↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/57

死神参上!!なんちゃって!

ギール家の長女

ソワラス=レイル=ギール


彼女はほぼ完璧だった。

容姿、性格、能力の全てにおいて。


容姿

すれ違った人全員が振り返るレベル


黒髪、ロングのストレート

なにもアクセサリーなどは着けなかった。

体型も華奢で

出てるところは出てて引っ込むところは引っ込んでいた

が、出ているところは出ているといっても出過ぎてる訳でもなく大きい人に蔑まれるような大きさでもあまりない人に嫉妬されるような大きさでもないまさに完璧。


性格

どんな悪人でも話すだけで人が変わるレベル。


常になにか良いことをしていた。

迷子になっている子供がいたら交番やらにつれていってあげるのではなく、探してあげる。

そんなのはまだ序の口だった。

エルムがセルナに話してくれたことがあった

その時路地裏でヤンキーが喧嘩しているところを彼女がたまたま見かけてしまった時はすごかったらしい。


まず、彼女を見たヤンキーたち全員は固まり

次にいやらしい目付きで見始め……


五分後


そのヤンキーたちは手を取り合い涙していた、

そのヤンキーたちがいった言葉は忘れられない


「俺達、お互いに助け合い真面目に生きます!」


……何があった


エルムはそう思ったらしい


能力

生活面

家事などなんでもできる。

修理なども復元魔術で一発で戻すこともしている。


勉学面

ラルート学院

一年生にして卒業試験合格。


その後暇だったからと言う理由で生徒会長をやるほど

ついでに、中間、期末テストで一位から落ちたことはないらしい。

テスト勉強をせずにエルムに勉強を教えてあげていたのにもかかわらず

魔術面、

アリスに師匠として崇められるレベル。


今のアリスでも彼女には到底及ばないらしい


ギール家なので回復、治癒魔術をも使える。

身体能力面

力こそ人族の平均ほどだが五感は亜人並み

剣術はやっていなかった。


そんな完璧な彼女だったが欠点がひとつ。

それは……


極度のブラコン


弟であるエルムが大好きでしょうがなかったのだ




そんな弟好きの聖女様として世間に広まり始めていたとき

死神が町外れの山に現れた


そして

彼女は消えた。


ほとんどが彼女の家系や住所などを知らず

探すこともできなかった。


知っていた少数の人たちもギール家に行こうとしたが門前払いで家族以外で誰一人として真相を知るものはいなかった。


それが死神襲来の唯一の被害者

ソワラス=レイル=ギール







「唯一別荘にいたエルム様とソワラス姉様は死神の襲来にいち早く気づきました。

しかし、それはあちらも同じ

さらに、最初の標的としてソワラス様が狙われたのです」

「イヤ、ソワラス姉…」

「エルム様に町の住民に避難を呼び掛けるように言い付け、ソワラス姉様は別荘前で死神に戦いを挑み……

……その後、別荘前にソワラス姉様の遺体が……」

「イヤァアア!!」


ソワラスの死を耳を手で塞いで拒絶するアリス

先ほどの部屋に突撃してきたアリスはそこにいない

今ここにいるアリスは大切なものを失った子供のようだった。


なんとかアリスの身体を支えていた両足が力をなくしたようにアリスは崩れ落ちる

そして……


「なん、で、なんで私を、お、置いて居な、くなったんですか!

