4 魔法その1
魔法細かなの設定は、よくある内容なので。
慣れている方であれば、流し読みでもなんとなく理解できると思います。
そしてしばらくたった日、玉座に呼び出される。
「調子はどうだ?」
と太陽さんは言う。
「ええ。武術は少しずつ身についています。」
「まあ昼も夜も忙しいだろうが、がんばれ。」
と初日同様、この神様は気に食わなそうにしている。
「はじめはつらかったのですが。慣れてくれば、少しずつ楽しめるようになりました。」
「うむ、前向だな。」
「あとには引けませんから。」
そうなのだ、ここから引くには地獄に行くしかない。このままいけば任務はあるものの、異世界生活が待っている。
強くなって、異世界で罪を償った後。異世界での生活を謳歌する。
そんなことを考えて毎日を過ごしている。
「とにかく今日は前に言っていた魔法の件だ。」
ついに魔法を学べるみたいだ。
「お前の世界に魔法は存在しない。なので今回は異世界の住人だった者に来てもらった。」
というと脇に立っていた男が挨拶をする。
「お初にお目にかかる。私が魔法と神聖魔法の先生だ。」
とお辞儀をする。その人は人間ではなく、耳が尖ったエルフの様だった。初老の男性で、顔には皺が刻まれて、髪の毛は長く白くなっている。
生まれて初めて見るエルフがおじいさんだった。エルフと言えばお姉さん風の女性を想像していたから少しガッカリしてしまう。
それでも、しっかりと挨拶を返す。
「ヒロって言います。よろしくお願いします。」
とお辞儀をする。
太陽さんは楽しそうに言う。
「若い女ではないが、異世界でのトップレベルの魔法使いだ。とある事情で死んでしまったが。教師として優秀だ。」
エルフのおじさんは、笑いながら言う。
「まあ若いエルフとは転生後にきっと会える。だから心配するな。」
「そうですか・・・」
お姉さん風のエルフを想像していただけとは言え。失礼だったかなと考える。
「とにかく稽古場で魔法の練習を始めましょうか。」
と言われ一緒に稽古場に向かう。
到着すると、丁寧な説明が始まる。
「まず魔法とは。魔力を操る事。魔力を想像力や意志や魔法陣によってその形を変える事。又は他に影響を与える事を言います。」
「例えば魔力を火に変えれば火の魔法。水に変えれば水の魔法。こうして生み出した火や水は時間がたてば魔力に戻って霧散して消えてしまいます。永続的に影響を与えるには魔力を注ぎ続けるしかありません。」
「水の魔法で喉の渇きを潤せません。土の魔法で壁を作っても消えてしまいます。」
「ただし元々存在する水や土などを魔力で操れば話は別です。」
「火の魔法も同様で、一度木に燃え移れば燃え続けます。」
「さらに上達すれば魔法で運動エネルギーその物を生み出したりと、その他様々な事が魔法で出来ます。」
「基本的な性質はこんな感じです。」
魔力自体を操る。魔力で何かを操る。魔力で何かを生み出す。これらが魔法って事だと思う。
「次に魔力はどこから来るのか。」
「魔力を作る器官がある生物なら、誰でも魔力を持っています。」
「人もエルフも魔族も、馬も犬も、その器官さえあれば魔力は持っていますし生み出せます。」
「ただし、肺や心臓といった臓器ではなく、脳周辺から生成され、体全体に血管のように全身を巡っています。しかし血管のように実際に在るわけではありません。」
前世の体で魔法が使えないのは、この器官がないからとの事。
「ただ魔力に質量がないというわけではありません。濃密な魔力を操ることができれば、魔力自体で物を浮かせたりする事ができます。」
「強い魔力の持ち主の体に、時々生成されるのが魔石です。体内の魔力が凝縮され固まった物です。」
「自分の魔力が集まった物なので、体に不調をきたすことはありません。」
魔力とは分子レベルに細かい粒子なのかな?あまりピンとこないがなんとなく理解する。
「それではまず魔力を感じてみましょう。」
とエルフのおじさんが言うと。座らされ目をつぶらされる。
「自分の内側に意識を集中させてください。そして体の様々な部位に意識を移動させるのです。」
やってみる。するとなんかそんな気がする程度に感じる。
「なんか有る気はしますけど、これって感じではなくてもわっとした感じがします。」
「そう、その感覚が大切です。」
「体から体温や汗が外に出るように。魔力を外に放出してみてください。」
やってみると、汗をかいた後に体から湯気が立つような感じで魔力?っぽいのが出てる気がする。
「いいですね!」
