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わがままなキミ  作者: 葉月 晶
第九章
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荒れ果てた女子会

 和美(かずよし)の元に久しぶりに女子会のお誘いメールが届いた。和美は女子会気分ではなかったけれど瑞穂や優佳から話が聞けるんじゃないかと思い出席することにした。


 当日集まってみると優佳はデートで欠席、瑞穂は大学さえも欠席していて、アリサは遅れてくるという。和美は瑞穂もアリサもいない女子会に参加するのは初めてだった。お目付け役のアリサが遅れてくるというので和美は質問責めに合っていた。


「カズミ、瑞穂と別れたんだって?」

「うん、そうだね」和美は淡々と聞こえるように話した。

「でもカズミって優佳のこと好きだったんでしょ?」

「やっぱりバレてた?」

「うん、優佳がよく言ってたよ。カズヨシくん優しいから告白されたらつきあいたいなぁって」とアリサと優佳と同じ大学の朱里(あかり)が暴露したのをきっかけに女子会は荒れ始め、和美は言葉を挟めないような状態に陥った。


「優佳ってけっこう計算しているタイプじゃない?」

「うんうん、そんな感じ」

「今回つきあい始めたのだってイケメンに告白されたからでしょ?」

「そうみたいだよぉー」

「優佳に比べたら瑞穂は一途だよね」という朱里の言葉に和美は思わず反応してしまった。

「でも瑞穂は今まで色々な欠点だらけの男とつきあっては失恋したって僕にグチってばかりだったよ?」


 その答えは遅れてきたアリサが語り始めた。

「瑞穂、あの外見だからけっこうモテるんだよね」

「うん、知ってる」和美だけじゃなくメンバー全員がうなずいていた。

 そんなみんなを満足そうに眺めるとアリサは続けた。

「でもカズミが優佳のこと好きだったから、カズミのこと諦めるために告白されたらつきあってみていたんだって。もしかしたら好きになれるかもしれないからって」

「え!」瑞穂の気持ちを知らなかった和美はグラスを片手に固まっていた。


「うん、うん、私も聞いたことあるよ。でもどの恋にも真剣だったよね」

「それに瑞穂は優佳にカズミちゃんとは無理矢理つきあうことになっちゃったけれど、カズミちゃんは優佳のこと好きだからって話したけど、でもつきあっているんでしょ? 私には理解出来ませんって冷たく言われたらしいよ」

「えー! それは最低!」

 いつまでも続く優佳の悪口に和美は恐怖を覚え始めた。

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