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わがままなキミ  作者: 葉月 晶
第七章
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途絶えた連絡

それから祐介と瑞穂は順調につきあい始めたみたいだ。

フリーになったはずの和美かずよしはまだ優佳に告白をしていない。告白していない理由はふたつあった。


 ひとつめは瑞穂に対して罪悪感を抱いているからだった。幼なじみの自分を頼ってくれたのに自分勝手な思惑で半分瑞穂を騙すような手口で祐介を押しつけて勝手に期間限定彼氏の座から降りてしまった。だからせめて最後まで見届けなくては! という気持ちが芽生えてきたのだった。


 ふたつめは祐介と瑞穂を会わせて以来、瑞穂からの連絡が途絶えたのだ。

 もちろん祐介からはデートの度に幸せそうなメールが和美の元に届いている。

『和美、お前は瑞穂ちゃんを誤解している。全然、瑞穂ちゃんはわがままなんかじゃない。とてもいいこじゃないか』などといったデレデレな内容のメールだ。

『まぁ、瑞穂は彼氏の前ではわがままを言わないらしいからな。もし悪いところが見つかったら瑞穂に伝えてくれ』と和美は返事をしている。


 でも瑞穂からは電話もメールも届かなかった。全くの音沙汰なしだ、そんな事態は今までなかった。

 どんなに激しいケンカをしても、次の日には当たり前のように連絡があった。新しい彼氏が出来ると、おのろけメールが届いたり愚痴の電話がかかってきたものだった。


 瑞穂に罪悪感を感じている和美は自分から連絡をとることが出来なかった。

 今夜辺りメールが届くかもしれない、明日、急に呼び出しの電話があるかもしれない……。そんな風に和美は不安な気持ちを見ないふりをしてごまかし続けた。でも心の底では瑞穂からの連絡を待っていた。

 

 あまりに連絡が来ないので和美は気がつくと瑞穂のことを考えている時間が増えていた。今まで瑞穂がかけてきた迷惑さえも何だか懐かしく感じてしまうこともあったくらいだ。 


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