表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レイクス戦記  作者: ゆう
旅立ち
22/99

謁見の準備

第三十一話 謁見の準備

大聖堂から宿に戻ったレナは、他のメンバーを集め、リランダからの伝言を伝えた。

「領主様が、私たちに謁見を望んでおられる」

レナの言葉に、ナツキが目を丸くする。

「えっ、あの領主様に? すごいじゃん!」

エリカも緊張した面持ちで、レナの言葉に耳を傾けている。クロエは、黙って事の次第を見守っていた。

「私たちは、冒険者として領主様にお目通りする。今回の功績は、私たちだけの力ではない。特に、ヴィーナさんの力が大きかった」

レナはそう言うと、皆の顔を見回した。

「領主様への謁見は、私たちパーティー全員の信頼に関わることだ。各自、自己紹介をしっかりとするように」

「分かった。明日の朝、ギルドの馬車で城に向かうそうだ」

レナは、皆にそう告げ、謁見に備えて身だしなみを整えるように指示した。

その夜、宿の一室は、かつてないほどの慌ただしさに包まれていた。

「えー、どうしよう! 私、服、これしかないよー!」

ナツキが、着古したレザーアーマーを前に頭を抱えている。

「大丈夫だよ、ナツキさん。きっと、向こうで貸してもらえるよ」

エリカが慰めるが、彼女自身も、いつもの魔法使いのローブしかない。

「貸してもらえるわけないでしょ! 領主様にお目通りするんだから、ちゃんとした正装がいるの!」

レナが、呆れたようにため息をつく。しかし、彼女自身も、これまでの旅で着古した服しかない。

「……ま、今から街に買いに行っても、開いてる店はないか」

クロエが、窓から外を眺めながら呟いた。

「じゃあ、どうするの、レナ? このままだと、私たち、すごく失礼になっちゃうんじゃ…」

エリカが、不安そうにレナを見つめる。

レナは、静かに考えを巡らせていた。その時、彼女の視界に、ヴィーナの姿が映った。ヴィーナは、いつも身につけている白いローブを着て、静かに座っている。そのローブは、他のメンバーの服とは違い、汚れ一つなく、神聖な光を放っているように見えた。

「ヴィーナさん。そのローブは、あなたの故郷のものか?」

レナの問いに、ヴィーナは小さく頷いた。

「このローブは、父がくれたものです。大切に、ずっと着ていました」

その言葉に、レナは、一つの打開策を思いついた。

「よし! 決めた! ナツキ、エリカ! 私たち、この格好で謁見に臨むわ! そして、この旅で得た、ありのままの私たちを、領主様にお見せするのよ!」

レナの言葉に、ナツキは目を丸くし、エリカは戸惑った表情を浮かべた。しかし、レナの決意に満ちた瞳を見て、彼女たちは静かに頷いた。

翌朝、四人は、いつもの冒険者の格好で、領主の城へと向かった。彼らの足取りは、もはや躊躇のないものだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