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オープン・ワールド  作者: 梯子
ワールド1
5/22

1-4

ふと、熱い感情が湧き上がってきました。

さっきセレナと話してた時のような、いやそれとはまた違う感じです。黒いような、暗いような、ドロドロしたような。熱いけど冷たい全然違う感情です。

 殺気というのでしょうか。跳ね飛ばした方向に、敵に向かって。

「ひっ。」

 イデアの声でしょうか。それとも敵のほうでしょうか。

 僕に対して怯えているようでした。無理ないと思います。僕はすごく怖い姿になっていたんだと思います。

 口から炎が漏れていました。脚が地面を割っていました。尻尾が燃えて揺らめいていました。ぴくっと腕が動きました。

 それに反応して、敵は一目散に逃げ出しました。『脱兎のごとく』という言葉を教えてもらいましたが、まさにそれでした。手も足もお構いなしに土を掴み空を蹴って逃げ出しました。

 僕はそれを逃がしませんでした。相手にはダメージも混乱もあるのです、追い付くのは簡単なことです。

 足掻きの攻撃を、攻撃とは言えないかも知れないです。僕を突き飛ばして恐怖を遠ざけようとするだけの、パンチを、手首を掴みました。引き剥がそうとした逆の手も掴みました。

敵は腰を抜かし、その場に座り込みました。

「いや、やああああああああ!!」

 敵は女の子でした。髪の長い女の子でした。

 涙でにじむ女の子の、首筋に、僕は牙を…。


「…ーコ。ヨーコ! 待て!! 待ちなさい!!」

「お願いヨーコちゃん! 待って! ダメ!!!」

 はっと我に返りました。牙が首筋に触れていました。

「…っく。ひっ、く。…ひん、ひん。」

 女の子の嗚咽が聞こえます。

「ヨーコ! 口を放しなさい! イデアが呼んでるの聞こえないの!?」

「ヨーコちゃん! その子を殺さないで。」

聞こえていませんでした。

 自分が何をしたか、しようとしていたかは見えていました。でも、僕を呼ぶ声は聞こえませんでした。

 心が体から浮いているみたいでした。自分の行動を真上から眺めている感じです。水の中にいるようでした。イデアの声はぼわぼわとしか聞こえません。

「離れな…さい!」

 僕の手から引き剥がされた女の子は、イデアの腕の中に収まりました。

「ヨーコちゃん! 女の子の首筋に涎垂らしちゃダメでしょ!」

「イデアが叫んでるの聞こえなかったの?」

 こくり。

 はぁ、とセレナが息をつきます。怒ってるみたいです。顔をしかめていました。額に血管が浮き出ているような気もします。

「…ヨーコ、正座。」

「はい。」

 やっぱり怒ってます。これからお説教されるみた…。

「さっきボディガード頼んだわよね。その直後にこの失態。」

「…はい。」

「しかも、助けたイデアを放っておいて、離れた場所で戦った。」

「…はい。」

「どういうことか説明して。」

「……。」

「……。私たちの護衛はどうでもいい、自分の怒りを治めることが先、そういうこと?」

「違う!」

「でもヨーコの行動はそうじゃないよね。」

「………うん。」

「イデアが他の敵に襲われても、自分が目の前の敵と決着をつけることが先なのかしら?」

「……。(首を横に振る)」

「ヨーコにとってイデアは、私たちは大切じゃないの? 一緒に居たいんじゃないの? 私にはそう見えてたけど。」

「……。(首を縦に振る。)」

「だったら、さっきの行動は正しくはなかったよね? イデアを助けたんだったら、守り続けなきゃいけなかったよね?」

「………ごめんなさい。」

「聞こえない。」

「…ごめんなさい!! ぐすっ。」

 いつも正しいことを言ってくれるセレナだけど、今日はいつも以上に正しかったです。

しかも、今日はいつも以上に言葉が突き刺さります。

 僕は、言い返すことができなくて(言い返した事は一回もないですが)、考えが頭の中でぐるぐるしてしまって。やっと出すことができたのが涙と鼻水でした。

 一番いいことをしたはずでした。

「これからは名誉挽回できるようにがんばりなさい。」

「…っく。……めいよ、ばんかい?」

「私たちが安心してあなたを信じられるように、身を任せられるようにしなさいってこと。」

「……はい。ずずっ。すんすん。」

「もう泣くのは止め。…私も気をつけなきゃね。」

ずずーーっ。ごしごし。

「それで、イデア。何を言おうとしてたの?」

「ヨーコちゃ、へ? あ、うん。あの、(チラッ。)」

「ヨーコに構うのは後にして。先に話を進めて。」

「え、あ…。うん。あの…、え~!?」

「え~じゃないの。はやく!」

 ずずずっ。…うん。よし。またイチからがんばろ! またがんばってセレナに褒めてもらおっ!

