↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/57

指輪と……エルムの懇願

新月により月の光は届かず、闇が世界の半分を覆い静まり返る中…エルムはそこに立っていた。


誰の目にも写るはずの無いエルムの姿は何故かはっきりと視認できる。光っているわけでも反射させているわけでもない。

そもそも光ではないようで、どういうわけかエルムだけが見えるのだ。

しかし……本人…エルムからはなにも感じられない


ただ、ただ、上空にその虚ろな目を向け佇んでいた


誰もいない、なにもない平原に一人で……







「……ふふっ……ふふふふ……」


キレた


セルナはキレた


誰に?勿論


エルムに


そして、芽音に



「あれ?あれれれ?ワタシハモラッテナイデスネ?」

「落ち着いて、落ち着いてくださいセルナさん!」

「おおー!これが小説や漫画である声がカタカナになるときのやつだね!初めて聞いたよ!」

「芽音様は少し黙っていてください!!」

「フィアも私にはさん付けなのにそいつには様付けですものね?

私は?そいつより下?エルム様から見ても?フィアから見ても?

へぇ?私がこんなにエルム様に尽くしてるのに?」


もはやセルナの芽音に対する扱いが貴方からそいつとシフトしていることからセルナの心情がうかがえる


「マスターから見てもって言うのは違う気がしますが?」

「…私はなにも貰ってませんし……」

「………はぁ、セルナさん、マスターがセルナさんになにもあげてないと仰るんですか?」

「そんな…ことはないですけど……でも!そんなのはズルいです!」


そんなの、セルナがそう表現したもの

勿論、指輪である

それも手作り、

そして、芽音とエルムの名前入り


まあ、手作りと言っても昔のエルム作である

王都の上流階級用の高級装飾品店ですら比にならないほど精緻で精巧、名前は筆記体で裏に掘られているのは勿論、一見、宝石つきの指輪にしか見えないその指輪には夕陽をモチーフに描かれている

そして、その宝石はまだ、全世界でエルムしか発見していない宝石の一つ

レッドグロウライト

その宝石を持つものは身体能力を際限なく引き上げることができる。

まさにリミッターの解除である

代償はなし、いくらその圧倒的な身体能力を行使しても肉体が壊れることはない


それがレッドグロウライトという宝石の能力である。

そんな宝石が嵌め込まれている指輪がなんの能力もないわけがないわけで

指輪に付与されている能力は

サイズ調整、魔術無効、物理無効、風化無効、熱無効、消臭、召喚、etc.

指輪から装着者に受ける効果は

抗体、病気無効、治癒力倍化、再逅


と、さまざまな能力がこの指輪には詰まっているのだ


補足として

召喚は持ち主である芽音が呼び出せば何処からでも芽音のもとに召喚される

再逅はいつか再びこの世界に来ることができるための能力である


とまあ、子供が作るのも子供が着けるのも色々と…いや、何もかもおかしい

それがエルム作の指輪である


練習で作った宝石の入っていない指輪はエルムの義父ノートルが試しと市場に流し結果とある小貴族が妻のために何としてでも買おうとした結果没落したという噂も


いったいいくらの値段がついているのか

気にしてはいけない世界の常識


話が逸れたがそんな指輪を指差しセルナはズルいといい放ったのである。

まあ、彼女はその指輪の価値を知らなくエルムから指輪を貰ったという事象にズルいと言っているだけであるわけだが


「ズルいって言われてもあげないよ?これはウチとエルっちとの大切な……繋がりだからね」

「私だって要りませんよ!貴方のは!!

なんで、他人の名前とエルム様の名前が掘られている指輪を私が欲しがるんですか!!

私が欲しいのは私とエルム様の名前が入った指輪です!!」


明言し、ドン!とソファーとソファーの間にある机を握った手を叩きつけた


その時……異変が始まる


コッ


そんな音が机の上で鳴った


「ん?なんか違う音が鳴ったような……」

「話を逸らさないでください!」

「そんなベタなことじゃなくて………これ…」

「芽音さん?」


机の上に手を伸ばし、それ、を摘む


「……指輪………ウチのと似てる」


それ、は指輪だった。

芽音の所有する指輪と形のみ似ている

宝石は透き通る緑色そして、恐らくモチーフは……


「…エルム様?」


どう考えても彼が作った、それしかあり得ない

しかし、エルムは依然目覚めていない


「……マスターがセルナさんの願いを叶えた?」

「起きてるの!?エルっち!!?」


一切の反応が見えない


「芽音様、それをこちらに」

「ええ、わかってる」


手渡された指輪に手をかざすフィア

そして唱える


「異級、全識オールディスクリミネィション


識別魔術、最上級+異級 

全識オールディスクリミネィション

万物の全てを可視化することができる魔術

名前、所有者、製作者、能力、価値、温度、弱点でさえも


それを異級にしたことによりこの場にいる全員がその能力が見えるようになる……



銘 グリーネリィエリミアスリング

所有者 セルナ=ディアリス=ドラグニティー

製作者 エルム=───────=────────


宝石 グリーネリィエクスペリエンスライト


宝力 魔術経験値乗化、身体能力経験値倍化

魔力を使う度に使った分最大魔力量の増加

最大魔力量に制限がなくなる


付与能力 

サイズ調整、魔術無効、物理無効、風化無効、熱無効、消臭、召喚、光燭、水源、発風、


装備者効果 

抗体、病気無効、治癒力倍化、寵愛


モチーフ 新緑の大地


温度 16度


価値 8900億ルム


弱点 (エルムを裏切ること

裏切った瞬間、弱点は消滅する

そして、─────────える

なお、これは所有者にしか見えずそれ以外が見ると、弱点はないにしか見えない………ごめん、回りくどかったね、セリィ

は君にこの言葉を伝えたい

僕は君を愛しています、君だけを僕は信じれる

だから…だから………



僕を君の手で殺してください



一年経つ前に……5日、いや、4日以内に

一年経つまでならきっと目覚めない僕が目の前で言った願いを全て叶える、そして、経ってしまうと僕は……目覚めてしまう

だから……お願い…まだ時間はある、でも、目覚めるまでに……)


「……どういうことですか…」

「セ…ルナさん?」

「どういうことなんですか!!!エルム様!!!」


その怒号は目覚めないエルムに向けられた……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。