濁して、ローズマリーとレオンハルトは結ばれてハッピーエンド、だと思います。
ですが、要らぬ描写で作品の良い所をそれこそ叩き折っていると思える内容です。




