プロローグ
俺の名前はエルム=ギール
ラルート学院という学び舎に通う1人の学生である。
魔術師と剣士を同時に育成するという世界初の試みの元生まれたこの学院は、とても幅広く門を開けているため
本当に多くの人を抱えた、過大規模校である。
自身も姉に習いこの学院の戸を開けたぴかぴかの1年生だ
はや半年経ってしまっているが
正直この半年だけで、周りとの差を感じ劣等感を抱きかけてて心が折れそうだが、そこは持ち前のテンションとノリで何とかここまでやってきていた。
とういうか、魔術と剣の学校なのに
どちらの才能も全然無いってどういうことだっての!
下から数えた方が早いってなんでや!
授業サボってるとか全くないし、
剣に関しても教員からも動きはいいんだけどねぇ...動きはねぇ...って言われるくらいには、動けてるのだが...
どおして...
とまあそんなこんなで
頭抱えるこの学院で過ごしている俺だったが
今日はひと味違う
色々灰色なこの状況を桃色に変えるため。
今日俺は男を見せるのだ
アリスという女の子をを放課後に教室に呼び出していた。
今の時期は夕暮れ時になると教室からの景色は今まで見たどこよりも綺麗だからシチュエーションもバッチリだ。
ここまでいえばなんの用かなんて言うまでもないだろう
教室の時計の短針は5時を刺す直前
そろそろ指定の時間か...
心臓が暴れ、緊張と不安で色々と漏れそうな心を奮い立たせ覚悟を決める。
このときのために色々と準備してきたんだ!
自信をもて!俺!!!
「........っ!!」
呼び出した時間ぴったりだか、教室の後ろから開けられた扉の音に軽く飛び上がりながら、
俺は彼女の方へと体を向けた
「どうしたの?エルム君、こんな時間に呼び出して?」
「いやや、ああああえっと!!!」
「?」
「こんな時間に呼び出してごめんなさい!」
「まあ、いいよ、わたしもちょっと用があったから残ってたしね」
「へ、へえ」
「ここきれいだねー」
「でしょ〜!この教室、普段放課後使う活動もないから穴場なんだよ〜」
「うん、なんだか落ち着くって感じ」
初手だがなんだか悪くないのでは?
舞い上がる気持ちがより自分の都合のいい方向へと
意識を持っていく
しかし、それに身を任せるのは危険
そんなことは百も承知なのだ。
一回落ち着け
深呼吸をするんだ。
すぅ...はぁ...
言うのは早いかもしれない
でも、こういうのは舞い上がりすぎて急ぐのもダメだが、落ち着こうとしすぎて言えなくなるとかも無きにしも非ず。
ここはもう...突き進むしかない...!
「あの!」
「ん?」
「始めてあったときに一目惚れしてからずっと好きでした!お、俺と付き合ってくれませんか!!」
「.....ゴメン、私あんまりわからなくて、そういうの.......」
後半はほとんどの聞こえなかった。
だが、はっきりしたことはある。
彼女はこういったのだ。
ゴメン、と
そうか、俺は振られたのか.........
「ごめん、ごめんね......」
「いや、こっちこそごめん、ちょ、泣かないでよ、俺だってきついんだから、はははは、は、は.....うぅ.....」
「............」
「呼び出しておいて、だけど、ごめん、ちょっと、一人にして」
「う、うん」
ガラガラ
「──────」
ピシャ!
彼女は別れ際になにかをいってたようだったけどショックでまるできこえなかった。
俺は壁に寄りかかり、そのまま座り込んだ。
そして塞ぎ混むように手で顔を覆った
すると、我慢してた感情が一気に溢れてきた。
「うぅぅ、うぐぅ」
教室に俺の嗚咽だけが響いた。
何十分そうしていただろうか、
いや、ほんとは数分だろうか?
少し落ち着き教室の窓から外を見る
綺麗だった。
自分で考えた場所なのに今はまた涙が溢れてくる。
だめだ、もう帰ろうかな
しかし、このまま帰りたくない、そんな気分でもあった。
そうだ、あそこへいこう。
あそこなら今は誰もいないはず
そういって、俺は俺ともう二人しか知らない場所へと足を向けた。
ふらふらしながら15分かけて来た場所は山の中にある少し開けた場所
いつもなら、街頭などの光がないこの場所は星を見るのに適しているのだが、そんな気分ではなかったのでただ仰向けに寝転がった。
……もうここに一生いようかな、
そんな、ことまで考え始めたその時だった。
「やっぱりここにいた!!」
「まったく、僕たちにこんなに探しまわらせるとは!」
「……」
「なんだよー!なんかいなさいよ!」
「そうだそうだ!」
「ごめん、今日は一人にしてくれないか。ラル、ニル」
そう、ここの場所を知っているのは俺を除いてこの二人
ラルとニルだ
この二人は双子で剣士をしている女の子達だ
この学校に入学したその日に教師に一人ずつ決闘を申し込み速攻でボッコボコにした、学院内で最強の剣士らだ。
大会などは、決勝戦で絶対に相討ちになるらしい
なぜか、大体の俺の行動についてくる
「ね、ねえ」
「うん?」
「アリスちゃんに告白したってほんと?」
「……」
「ほんとなんだ……」
「ごめん、ほんとに一人にしてくれ」
「ダメだよ!ショックなときは誰かと一緒にいた方がいいんだよ!」
「じゃあ、ニル、あたしが一緒にいるからあんたは帰りなさい。」
「ラルが帰ってよ!僕が一緒にいるから!」
「うっ、うぅ、」
「「あ、ああ!ゴメン!」」
「ううぅ」
「大丈夫、あたしたちがついてるから、泣かないで」
「ラル~~」
「僕もしっかりエルムについてるから!」
「ニル~~」
「「だから大丈夫だよ!」」
「う、うわぁぁぁぁぁん!」
俺は二人にあやしてもらいながら大泣きしてしまった。
二人の優しさがとてもいたい。
一通り泣き、子供のようにそのまま眠ってしまった。
「よし!これであたしの魅力に気づいたエルムがあたしと付き合い始めるって感じかな」
「いいえ!僕の魅力に気づいて僕と!付き合い始めるんですー!」
「まったく!何で双子でおんなじ人を好きになるのよ!」
「しかも、惚れたタイミングまで一緒にって言うのが……もー!ラルが諦めて!」
「そっちが諦めなさい!」
「「うーーーー!」」
「っていうか、新たなるライバルが登場ね」
「うん!絶対に負けないよ!」
ここで新たなる戦いが始まる
どーも始めましての方が圧倒的におおいとおもいます!
クロ課長です!いやーもうひとつの小説が少し行き詰まりまして、気晴らしに新しく思い付いたやつを作ってみた所存です!
この小説は1週間に一回投稿できると思います。
ほんの少し期待して待っていてくれるとほんとにありがたいです。
あと、誤字脱字がありましたら感想にお願いします。
最後まで読んでくださりありがとうございました!