「あ、あ~。立ち直っちゃった…。ちぇ。……ヨーコちゃんが食べようとしてた女の子ね、あたしと話がしたいみたいなんだ~。」

「話? いきなり攫っておいて、お話がしたいの?」

「あ! 食べるって言っても性的な意味じゃないよ? もっと、ちゃんとした…。」

「全部見てた。捕食しようとしてたのを。脱線しないで。話ってなに? イデアと話したかったの?」

「そうみたいだよ? なんか逃げてるときも気を使ってくれてたよ~。怪我はない?とかもう少し我慢してとか~。」

「……イデアは意外と冷静なのね。」

「え? えへ。実はあんまり気付いてなかったんだ~。最初はヨーコちゃんに攫われてると思ったから。えへへ。」

「はぁぁぁあ。」

 セレナがすっごく深いため息をつきました。今度はイライラしてるみたいです。

「あなたたちは本当に……。これは本人から話を聞いたほうがいいわね。」

「ひっく。…ひっく。」

 僕が食べようとした女の子はまだ泣いていました。すごく怖かったんだと思います。すごく悪いことをした気がします。

「ヨーコが悪いことをしたわ。ごめん。でも、あなたも悪い。人を攫って罰がないわけないでしょ? ほら、いい加減にしなさい。」

「ぐすっ…。ひゃい。」

「よーしよしよし。怖かったね~。食べられちゃうとこだったね~。でもね、ヨーコちゃんはほんとはいい子だから、もう怖がらなくていいんだよ~。」

 女の子はイデアに頭をぽんぽんされているうちに落ち着いて来ました。

「落ち着いた? じゃあ、まずあなたの名前を聞かせて。」

「…マリ。」

「マリ…、マリね。あなたも尻尾があるようだけど、一人で行動してたの?」

「そう。」

「仲間とか、お友達とかいないの~?」

「…ひとり。」

 ……ひとり。イデアがマリをハグしてる。

「…そうなの。いつから暮らしているの?」

「いつから? ずっと一人だ。」

「ずっとって、生まれてから?」

「当たり前だ。」

 僕とは大違いみたいだ。僕は気が付いたら一人で、すぐに二人に出会ったけど。マリはもっとず~っとひとり。

「どうしてイデアを、この娘を攫ったの? 話したかったなら、そうする必要はなかった。」

 するとマリは、僕のほうをじ~と見ました。なんですか?

「ヨーコがどうかした?」

「こいつが、人間でもないのにお前らといたから…。」

「そうだよ~。ヨーコちゃんは人間じゃないけど~、私たちと一緒。」

「それがどうかしたの?」

 マリの顔の温度がちょっとあがりました。

「だって! ずるいだろ!」

「は? ず、ずるい?」

セレナは拍子抜けしたみたいです。

「ずるい! ほんとはキツネのお前を先に見つけたんだ。でも、話しかけようかと思って見てたら、人間の連れが二人いて…。ずるいじゃないか! ずるいずるいずるーーい!!」

「マ、マリちゃん。もっかい落ち着いて。深呼吸しんこきゅー。」

 すー、はー。すー、はー。

「…羨ましいからイデアをさらったの?」

 マリは頷きました。

「こいつには、二人もいて。オレには一人もいないから。だから、ひとり貰おうとおもって。」

「…で、犯行に及んだわけね。」

「一人くらい、いいじゃないか!」

 セレナとイデアは顔を見合わせました。きょとんとしたり呆れたり。

「私たちの事を、いつから見てたの?」

「ずっと。ず~っと。」

「ずっと?」

「オレがキツネを見つけて、そしたらお前たち二人と一緒に行動するようになった。その時くらいから」

 最初からでした。」

「そっか~。よしよし。さみしかったね~、一人だったもんね~。」

「うるさい! 頭撫でるな!」

 でも、マリの気持ちはなんとなくわかります。僕は一人だったのは短い時間だったけど、つまらないし、むなしいです。それがさみしいなんだと思います。

 マリから見たら僕はとても楽しそうに見えたんだと思います。それは羨ましい。

 でも、だから僕は奪われたくはない。だから殺そうとした。

「ヨーコといい、マリといい、なんで尻尾が生えてる人達は、こうも欲求に素直なのかしら。」

「真っ直ぐだよね~。そこがかわいいところだよ。でも、マリちゃんは耳ないんだね。もふもふ感少なめだ~。」

「イタチ? の尻尾かしら。ていうか、マリ。その服装なんなの? 殆ど下着じゃない。」

「肉食系女子~?」

 マリはものすごく軽装で、なんていうか肌の露出が多い服装でした。

「せめて下はもう一枚…。イデア、確か幅広のストールあったでしょ? あれ、出して。」

「は~い。え~、と…。」

 ごそごそ。

「これかな~?」

「うん、ありがと。これをマリの腰に巻いて…。って、下着みたいって言ったけど本当に下着なの? これ、ふんどしじゃない!」

「ふんどし? ってなんだ?」

「あなたの履いてるものよ。着けてるといった方がいいのかしら? ともあれ、女子が着けてるのはじめて見たわ。衝撃的。」

「マリちゃんいいね~。攻めてるねぇ。」

「?? お前たちも着けてるだろ?」

「着けてないわ。」「着けてないよ!」

 マリは首を傾げました。

「そうか。そういうものなのか。」

「とにかく、このストールを巻いておけば多少ましになるわ。」

「とはいえ微妙な透け感が、こう、グッときますなぁ~。」

「…イデア。自重して。」

 グッと…?

