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わがままなキミ  作者: 葉月 晶
第六章
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祐介VS瑞穂

 次の日、和美(かずよし)と祐介は瑞穂を呼び出すことに成功した。

 呼び出したのもちろん和美で場所は智明のカフェだった。


「え? なにカズミちゃん、こちらの方は?」瑞穂は祐介に気がつくとかなり緊張している素振りを見せた。

「初めまして今日から瑞穂さんの期間限定彼氏になります、小島祐介です」祐介はにこやかに挨拶をしてみせる。

「カズミちゃん、これってどういう事なの?」

 かなり混乱している様子の瑞穂に向かって和美は話を始める。

「だって瑞穂は僕だと彼氏に思えないって言ってたよね? そしていつまでもわがままなままじゃない? それなら僕と瑞穂がつきあっていても瑞穂の悪いところがわからないままだ。瑞穂はそれでいいの?」

 瑞穂は何かを言いかけるように唇を開いたが、結局何も言わないまま下を向いてしまった。


 そんな瑞穂を見て一瞬心が揺れる和美だった。けれども深呼吸をして話を続けた。

「でも祐介なら性格は僕が保証するし、状況もわかってくれている。あの日何度も『私のどこが悪いの?』って言っていた気持ちが本当ならば祐介と期間限定でつきあった方がいいと思うけど……」

 やっぱり和美には罪悪感があるのか語尾が弱くなってしまう。


「本当に期間限定なの? 中学や高校の頃のように友達を紹介したいだけじゃないの?」

 瑞穂は何かにすがるような瞳で和美を見つめている。

「そこまで、お疑いになるのなら一ヶ月と本当に期間を決めましょう。それならいかがですか?」と祐介は少しだけ身を乗り出してアピールする。

 

 瑞穂は和美を見つめていた。そんな瑞穂の視線を和美は気がつかないふりをした。

「それなら信じます、これから一ヶ月よろしくお願いします」と瑞穂は祐介に頭を下げた。自然と和美もまた祐介に頭を下げていたのだった。



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