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27 町への道中1

一気に大所帯になりました。

 次の朝

日が昇る前に起きて日課の素振り。

その後、昨日ユキ達が狩った小さい方の鳥を焼き、

昨日アーロンたちが収穫した野草や果物を適当に切って食べる。

ちなみに5人は食事中アンナにサラッと自己紹介した。

「小さい魔物もうまいっすね!」

カールが元気な声で言う。

「皆が採取してくれた果物もおいしいね。」

俺。

5人とも散々肉を食いまくって良く寝たおかげで元気になった。

「そういえばハンターって素人でもなれるのか?」

皆に質問する。

「なるだけなら問題ないらしいですよ。」

「ただ、成ってから昇格するのが大変らしいです。」

ブレッドが教えてくれる。

「そっか、なら町まで行ってハンターになってから色々考えようか。」

つぶやく。

「はい、ちなみにどこのハンターギルドにも訓練場が併設されているらしいですよ。」

ブレッドが付け加える。

「ならその訓練場を借りて色々と訓練しようか。」

「はいそれでいいと思いますが、その訓練場で魔法は使わない方がいいと思うのですが?」

「魔法の練習は人目につかなさそうな場所を探すしかないか。」

町まではまだ数日かかるはず。

肉の量を気にしつつ移動しよう。

早々にキャンプを片付けて5人を馬車に突っ込み道を進む。


「座ってるだけだと暇だろうから、魔法の練習でもするか。」

後ろを向かずに声をかける。

「え?でも杖とかは?」

アンナが質問してくる。

「杖?」

「欲しいんならその辺のいい感じの枝でも拾っておけば?」

そんな風に答える。

すると全員面白い顔になる。

「ん?どした?」

「魔法を使うのに職人が作った杖は必需品では?」

アンナが答える。

5人もうなずいている。

「んなわけあるかい」

つい軽く突っ込みを入れてしまう。

あれ?

誰かが言ってた気がする、この国の人間は基本的に杖を使うとかなんとか。

エルフの爺さん師匠だったっけ?

「え!?」

みんな呆然としてる。

これはあれだ。

魔法の知識を得るには教師や魔導書などやたら金がかかると神の国で聞いたが。

それが悪化して遂には貴族が独占している。

貴族らが魔法を独占しているせいでその辺の知識が広がってない。

魔法を使える貴族、魔法を使えない市民。

この構図を維持することで貴族が支配力を強めてるのだろう。

だから魔法を使える、もしくはうっかり魔法を使えてしまった市民は、

貴族に取り込まれるかこっそり処分される?

