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頬を赤らめたテッサナに食事に誘われた。もちろん了承した。気が抜けばリヤーは自分のニヤける口元を何度も手で隠した。
こんなに心が浮き足立つのは、商品が全部売れた時以来だ。いや、それ以上かもしれない。
どこへ連れて行こうか。いやまてよ、テッサナから誘ってきたんだ。場所はもう決めてあるかもしれない。
なんだか緊張してきた。どんなにヤバい取引でも平然と構えていられるのに、今回は無理みたいだ。
こんなにも心をかき乱す女性は今までにいなかった。これがリヤーにとっての遅い初恋だった。