表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
孤独に冷えたシンデレラ  作者: 雨瀬 詩雨
2/3

第二章¦孤独な気持ち

家に帰ると、真っ先に冷蔵庫へと向かう。

朝にコンビニで買った、八百五十円もする高いフルーツゼリーを保管しておくためだ。本当は学校で食べようと思ったが、そんな時間はなかったので、仕方なく家に持ち帰ることにした。

冷蔵庫を空け、空いている場所にゼリーを置く。

すると、その隣に『198円』とかかれたゼリーを目にする。

自分が買ったゼリーと比べ、明らかに値段の格差に戸惑い、私はその場で五秒くらい固まった。

呆然としていると、お母さんが背後に来て、「あら、いたの?おかえり。それからそのゼリー、あなたに買ってきたから、食べなさいね」

そんなことを告げられて、私はなんだか惨めになった。


(嬉しいけど、自分で買ったゼリーより安いから、このゼリー買わなくてよかったじゃん……)


お小遣いを無駄にしたと、酷く落ち込み自分の部屋へと移動した。

それからスマホを取りだし、LINEのトーク画面を開く。

が、友達登録をしているのはお母さんとお父さんだけだったので、誰からも連絡が来る訳もなく、すぐ閉じた。


「はあ、暇だなあ……」


机に顔を突っ伏し、ぼやいた。


「もうやだ……」


こんな生活がずっと続くのかと思うと、どうしようもなく嫌になった。

そんな絶望に浸っていると、部屋のドアが開いた。

雫音(しずね)、お母さん今出かけてくるけど、なんか欲しいものとかある?」


『そんなものあるもんか、ゼリーの値段の違いに落ち込んでるんだぞ?』

そんなことは言えなかったので「んー、じゃあバニラアイス」とだけ伝えた。


「そう、じゃあ行ってくるわね。お留守番お願い」


「はーい…」


それからバタンとドアが閉まり、私はふたたび絶望に浸っていた。


「……ゼリー食べるか」

10分くらい経過したところで、食欲が出てきたので冷蔵庫に向かった。


冷蔵庫を開けると、ふたつ並んだゼリーを見つめる。

それから、自分で買った八百五十円のゼリーを手に取ると、ため息を吐く。


「はぁ……」


落ち込んだ状態でテーブルの椅子に座り、蓋を開ける。


「いただきます…」と呟き一口食べてみると…


「ん?何だこの味は…」


今まで食べてきたフルーツゼリーよりも、不思議な味がした。

それもそのはず、高級フルーツを使っていたので、食べたことの無い味だったのだ。


「美味しいかも…」


さっきまで胸の奥にあった、罪悪感が少しだけ薄れた気がした。

フルーツゼリーを食べ終わると、私は特に何もすることはなかったので布団の中に入った。

それから天井の一点を見つめながら、今日来た転校生のことを考えていた。

(朔玖君、かっこよかったなあ……)

彼に近づく方法を考えてはみたものの、自分からアクションを起こせる勇気なんて微塵もなかった。

私は思考を止めるように、そっと目を閉じた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