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レイクス戦記  作者: ゆう
旅立ち
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旅路の始まり

第三話 旅路の始まり

翌朝、ヴィーナたちはイシュタルの北門に集まった。フォルネリア辺境侯国へ向かう馬車は、すでに用意されていた。頑丈な車体は、長旅に耐えるように頑強に作られている。ヴィーナは、レナ、ナツキ、クロエ、そしてエリカがそれぞれ持ち場に着くのを見て、あらためてパーティーとしての一体感を感じた。

「みんな、準備はいいかい? 出発するぞ!」

ナツキが元気よく声を上げ、御者に合図を送る。ガタンと馬車が揺れ、ゆっくりと進み始めた。イシュタルの活気ある街並みが、徐々に遠ざかっていく。ヴィーナは窓の外を眺めながら、心の中でレイクスに語りかけた。

『お父さん、私、冒険者として頑張るからね』

馬車の中では、早速会話が始まっていた。ナツキが面白おかしく最近の依頼の話をすると、レナが冷静に補足し、クロエがふふっと笑う。エリカは、最初は隅で静かにしていたが、ヴィーナがそっと水を差し出すと、小さな声で「ありがとう」と微笑んだ。

旅は順調に進み、その日の夜、一行は道沿いの森で野営することになった。レナが中心となり、手際よく安全な場所を選び、ナツキが率先して薪を集める。クロエは黙々と食料の確認をし、エリカは隅で人目を避けるように座っていた。

ヴィーナは、レイクスとの旅で培った野営のスキルを活かし、火を起こす手伝いをした。薪を組み、火打ち石で火花を散らす。すると、炎がパチパチと音を立てて燃え上がり、あたりに温かい光を広げていく。

「すごいね、ヴィーナちゃん。慣れてるんだね」

クロエが感心したように言うと、ヴィーナは少し照れたように笑った。

「はい。お父さんと旅をしていたので」

ナツキが興味津々といった様子でヴィーナに尋ねた。

「へえ、君のお父さんってどんな人なんだ? 強いのか?」

「…はい。私が見た誰よりも強くて、そして優しい人です」

ヴィーナはレイクスのことを思い出し、微笑む。レナは静かにその様子を見守っていた。

夕食は、レナが手早く作った干し肉のスープと、ヴィーナが用意したパンだった。まだ打ち解けきっていない雰囲気の中、皆は黙々と食事をとる。ナツキはレナの料理に不満そうな顔をしたが、クロエが彼女の分もスープにパンを浸して渡すと、不満げな表情は消えた。エリカはヴィーナから水を受け取ると、小さな声で「…ありがとう」と呟いた。

「明日からはいよいよ森の中だ。各自、気を引き締めていこう」

レナの言葉に皆が頷き、その日の夜は静かに更けていった。


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