ソワラス姉ぇ!ずっと!ずっと待っていたのにぃ……」


崩れ落ちたのを境にアリスの目からとめどもなく溢れてくる涙

それを見たセルナは次を語ることをできなかった。


「……今日は止めておきましょう

ですが、私は……あなた方がエルム様の嫁となることは許さないですから」

「……まって」


きっぱりと言い切り部屋を出ようとするセルナにニルの制止の声が掛かる


「なんですか」

「僕に、僕にエルム君のことを教えて」

「……」

「いや、教えて、ください」

「……わかりました、後ほどなら」

「私は遠慮しておくわ

エルム君が私たちが過去を知ったっていって喜ぶとはまるで思えないから」

「そうですか……グラグさん聴こえてますか?」

『どうした?』

「すいませんがエルム君の居場所を教えてくれませんか?」

『さっき飛んでったのはやはりエルムだったか、ちょいとまっておれ』

「はい」

「じゃあ、私はエルム様を探してきますが……アリスさんの気のすむまでここを使ってください」

「ええ、わかった、わ」

「……僕も行くよ」

「わかりました……グラグさん、どうですか?」

『不味いな』

「エルム様に何かあったんですか!?」

『いや、まだないだろうが

……死神がエルムの近くにいる』

「なっ!!!?」






エルム視点


「全身が痛く感じる……」


実際は飛ばされて叩きつけられた痛みはもう治してんだけどね


セルナに襲われてラルに光弾(こぶし大ほど)を打ち込まれ吹っ飛ばされた俺は途中で落ちることなく飛ばされ続け、しばらくして山に突き刺さった。

幸いにも手足だけがあらぬ方向に向いていただけだったので回復魔術を唱え完治させていたのだった……が


「で?俺はどこまで飛ばされたんだか……」


ここからみるに飛ばされた初期位置、セルナの館は見えない。

相当飛ばされたようだ。


……


「よし、ちょっと山頂にいってみるか」


山頂からならもうちょいどこにいるかわかりそうだからな!


「上に~上に~っと!」


足場は悪いが木々に手を掛けて登ったり、足を掛けたところが崩れて登ったのを戻るかのように転がったりしながらなんとか山頂を目指していた。


はずだった。


「なのになんで……なんだよこの状況!!?」


太めの木の棒に抱きついているかのように手足を縛られ二本の木に引っかけられている。

俗に言う豚の丸焼き状態になっていた。


そして、周りには汚火豚ヒートオークが犇めいている。


汚火豚ヒートオーク

野生の豚がたまたま魔力が発生した植物を食べて魔物化しそれが他の野生の豚と交配を繰り返し繁殖した豚の魔物

その食べた植物が火属性を帯びた植物で汚火豚ヒートオークとなった。

汚豚オークは魔力を取り入れたことにより二足歩行で歩けるようになり猿並の知能を持つ。

よって、この行動も何かがあるはず


おいおいおい!!

まてまてまてまて!!!

吊るされる役目は普通は逆だろう!!?


するとその中から二匹の汚火豚ヒートオークが俺を吊るしている木の棒に手を掛けそのまま担がれる


「おい!おい!何やってんだよ!!ちょっおい!!」


なにやら危ない気がして必死になって暴れる

すると担いでる汚火豚ヒートオークじゃない汚火豚ヒートオークに横っ腹を殴られる


「ぐっ!!」


肋が折れる感じがした。


「っ!…部分治癒パートヒール腹部ビリィー


折れた肋は治ったようだが状況が変わるわけではない。

というか今の俺に変えられるわけない

話なんか通じるわけがないし


仕方がない、流されよう








運ばれるがままに運ばれているとある深そうな縦穴のまえで汚火豚ヒートオークらがブヒブヒと騒ぎ始める。


おっと、

ヤバい


これ入れられるやつや


「ちょっまてぇ!!それはやめろぉお!!」


そんな心からの叫びは汚火豚には一切通じなかったようで


その縦穴に投げ込まれた

 

