散歩と買い物 そして、新たなる少女……達
平和
そんな言葉が一番似合いそうである
いまこの三人がいる空間を表現するならば
一人の少女が眠り続ける青年を乗せた車イスを至極幸せそうに押し、その隣を歩く少女もその光景を見て笑みを浮かべる。
端から見ていても邪魔することが許されないような、そんな神秘的な空間となっていた。
その三人はもちろんセルナ、フィア、そしてエルムである
彼女たちが歩いている場所は一面の草原の上に掛かる一本のとてつもなく長い橋。
幅もそこまで広くはない
精々横に並んで五人が限界位だろうか
十分広かったか
なぜ、草原に道を作るのではなく草原の上に橋が掛かっているのか
まあ、ここにもエルムが関わってくる。
というより、セルナとエルムがよくここで遊んでいたから少しでもそのままにしたいというセルナの意見を元にフィアが考えた結果であるだけなのだが
橋が掛けられた影響で日陰になってしまった草に関しても抜かりはないようで
掛けられたあとすぐに物体に日光を透過させる能力を与えた。
なので、日が出てる間には見えない。
もうお分かりでしょう。
彼女たちは地面を歩いているのではなく
空中を歩いているようにしかみえないのです
ということで、もう一度考えなおさなければなりません。
平和
果たしてその言葉で合っていたのか
端から見たら宙に浮く車イス(眠る少年つき)にそれをとても楽しげに押しキャッキャする美少女だ。
そう、一番に似合う言葉はこれだろう。
唖然
誰もが声もでないんだから。
ちなみに二人を魔術で浮かせているという可能性を消している原因が普通に足音が聞こえるからである。
そして、その光景を見て唖然としている人がここに
「は?」
どんなときでも冷静に
そんな言葉が彼女の心情である。
崩れてるが
「……なにあれ?
……異世界か!
ここは異世界か!!
また来たんだ!!やっぱりファンタジー感すご!!」
ここにも
「………」
少し呆気にとられているようだ
「…ッ!!」
フルフル…キッ
頭を振り意識を切り替えるようなそぶりをすると消えるようにその場から去っていく…
さらにここにも
「ほぇーー、すげーなー」
感嘆の声をあげる銀長髪の女刀使い
どこか大人びている彼女は遮るもののない草原に佇み無遠慮に眺めていた
「ハハッ!それに久しぶりだというのに相変わらず女侍らしてんなぁ」
三人のうち誰かを知っている、いやもうエルムを知っているらしきその女性は怪しい笑みを浮かべ彼女たちが来た方角と正反対の方へ歩いていく……
「街が見えてきましたね!セルナさん!」
「そーですねー」
「むむむ…そっけない反応です
……やっぱりマスターをセルナさんに託すのはフィアだけ疎外されている感じがします」
「そんなことありませんよー?」
上の空である
「どこがそんなことありませんよーですか
…まぁ、いいんですけど…
………それに三人ほど女の人がマスターを狙っているようですけど……」
「はい?なにか言いましたか?」
「何でもないです~
それに対応が鈍感系主人公みたいですよ?」
「そんな属性は私には要りませんよ
私はエルム様と一緒になれればいいだけですから」
「ブレませんねー
さすがセルナさんです」
「おだててもエルム様の隣は譲りませんから」
「反対側が空いているので大丈夫です!」
「この場合の隣は一個だけですから!
反対側なんてありませんから!」
「隣が一個かっていうのはマスターが決めることですよー
フィアも隣にいていいと言ってくれるかもしれないじゃないですか」
「ぐぬぬぬぬ……エルム様ならきっと………ああっだめです!!どうかんがえてもフィアも娶る未来しか見えない!!」
「ふはははー!フィアの勝ちっです!」
いい顔でドヤッとするフィアに渋い顔をしたセルナは足早に街の裏口であるアーチを潜り抜ける
「ああっ!待ってくださいー!!謝りますから!調子乗ったのを謝りますからぁー!!」
「………」
アーチを潜り抜けるとそこからは朱色の濃霧が辺り一面に広がっているのだった。
そう、街が見えてきましたね
フィアはそういった。
しかし、この街
『ヘイズバーミリオン』は周りからは一切見えないうえに内部からでもほとんど見えない。
一定の人たち以外
その一定の人たちはこの街の住民、それか色々な事情で特別な人たちだけである。
そしてその一定の人たちにはチナ紅石という鉱石を持つことでその朱色の濃霧が見えなくなり、本来の街が見え、入れるのである。
だから日常的にチナ紅石を持っている人は朱霧何て見えないのだ
『ヘイズバーミリオン』
通称、朱霧の幻想郷
曰く、朱霧は特殊ななにかを持たないで入ったものは帰ってこれない。
曰く、朱霧のなかには何人にも思い付かない街が広がっている。
曰く、朱霧の幻想郷は二人の少年少女が一夜で造り上げた。
曰く、朱霧の幻想郷には裏口が存在する。
曰く、夜になると朱く光る
などなど、色々な噂が行き交っている
結構事実が多いのは噂の元凶とは義父であるノートル=レイル=ギールが面白半分で出したのが原因であったりするのだが。
噂の中にある通り、この街はエルムが創った街である。
とある少女と共に
気まぐれ……いや、子供のよくある秘密基地的な感じで
スケールが違いすぎるが
そして、一夜、というのは大袈裟ではない、むしろその逆である。
創ったのに必要な時間は三十分ほどだったためであるからだ
それではそろそろ、街の全体像を説明しよう
朱霧の中にある街、その街は
とてつもなく高い『ビル』と呼ばれる建物が立ち並んでいる
世界唯一のビル街である
「やっぱりすごいですよねーここは」
ビルを見上げながら歩くフィアはこの一年幾度となく発した言葉を今回も声に出した。
「それは当たり前です。エルム様が創ったのですから」
「さすがにこんなのフィアでも創るのに一週間はかかりますよー」
「ふふんっ、エルム様に敵うものはこの世に存在しないんです!」
「マスターのことなのにセルナさんが自慢げです」
「誰よりもエルム様を知っていますからね!」
「じゃあ、そんなマスターのために栄養のあるものをしっかり買っていきましょう!」
「それにエルム様があと少しで起きるのですから、他のあれこれも買わないといけませんね!」
「はっ!たしかにそうです!!フィアはあまりばりえーしょんが無いのでこれを機に!」
「そうです!まずはあそこからいきますよ!」
「はーい!」
恋する?女の子達の買い物は始まったばかりである
ジャンル別日刊ランキングに入っている……
そして、bmが100も……
ありがとうございます
これまで一年で40くらいだったのが4日ほどで60も増えたことになんでやっ!みたいな気持ちも生まれましたけど!やっぱり嬉しいです!
これからも頑張りますのでよろしくお願い致します!




