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わがままなキミ  作者: 葉月 晶
第六章
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小島祐介登場

 和美かずよしがメールをした相手は小島祐介こじまゆうすけ。祐介は和美が高校時代に短期ではあるがバイトをしていた時のバイト仲間だ。


 和美と祐介のバイト先はコンビニだった。歳は一緒だったけれども和美よりも早くからバイトをしていた祐介は新人の和美に仕事を教えてくれた先輩にあたる。祐介と和美は別々の高校に通っていたのだが女の子で苦労しているという点では一緒だったので直ぐに意気投合した。当時から和美は瑞穂の相手に苦労していたのだったが、祐介が苦労していたのは二人の姉だった。

 

「よお! 和美はまだ瑞穂ちゃんに振り回されているのか?」と、祐介は晴れ晴れとした顔でカフェに入ってきた。

「祐介、久しぶり! 今、祐介は一人暮らしだから、もうお姉さん達に振り回されていないんだろうけど、僕と瑞穂は同じ大学だから相変わらずだよ」と和美は肩を竦める。

「で、話ってなんだよ?」祐介の瞳は好奇心で輝いている。


 そこにカフェのオーナーの智明さんがオーダーを取りにやってきた。

「智明さん、俺はアイスコーヒーね」

 祐介もこのカフェの常連なので智明とも顔見知りだった。

「はい、かしこまりました」と智明は厨房に入って行った。


 和美は智明が厨房に入って行く後姿を見届けてからゆっくりと話し始めた。話というのは和美が瑞穂の期間限定彼氏になった話だ。もちろん瑞穂のプライバシーにあたるところはカットして祐介に説明したのだったが……。


 和美の説明が終わるとそれまでは静かに話を聞いていた祐介だったのだが、急に面白くて仕方ないといった表情を浮かべて言った。

「なるほどねぇ……。和美はあれだけ振り回されていた瑞穂ちゃんとつきあってるんだ」

「だから笑いごとじゃないんだよ! 僕は早く瑞穂の悪いところを探して優佳ちゃんに告白したいんだ」

 和美は頭をかきむしるようにして言った。

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