「ヨーコも! そんなに見ない。下着のままよりましでしょ?」

「わかってませんなぁ、セレナちゃんは。見えそうで見えない、でもちょっと見えるのがいいんじゃないですか~。」

「…ケダモノ。」

 見えそうで見えない、でもちょ……。

「ヨーコもケダモノ?」

「あんまり見るな。…はずかしいだろ。」

 マリが慌てて手で隠しました。なんか、胸がざわざわしてきました。

「いいね~、マリちゃんいいよ~。ヨーコちゃんの野性を刺激してるよ~。」

 うぅ、とマリの顔が赤くなりました。

「ヨーコ。お前もこれ着けてないのか? え~と、ふんどし?」

「うん、着けてない。」

「そーか。じゃあ、何つけてるんだ?」

「何も着けてないよ?」

 セレナとマリがざわっとしました。

「あ、そうなのか、じゃあ、それが下着ってわけか。なんだ、お前も下着まるだしじゃないか。」

「あ、そうだね。じゃあ、僕もストールをまけば…。」

「いやいやいや! ちょっと待って?」

「ヨーコ、あなたパンツはどうしたの?」

「??」「???」

 パンツとはなんでしょうか?

「パンツ? パンツってなんだ?」

「ふんどしみたいなやつだよ!」

「それが今はいてるやつなんじゃないのか?」

「違うよ。パンツって言うのはふんどしの仲間みたいなやつで、え~と、なんていったらいいかな…。」

「こういうやつよ。(ガバッ)」

 セレナがイデアのひらひらした布を捲り上げました。すると、中にもう一枚履いていました。黒い布でした。

「ぎゃああああ! 何すんのセレナちゃん!」

「いいじゃない、どうせエロいんだから。」

「なんだそれ!」

「マリ、ヨーコ。さっきの黒い布がパンツよ。マリのふんどしと同じ様なもの。もちろん私も履いてるわ。それで、めくった布がスカート。ヨーコが履いてるものの仲間。わかった?」

