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レイクス戦記  作者: ゆう
旅立ち
42/99

幕間

幕間 「誓いと転倒と大いじり会」


宿へ戻ったヴィーナは、ベッドにダイブして毛布を頭からかぶった。


「……もうだめだ……一生の恥だ……」


「いやぁ~、あれはすごかったな!」

ナツキが机を叩いて爆笑する。

「“誓いの場で大転倒”って、前代未聞だぞ!」


「ふふっ……私も最初は固まっちゃったけど」

エリカが指を組んでにっこり。

「でも、あれで場がすごく和んだんだよ? だから安心して!」


「安心できるかぁぁぁ!!」

毛布の中から絶叫するヴィーナ。


「……事実は事実だし」

クロエが肩を竦める。

「少なくとも、“誓いの転倒者”って称号は確定ね」


「やめてぇぇ!!!」

毛布をばさっと剥いで飛び起きたヴィーナは、顔を真っ赤にして抗議する。


「そんな呼び方したら、一生笑いものじゃないですかぁ!」


「もう十分、笑いものだよ」

レナが淡々とトドメを刺す。


「レナさんまでぇぇぇぇ!」

ヴィーナはぷくーっと頬を膨らませて腕を組み、ふいっと横を向いた。


***


その様子を見たナツキがさらに煽る。

「なぁなぁ、“伝説の大転倒姫”ってどう? かっこよくね?」


「かっこよくないです!!」


「じゃあ、“ごろ寝ヴァルトニア”とか?」

「な、なんですかそれぇぇぇ!!」


「……“ドテン卿”」

クロエがぼそっと呟く。


「卿つけないでくださいっ!!」


「“黒雷の転倒者”なんて響きはどう?」

レナまで真顔で追撃する。


「ぜったい広まるううううう!」

ヴィーナは頭を抱え、ベッドに再び突っ伏した。


***


そんな彼女を見て、エリカが苦笑しながら背をさすった。

「でもね、ヴィーナ。あの瞬間、皆の顔が柔らかくなったの。

きっと“誓い”も、“転倒”も、どっちもヴィーナらしい証なんだと思う」


「……エリカ……」

顔を上げかけたヴィーナの耳元で、ナツキがにやりと囁く。


「よし、決まり。“ヴィーナ伝説:誓いの大転倒”。決して消えない歴史の1ページだな!」


「うわあああん!!!」

宿の一室に、少女の情けない泣き声と、仲間たちの笑い声が響きわたった

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