皆が魔法を使えることを隠せっていうのはこういう事だからだろう。

とにかくその弊害として魔法の技術や知識がほとんど発展しない。

それどころか一部は衰退している。

その例がこれ。

魔法は杖がないと使えないという間違った一般常識。

そして神が直接裁きを下すというびっくりトンデモ魔法の消失。

って事なので手下もしくは仲間になる皆には正しい知識を教える。

「今から教える事はこの国では非常識かもしれないな。」

「非常識に両足を突っ込む準備は出来ているか?」

と、ふざけてちょっと怖いそうな声色で話す。

「はっはい・・・」

とアーロンが声を震わせながら言う。

思ったより皆ビビってる。

「よし、まずは魔力を感じる事から始めよう。」

手綱を握り前を見ながら皆に話す。

「目を瞑って体の中の魔力を感じてみろ。」

まずはこれから。

「胸の中か腹の中辺りに何かを感じるはずだ。」

皆難しい顔をして「むー」とか「んー?」とか言っている。

村人たちや全滅させた盗賊達と比べて、6人共魔力は高めだ。

魔物の肉を食って元気になったお陰か魔力が昨日より高まっている。

だから身の内の魔力に気付けないって事は無いと思う。

最初はブレッドが、そしてすぐにディーンとエディー。

他の三人もほどなくして魔力を感じ取れたらしい。

ちゃんと意識すれば意外と簡単に感じ取れるはずだ。

しかし知識が無ければわからないし、気のせいかで済ませてしまう。

なので先生の教えがないと普通は魔力を感じることは難しい。

「おおぉー!」「これかー!!」

などと皆さんギャーギャー騒いでおります。

「おーい、まだ初歩の初歩だぞ。」

「興奮しすぎだ。」

「次はそれを体の中で動かしてみろ。」

「頭とか足とか指の先とか。」

暇だし俺も訓練する。

これは何時まで経っても重要な訓練だったりする。

例えば右手から魔力を放出して魔法を発動させる事に慣れてしまった場合。

利き手みたいな感じになってしまい、

左手や他の部位から魔法を発動させることが難しくなる。

そうなってしまった場合、右腕が吹き飛んだら魔法を使えなくなる。

なので普段から右手だけでなく全身から魔力を出せるように訓練するのだ。

その初歩として、まずは体の中で自在に魔力を操れるようにする。

次は体の外の魔力を操れるようにする。

体の中と外では格段に難易度が変わってくるのでこの6人にはまだまだ早い。

ちなみに【探索】の魔法簡単な方と難しい方では、天と地ほど難易度に差がある。

で、今やらせている訓練は魔力を放出しないのでその前段階の訓練だ。

「色々やってるうちに体の中に流れている魔力が分かってくるはずだ。」

この国ではなぜ貴族が魔法を秘匿出来ているのか、

そんな疑問を持つ程度に魔法は意外と簡単なのだ。

暫くして皆を見る。体内の魔力をどうにか操作できるようになったようだ。

「この練習は毎日しておきなさい。」

先生っぽく言ってみた。

「次は体内の魔力を両手に集中させて体の外に出す。」

「それと同時に手の平の上に光をイメージする。」

「想像力とか願いとか思いとかそういうのが大事だ。」

魔法は意外と精神論的なところがある。

もちろん日々の鍛錬や魔力量と魔力操作の技術も大事だが。

想像力や思いが魔力を光や火や水にするのだ。

そして癒したいという願いや愛の様な思いが回復の魔法になる。

そうしてしばらくすると隣から光が漏れてくる。

「はわぁーーー!」

「できましたーーー!!」

アンナはとびっきりの笑顔で大喜びしながら俺に言う。

後ろにも光が届いたのか後ろの男たちも「おー!」とかんとか。

「よくできました。」

そう言いながら頭をグワングワンと乱暴に撫でまわす。

「やったー!」

よっぽどうれしかったのか大喜びだ。

「次はもっとスムーズにやれるように練習だな。」

うんうんと言って嬉しそうにアンナは練習に励む。

俺は魔力を出したりひっこめたり。

体から出すのは楽だが体内に戻すのはすこぶる難しい。

未だに魔力のロスが多い。

エルフの師匠ですら多少のロスは在るらしい。

初心者はまず上手に魔力を出せるようになる所から。

なれてないうちは魔力を100出そうとして、どうにか10出せるかどうかだ。

そしてうまく魔力を10出したとして魔法の発動に慣れていないうちは、

10の魔力を1の魔力分の威力の魔法にしかならない。

あくまで例えだが何をするにも慣れないうちはロスが大きいのだ。

そのロスを練習で埋める。

その後まあまあ時間が掛かって5人共光の魔法を発動できた。

大の男が5人そろって大喜びだ。

「おーい、馬車の中であんまり暴れるなよ~。」

ちなみに一番早かったのはブレッドだった。

一番最後はカール。

短期間だがブレッドはインテリっぽくて、

カールは脳筋っぽかったのでなんとなく予想通り。

「まあ、簡単なのは光、風、水、火、土、の様な身近な物を使う魔法だろうな。」

「馬車の中ではあまり変なの出すなよ。」

「中で練習するなら風か光辺りだな。」

その後しばらくは、横から後ろからそよ風だの光だのピカピカそよそよ。

昨日採取した果物をみんなでかじりつつ無駄話をしつつ練習をする。

「ゼェー・・ハァー・・」

後ろから荒い息づかいが聞こえてくる。

「魔力を切らしたんだ。少し休めば戻るよ。」

アンナも疲れたらしく馬車の荷台で座っている。

ちなみになんで魔力がなくなると倦怠感や疲れが出るかって言うと、

この世界の生物は魔力が有るのが普通でちょっとした動作にも自然と魔力で微妙に補助をしてたりする。

完全に無意識で自然にやっているので実は身体強化の超超超劣化版なことは誰も知らない。

本当に劣化版なので普段生活をしていて魔力が減っていってしまう事は無い。

そんな中、体の中の魔力がなくなってしまうと、

いつもより体が重く感じて倦怠感を感じてしまうのだ。

後は単純にいつも体にある魔力がなくなってしまうので、

気分的に物足りない感じになって疲れた気がしたりする。

精神的に疲れた時の様な感じかな?

