新たな旅路へ
第三十九話 新たな旅路へ
ヴィーナは、ナツキの純粋な瞳をまっすぐに見つめ、少し考えてから静かに口を開いた。
「聖魔法を学ぶためなら、私は行けません。でも…」
ヴィーナは、言葉を区切った。彼女の胸に、今まで感じたことのない、強い好奇心が湧き上がっていた。
「でも、もしよかったら…ヴァルトニア家を知る旅を、してみませんか?」
その言葉に、一同は驚き、ヴィーナを見た。
「父は、私に故郷や過去のことを何も話してくれませんでした。私は、父がどんな場所で、どんな風に生きていたのか、知らないんです。父が英雄として活躍したという場所を、この目で見てみたい。ヴァルトニア家がどんな家だったのか、知りたいんです」
ヴィーナの言葉に、ナツキは、興奮を抑えきれない様子で頷いた。エリカは、ヴィーナの秘めていた想いに、静かに涙を流していた。クロエは、ただ静かにヴィーナの言葉に耳を傾けていた。
レナは、ヴィーナの真剣な瞳を見て、静かに頷いた。
「分かったわ。私たちの新たな旅の目的は、『ヴァルトニア家の歴史を巡る旅』にしよう」
そして、レナは、地図を広げながら言った。
「ヴァルトニア家があったエルディナ聖王国に行くなら、いくつかの道がある。その中で、最も安全で、情報が得やすいのは、アルカディア王国を抜けていく道だ。アルカディア王国は、歴史と伝統を重んじる国だから、ヴァルトニア家に関する情報も、見つけられるかもしれない」
レナの提案に、誰も異論はなかった。
こうして、彼女たちの旅は、新たな意味を帯びて、その道を歩み始めた。