「ちょっ!てめぇらぁあああ!!ふざけんなぁあああぁぁ…………」


縦穴周辺にはとある男の絶叫が響いた……





「ヘバァ!!」


縦穴の底に顔から突っ込む


しかし、あまり痛みは感じない

異様に底が柔らかかったのだ。


その分ずいぶんと土に沈んでいるんですが


沈んでいるせい手足を縛られいる俺はひっくり返ることもできないし土に顔が埋もれているので息ができない。


なんでこんなところに俺は投げ込まれたんだ……


そんな意識が朦朧としかけたとき俺の体が浮き上がる。

空気が吸えるようになり俺の荒い息が周りに響く。


「今回は汚火豚ヒートオークじゃない?」


そんな重低音な声が俺の耳に入った。


「ひいっ!!」

「えー、人を喰らう趣味はないんだけど」

「だれ、だよ!」


その疑問を嘆かれるとともにその縦穴の底にある空間に淡い光が灯された。

所々にある石が光ってるようだが……


その光に照らされて見えるようになったのは重低音な声を発する本人と思われるものだった。


そして、そいつは俺に忘れられるわけのない格好をしていた。


黒いフードつきのマントをまとい

両刀鎌を持つ

そして、顔には骸骨のような仮面をつけている。

その格好は……


「お前、は……




   死神!!!」」


そう、姉を殺した張本人

死神イビルサイズ


「ん?あー、討伐とか?しにきた人?

人に迷惑をかけないように過ごしてきたはずなんだけどなあ」

「許さねぇ…………お前は許さねぇ!!」

「え?」

「覚えてねぇよなぁ!殺した人のこととか!そして、その弟のことなんかよぉ!!」

「……」

「くっそ!外れろ!」


縛られている手足を力に任せて引きちぎろうとするが縛っている紐は頑丈でちぎれることはない。


「ふざけんな!くっそ!くっそぉ!!」

「ねぇ」


かけられた声は先程の重低音な声ではなく高めのいわゆる女性の声だった。


「だれだ!まだ他にもいんのかよ!!」

「いや、ここにいるのは私だけよ」


この声は死神の声のようだ


「なんだ!他人の声を真似して同情でも誘おうってのか!」

「……エルちゃん……」

「っ!!」


死神から発せられた声は七年前から一回も聞こえることは無くなった。

ねえちゃんが俺を呼ぶ時の呼び方だった。


「そっか」

「ふざけんな……お前が……ねえちゃんの声を使うんじゃねぇ……」

「嗚呼、神よ感謝します……」

「何をふざけてやが……」


最後まで言い切るまえにふわりと死神は俺の頭を胸に引き寄せた。


「会いたかった……会いたかったよぉ……エルちゃん……」

「なっ!離せぇ!」

「いいんだよ、私は今、生きているんだから」

「ちげぇ!ねえちゃんはお前に殺されたんだよ!!」

「そうだよ、私は死神に殺された」

「だったら!!」

「けど、エルちゃんが蘇生させてくれたじゃない」

「してねぇんだよ!!俺の蘇生はねえちゃんに効かなかったんだよ!!」

「いいえ、効いたんだよ、死神に吸収された私の魂に」

「なわけねえだろ!ねえちゃんは生き返らなかった!それは俺が何より知ってる!」

「知らないよ…私は死神を素体として蘇生をしたんだから」

「……どう言うことだよ」

「私はね、元々の死神、私を殺した死神を素にして死神として蘇生したの。簡単に言うと死神に吸収された私の魂が死神を吸収したの」

「……そんな都合のいいことなんか!」

「でも、エルちゃんが蘇生させてくれたお陰でそれができたんだもん」

「じゃあなんで目の前で蘇生しなかったんだよ」

「私の魂は死神に取られていたからね」

「……っ!」

「まだ信じてくれないの」

「信じれるか!じゃ、じゃあなんで家に帰ってこなかったんだよ!」

「今なら帰れなくはないけど、前は死神としての能力を制御できなかったのよ」

「今なら帰れたんなら帰ってくればよかったじゃねえか!」

「もう、私のことを死んだものとしてやっと乗り越えた人だっているのよ、だから今私が帰ってはいけなかったのよ」

「なら、なんで、俺に明かす!?」

「それは……エルちゃんが


  大好きだからだよ」

「ッ!!!!」

「だから……」


俺を引き寄せる力が強くなる


「ち、違う…ねえちゃんは、ねえちゃんは……」

「会いたかった…エルちゃん」

「ねえ…ちゃん」

「大きくなったね…エルちゃん」

「ぅ…ぅぅぅ…ぅぅ、ねえちゃん……」


俺はねえちゃんと再会した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。