「少しですが、意図的に体から魔力を出せていますよ。」
という感じで練習が続く。魔力は体から出すのも難しく、出した自分の魔力を体に戻すはもっと難しい。
100の魔力を100のまま外に出すのは難しく、外に出した魔力をすべて体に戻すのもまた難しい。
なので人間は杖を使い、魔力を外に出しやすくするらしい。
しかし必要以上に魔力が外に出てしまったり。杖に頼り切ってしまう。などのデメリットがあるらしい。
例えば杖に魔石をはめ込みその魔石を使うなどをすれば、持ってる魔力以上の魔法を行使できる。
ただ魔石は強力な魔物でもないか限り、生成されないので。そのような杖は珍しいらしい。
この魔力操作は練習すればするほど上達する。それとは別に長年訓練していれば、体が魔力に順応し魔力の出し入れが容易になっていくらしい。筋トレしていれば筋肉が増えて重い物も持ちやすくなる感じ。
こうして魔力に順応し、特別な変化を起こした生物を魔物というらしい。
この変化は人間らにも起きるがごく稀で。人間や亜人の場合、事例が少なすぎて正確にどうなるかはわからないらしい。
この辺で一旦練習が終わる。
「次に神聖魔法ですね。」
「これも魔力を使って、様々な現象を起こします。」
「実は神聖魔法とさらにもう一つ、暗黒魔法と言う物が存在します。」
「それらは聖魔法、光魔法、闇魔法、黒魔法、などいろいろな呼び方があります。」
「神聖魔法と暗黒魔法は、己の魂に強く影響を受けます。」
「一般的な魂では、両方同じように使えますが。魂が澄んで行くほど生成される魔力が神聖属性寄りになって、神聖魔法が得意になり、暗黒魔法は不得意になります。極端な場合は使えなくなってしまいます。その逆もまた同じです。」
「今の教会のトップ層に強い神聖魔法の使い手が居ないのはこのためでもあります。」
太陽さんが言っていた断罪の魔法。
この魔法には強い聖属性の魔力も必要。
だからこの魔法が廃れた理由には教会のトップ層の魂が穢れてい事も一因となる。
さらに、断罪の魔法を教会のトップが秘匿し、その魔法の取得方法を消し去ってしまった。
つまり太陽さんの話も合わせると。
断罪魔法の使い手が居なくなったのは大きく二つの理由があり。
一つ目はエステラ王国の魔法使いの減少。
二つ目は教会側の魂の穢れと取得方法を消し去った事。
という事だ。
教会のトップ層が悪事を働くには断罪の魔法は無い方が都合が良いらしい。
教会のトップ層が汚れてくると、貴族らも影響が出てくる。
つまりその魔法の使い手が現れれば、状況は少なからず動く。しかし今現在は教会にとってその魔法の使い手は邪魔でしかない。なので教会から刺客が来る事は確実だろうとの事。
異世界の状況も教わりつつ、訓練をするがやることはあまり変わらない。
ただ魂の穢れはどうとかって話は気になる。
「私は大罪を犯しましたが。そんなん人間でも神聖魔法を使えるでしょうか?」
「魂の状態と犯す罪の重さは、完全に比例しているわけではありません。」
「魂が穢れていると悪いことを考えがち。悪事を行いがち。」
「魂が綺麗だと善い行いを考えがち。善い行いをしがち。というだけです。」
「なのであなたに神聖属性の才がないとか、魂が穢れ切ってしまっているとか。善い行いをしても無駄なんて事は決してありません。」
「どれだけ穢れた魂も、心を入れ替え真面目に善行を積んで前向きに生きていると、次第に魂は澄んでいきます。」
「もちろん逆もまた然りです。」
自分の魂は穢れきってしまったのかと、落ち込みそうになったが。暖かい言葉を貰った。
おかげで少し前向きになれた。
というかそうでもなければ、私に断罪の魔法を教えるって考えに至るはずもない。
「誰かのために、なにかをすることが善行ですか?」
「そうですね。もちろん本当にその人のためになる事が大切です。表面上の良い事ではなく、根本的な改善促し、助けることが善行なのです。」
「浮浪者に小銭を渡すのも良いですが。浮浪者に仕事と住む場所を提供できるのが一番いいですね。」
「転生後に善行を積んでいれば、必ずいつか高難易度の神聖魔法を使えるようになります。」
なかなか簡単に、魂は変えられないが。努力次第でどうにかなるとの事。
こうして初めての魔法練習は終わった。
武術と魔法の鍛錬の日々は続く。
魔法関係の説明は誤解が生まれない様にちょいちょい修正します。
なるべく矛盾が無いようにしてますが、なにかあればご指摘ください。
結局はファンタジー設定なので、その辺もご理解ください。