なので魔力が枯渇した状態で体を使った訓練をしておくと、

魔力がなくなって疲れたりすることは無くなる。

それにしっかり魔力の操作と制御をできるようになると、

普段自然に勝手にしてしまっている身体強化をしなくなる。

そもそも前世の世界に魔力が無かったので俺ははじめっから倦怠感はあまりなかった。

魔力がなくなると動けなくなるとか致命的な弱点なのでさっさと克服した方がいいのだ。

「まさか移動中の馬車の中で魔法を使えるようになるとは・・・」

アーロンがぶつぶつ言っている。

「非常識に両足を突っ込むとはよく言ったものですね。」

「常識が見事に崩れていきます。」

ブレッドもつぶやく。

「でも面白い。」

ディーンが言ってエディがうなずく。

「まだまだ序の口だから楽しみにしておくといいよ。」

その後6人はひたすら魔法を使ってはしゃぎまくり、

魔力切れになってぐったりするのを繰り返す。

そしてしれっと風の魔法を使っている子犬達2匹が見えた気がしたが気のせいだ。


日が暮れる前にキャンプ地を決めて野営をする。

薪になりそうな枝を集めて拾ってきた枝を組む。

「よし、だれか火を起こしてくれ」

俺がそう言うとアンナが「フン!」と気合を入れながら魔法を発動しようとする。

そこにびっくりどっきり茶々が入る。

「ワン!」

と言う鳴き声と共に横から火が飛んで来て焚き木に火がともる。

「え!?」

と言うアンナの声に合わせて全員が鳴き声の主の方を見る。

その視線の先にはうちの可愛い可愛いワンちゃんの内の一匹。

「エンか?」

エンはかわいくて誇らしそうな顔で「わん!」ともう一回なく。

俺はエンをこねくり回す。

「ありがとー!よくできたなー!よしよしよし!」

ちょっと悔しそうなアンナを横目にひたすらこねくり回す。

つーかこの双子はやっぱり魔法使えるんかい。

スイも我慢しているが撫でてほしそうにしている。

「スイは後でユキの体を洗うのを手伝ってくれるか?」

俺が言うとスイは嬉しそうにうなずく。

お手伝いをすると撫でてくれるとわかってるんだろう。

うちの子は皆そこらの人間より頭いいからな。

その後食事を終えてユキの体を洗う。

「スイ!水魔法をユキにかけてくれ。」

俺がそう言うと魔法で水を作り出しユキにジャバジャバとかけていく。

初めてにしては出す水の量が多い。

やっぱりうちの子は天才だったようだ。

マントと上着を脱いでこのでっかい馬体を洗う。

ブラシでごしごし、顔は慎重にたてがみと尻尾も丁寧に洗う。

体中をくまなくゴシゴシ。

「かゆいところはございませんか?」

馬車とつなぐベルトの辺りがかゆいらしい。

ゴシゴシシャカシャカ。

足の付け根などデリケートな部分は優しく。

ユキも顔が緩んでて気持ちよさそうにしてる。

アンナたちは焚き木を囲んで雑談してる。

何が好きとか無難な会話をしてる。

道具で水を切って、布で水分をしっかり拭く。

ちゃんと拭かないと気持ち悪いらしいので丁寧に拭き取る。

エンが熱風を吹かせてお手伝いしてくれる。

たてがみがさらさらと綺麗になびく。

しかしこの子らサラッと魔法を使うようになっちまって。

やはりうちの子は天才だな。

しっかり乾かした後は餌を手わたして食べさせる。

もぐもぐ食べて俺の手までペロペロ舐める。

ユキは前歯の歯釘をゴシゴシされるのが好きだ。

だらしない顔になっててかわいい。

その後は皆の輪に加わりスイとエンをこねくり回したりロープを引っ張り合ったり。

結構大きくなったので力も強くなった。

2匹同時に引っ張られるとちゃんと力を入れないと引きずられてしまう。

アンナもロープの引っ張り合いをしたが軽々と引きずられていた。

「大きくなったな。」

と言いながらわしゃわしゃする。

スイを多めにこねこねわしゃわしゃ。

撫でる時は手から魔力を出しながら撫でるとすごく喜ぶ。

俺の魔力を餌にでもしてるんだろうか?

「犬が魔法を使うなって聞いたことないですね。」

ブレッドが呆れながらつぶやいている。

「俺たちのを見て真似したんじゃないか?」

とカールが答える。

「ですが、貴族の方が杖と魔法陣で魔法を使えるようになるには、

 それなりの訓練が必要と聞いたことがありますが。」

「私たちもそうですが、こんなに簡単に魔法を使えるようになるなんて・・・。」

アンナが言う。

「普通はもっと時間かかるのか?」

俺。

「はい、杖はともかく魔法陣と呪文を使ってもうまく発動できない人がいるらしいです。」

「通常は訓練を初めて1週間ほどで苦手な人は一か月以上かかることも有るとか。」

アンナは真面目な顔で説明してくれる。

「じゃあ君たち6人とこの二匹は天才的な才能を持っていたことになるね。」 

みんなすごいね!

「・・・」

「それか天才的な教師のおかげですね。」

アーロンが俺を見ながらそんなことを言う。

「まあ、この国にまともな比較対象が居ないから何とも言えないよな。」

天才的な教師とか言われるとこっぱずかしいね。

そしていつも通り就寝する。

魔法の事を色々書きましたが書いていて自分でもよく解らなくなってくるので、

もしかしたら整合性がとれてなかったりおかしな所が有るかもしれません。

そうなれば後付けでどうにかしようと思います。

なので暖かく見守っていただけるとありがたいです。

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