「う~ん、じゃあセレナもあの黒いパンツ履いてるの?」

「黒じゃないけどね。」

 難しいです。

「首傾げないの! セレナちゃん! どうしようか?」

「…そうね。とりあえず、ふんどしとの違いを教えてあげて。」

「うん、そうだね。わかった。ヨーコちゃん、マリちゃん!」

「はい!」「なんだ?」

「ふんどしはね、これは下着なの。肌に直接つけるものなの!」

「下着…?」

「じゃあ、ヨーコの履いてるのもふんどしなのか。」

「ヨーコちゃんのは違うの! ヨーコちゃんのはパンツ、あでもそういうパンツじゃなくてズボンっていうか…。」

「イデア。ズボンとパンツのニュアンスの違いは今は置いておいた方がいい。二人には理解できない。」

「あ~ん…。じゃあ、ヨーコちゃんのはズボン! ズボンなの!」

 ズボン。マリのはふんどしで僕のはズボン。なるほど。

「それで、ズボンはふんどしとかパンツの上に履くものなの。わかった?」

 ズボンはふんどしの上に履く。だからイデアは黒いパンツの上にスカートをはいてるのか。なるほど。

「色はもう忘れてよ~!」

「私のは黒じゃないけどね。」

「お前のはズボンって言うのか。じゃあ、その上にストールを巻けばいいんだな。ズボンのままだと恥ずかしいからな。とりあえず、これ巻いてみるか。」

「マリちゃんストール外さないで! マリちゃんはいいの!」

「え、でもそれだと僕は恥ずかしいよ。」

「恥ずかしくない! 赤くなるとこじゃないから! ズボンはふんどしじゃないの! だから恥ずかしくないの!」

 あ、そうか。

「そうなのか? でも、下着だけだと恥ずかしいんじゃないのか?」

「だから! ズボンは下着じゃないの! ズボンは下着の上に履くものなの!」

「…ヨーコ、こいつ何言ってんだ?」

「ズボンの下に何も履いてないのが恥ずかしいの!」

 イデアは顔を真っ赤にしていました。怒ってる? 今日はよく怒られる日です

 後ろで見ていたセレナが、イデアの肩をぽんぽんと叩きました。

「ヨーコのズボンは、下着の上から履くものなの。マリのふんどしは下着。ズボンとふんどしは別のもの。つまり?」

「…え~と、僕がズボンしか履いてないのは恥ずかしい?」

「正解。」

 恥ずかしいとわかったら、途端に恥ずかしくなりました。顔が熱くなってきました。

「なんだ。やっぱり恥ずかしい奴だったんじゃないか。」

「半分正解ね。」

「あの…、じゃあ僕どうすればいいの?」

「う~ん、私たちの下着はヨーコには無理だし。」

「なんで?」

「ヨーコが男だから。」

「?」

「お前もふんどしをつければいい。」

 マリは長い布を、ずいと僕に突き出しました。

「あれ? ちょっ、ま。それアタシのマフラー!!」

「さっきストールと一緒に出てきたぞ。お前もふんどし持ってたんだな。」

「チガっ! それはふんどしじゃ…。」

「イデア、諦めて。まためんどくさいことになるわ。」

「ほらヨーコ。これをつけろよ。」

「うん。ありがと、イデア。」

 よかった。これで僕は恥ずかしい奴ではないです、

「あ、あ…。…うん。喜んでくれて嬉しい…。アタシの首を暖めてくれたものが、ヨーコちゃんのこ、股間を暖めることになるなんて…。アタシのが…、ヨーコちゃんの…。あれ? なんだか変な気分に…。」

「とりあえず平常に戻ってきてよかったわ。イデア、あなたはいつもどおり正常に変態よ。」

 いつもどおり、イデアの目はぎらぎらしてきました。いつも以上?

「これどうやってつけるの? 着け方わかんないんだけど…。」

「じゃあ、オレが着けてやる。後ろ向いて。」

「え?」「え?」

 くるっ。

「お願いします。」

「まかせて。(ズバッ)」

 マリが僕のズボンを下ろしました。

「きゃー! セレナちゃん! ヨーコちゃんお尻丸出しだよっ!? きゃーきゃー!」

「そのままじっとしてて、よっ!(きゅっ)」

「ふぁっ!」

 マリの手が、腰を回って、股間の下から回されて。

「ひぃあっ!」

「あ、ごめん。さわっちゃった。んしょっ。(きゅきゅっ)」

「何!? 何をさわったの? 何をさわっちゃったの!?」

 股間の下を通った手がお尻の上のほうに一気に引っ張り上げられます。お尻がきゅっと締め付けられます。未知との遭遇です。引っ張られたとき、背骨に雷が落ちました。

「…っ、ひゃあああああ!」

「おしり…。ヨーコちゃんのおしり。きれいなおしり~…。」

「動くなよ、締めにくいだろ。ほらちゃんと見てろ。こっちで穴を作ってあるだろ?」

「ふぁ、…ふぁい。」

「ここに尻尾を…、こうやって…、ちょっと我慢しろよ? こうやって通して、と。」

「ふぁ…、尻尾はやめ…。」

「我慢しろ。ここに通せば、と。ほら、じゃまにならないだろ? おい、ヨーコ?」

 尻尾を根元から撫で上げられると力が抜けてしまいます。ぞわぞわしてふわふわした気持ちになって、腰が砕けてしまいました。

「ごめんな? でも、尻尾さわらないと通せないんだよ。」

「…刺激的でした。」

「刺激的!? 刺激的だったの!? ヨーコちゃんが大人の階段上っちゃったよ!」

「うるさい。黙れ変態。ヨーコ、マリ、そろそろ行くわよ。」

「ふぇ…? ど、どこに?」

「さっきの洞窟まで戻るわ。奥がありそうだったし。日が沈む前に調べ終えなきゃ。」

「う、うん。」

 砕けた足腰をなんとか立たせて、ふらふら歩きました。

「あれ? マリ? 行かないの?」

 マリがついて来ません。

「…オレもついて行っていいのか? さっき、その…。」

「さっき私は、あなたの名前も呼んだはずよ?」

「いや、でも。」

「はぁ…。要するに寂しかったんでしょ? じゃあ、一緒に来なさい。そうしたらあなたの目的も果たせるし、私達も心強い。ヨーコももう怒ってないみたいだし。不満?」

 マリは激しく首を横に振りました。

「不満じゃない! オレも行く! 行きたい!」

「そう。じゃあ、これからよろしく。」

「よろしくね、マリちゃん。」

「よろしく。」

 満面の笑みでした。尻尾もぶんぶん振ってました。

「ヨーコ、セレナ、イデア。よろしくな!」

 僕と同じ、でも少し違う仲間ができました。これから楽しくなるかもしれません。楽しみです。でも…。

「ヨーコちゃんの股間に、アタシのマフラーが…。じゅるり。」

 背筋が寒くなるのはなぜでしょう。


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