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わがままなキミ  作者: 葉月 晶
第八章
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裏切り

 優佳が変身を遂げてから希美と優佳はいつも一緒に行動していた。希美は恋愛話好きだったので優佳は自然と片思いの彼の相談もするようになっていた。希美は最近つきあい始めた彼氏の話をよく優佳に話してくれた。でも彼氏の名前はいくら聞いても「優佳に彼氏が出来たら教えてあげる」と笑顔でごまかすのだった。


 夏休み明けから希美が自分の彼氏の話をピタリとしなくなった。それと同時に優佳に対してしきりに告白を勧めだした。恋愛に鈍感だった優佳は希美が告白を勧めている時に他の友達が半分困ったような笑顔を浮かべていることにも気がつかなかった。頭の良かった希美は説得も上手かった、特に優佳が告白を決心した時のセリフは「気持ちって言葉にしないと伝わらないんだよ」だった。奥手な優佳にピッタリな言葉だった。


 初めての告白を優佳は忘れない、いや忘れられない。その日、優佳は放課後の教室で彼の部活が終わるのを待っていた。彼を呼び出す役は希美がするから教室で待っていてと優佳は言われたからだった。部活が終わり汗を拭きながら教室に入って来た彼は優佳を目にした途端「なんで中川さんがいるの? 希美は?」と聞いてきた。優佳は一瞬イヤな予感に襲われたけれど希美を信じて思いきって告白した「ずっと前から好きでした」と。


 返ってきた言葉は「中川さん、希美と仲がいいから知ってるでしょ、俺と希美がつきあっていること」だった。優佳は頭の中が真っ白になってしまい教室から飛び出した。それから優佳はショックで一週間学校に行けなかった。


 そしてお見舞いに来てくれた友達が真相を話してくれた。希美は優佳が好きと知ってて面白半分に彼とつきあい始めたこと。最近は希美は別れたかったけど彼が聞いてくれなかったこと。希美は別れたい一心から優佳に告白させたこと。優佳のショックな顔を見て彼はやっと別れることに同意をしてくれたこと。その話を聞いて優佳は二重に希美に騙されていたことにやっと気がついた。


 その時から優佳は自分から告白出来なくなってしまったと悲しそうに和美(かずよし)に話してくれたのだった。

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