優佳からのメール
女子会から帰宅した和美は「僕は瑞穂が好きなのか?」そんなひとりごとを口にしていた。ぶんぶんと頭を振ってみる。しかし気がつくと瑞穂から連絡がないことを考えていたりした。
静かだった和美の部屋にスマートフォンからメールの着信音が鳴り響く。ドキドキしながらスマートフォンをのぞくと優佳からだった。もしかして瑞穂からかもと思っていた和美は少しだけガッカリしながらメール画面を開く。
『和美くん、こんばんは。先ほどアリサさんから電話がありました。今日の女子会は大変だったそうですね。和美くんがさりげなく私のことをかばって下さったことも聞きました。アリサさんからも聞いたとは思うのですが今日、私はデートでした。相手は前にお話したことのある初恋の彼です。前に偶然、街で出逢ったのです。それで高校生の頃の告白のことを改めて謝ってくれました。初めは不安だったのですが彼が真剣なことがわかりつきあうことになりました。話を聞いくれた和美さんには報告しないといけないと思ってメールしました。今、私は幸せです。和美さんも幸せになれますように』
優佳からのメールを読んでいる和美の瞳には涙がにじんでいた。優佳が初恋の彼と幸せになれたことが嬉しかった。優佳ちゃん幸せになれたんだね、良かったよ。そんなことを思いながら和美は返事を作成した。
優佳宛ての返信を書き終わり送信をタップする時に和美は優佳の幸せを祝福している自分に気がついた。僕は優佳ちゃんのことが好きだったんじゃないのか? それともみんながいうように本当は瑞穂のことが好きなのか?
和美は、とりあえず今は優佳に対して恋愛感情がないことだけは実感できた。しかし瑞穂への想いはいくら考えても答えが出なかった。