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わがままなキミ  作者: 葉月 晶
第四章
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和美の宣言

「カズミって昔から奥手だったもんね」アリサはビールを飲み遠い目をしながら言った。

 和美(かずよし)は照れくさそうにうなずく。

「だから優佳にも、和美からの告白を待ってないで自分から告白しないと他の女に取られちゃうよって話してたんだけどね」アリサは大きなため息をついた。アリサにとっては和美も瑞穂も、そして優佳も大切な友達なのだ。

 

「アリサ、僕は決めたよ」和美は、やけにスッキリした顔をして言った。

「ん? 何を決めたの?」急な展開についていけなくなったのかアリサは訝しげに首を傾けている。

「瑞穂ときちんと向き合って悪いところを見つけて期間限定彼氏を卒業するんだ。そして優佳ちゃんに告白をするよ!」和美は酔っているのか少しだけ大きめの声で宣言する。


「カズミ、少し声が大きいよ」

「あ。ごめん」

 和美は周囲を見回してみる。しかし少し騒がしいくらいの居酒屋では和美の宣言を気にした人はいなかったみたいだ。


「瑞穂の悪いところって男を見る目がないだけじゃないの?」アリサは二本目の串焼きを頬張りながら肩をすくめてみせる。

「うん。それも悪いところの一つだとは思う。だけどそれだけじゃないと思うんだ。今まで瑞穂に告白してきた男は悪い男だけじゃなかった。実際、僕の友達とつきあっていたこともあったけどヤツはいい男だった、だけど一ヶ月しかもたなかったんだ」アリサにつられるように和美も串焼きに手を伸ばす。


「じゃあカズミの言う通り何かあるのかもしれないね」アリサは、やりきれない表情をしていたけれど既に酔っている和美は気がつかない。

「あと僕が優佳ちゃんを気になってるってことは内緒にしてて欲しいんだ、みんなにも瑞穂にも……」和美はアリサを拝むような素振りをしてみせる。

「もちろんだよ」アリサはどことなく淋しそうに笑った。


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