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26 肉食べる

狩った魔物の実食です。

果たしてうまいのかまずいのか。

 キャンプ地に戻ると、なんと体長1mほどの鳥?みたいなのが複数体死んでいた。

見た感じこっちもダチョウとかエミューの様な走鳥類だ。

頭には大きな蹄の跡、中には喉元に犬の噛み跡がある奴もある。

「戻ったぞー」

「って、なんだこれ?」

取り合えずアンナに聞いてみる。

「なんか狂暴そうな鳥さんたちが猛ダッシュで襲って来たんです。」

アンナは興奮した様子で説明する。

「ですが、ユキさんやスイちゃんにエンちゃんが全部退治してくれたんです!」

さらに鼻息を荒くしてまくしたてる。

ユキの方を見るとどうでもいいと言わんばかりの顔でその襲ってきた鳥をもぐもぐ食べてる。

「馬って肉食べないよな?」

などとアーロンたちは話し合ってるが気にしない。

そしてスイとエンは自信満々な様子で、自分で狩ったであろう鳥を前にお行儀よくお座りしている。

「お前たちも戦ったのか?」

俺がそう言うと二匹はウンウンと言わんばかりに首を縦に振る。

俺は全力でほめて撫でまわす。

「そっかー!偉いぞーよしよしよし」

全身もみくちゃにする。

全身撫でるついでに怪我がないか確認する。

「怪我はなかったか?」

もみもみなでなで。

二匹とも特に怪我はなかった。

一通り撫で終わった。

「さて、早速これ全部解体しようか。」

と散らばった鳥を集めている6人に言う。

「どれからバラしますか?」

とアーロン。

「小さいのとデカいので二組に分けようか。」

って事で分割。

俺、アーロン、ブレッド、カールでデカいやつ。

アンナ、ディーン、エディで小さいのをばらすことにした。

まずはでかい鳥と猪の血抜きのためにデカくて丈夫そうな木に紐でぶら下げて血抜きをする。

「しかし、このデカい猪は魔物化した猪だろうけど、このデカい鳥には名前とかあるのか?」

何となくつぶやく。

「この地上を走るタイプの鳥の魔物は何種類かあるらしいですね。」

とブレッドが答えてくれる。

「へー、あの小さい方の鳥も飛ばない走る鳥だろ?」

俺。

「そうですね。あの小さいのが群れるタイプで、この中くらいのが群れないタイプの鳥だったと思いますよ。」

ブレッド。

2mくらいあるのに中くらいなんだな。

「小さいのは町で貴族以外も時々食べたりするらしいぜ。」

カール。

「ほえー、うまいんか?」

アーロン。

「さぁー?その辺の家畜よりうまいと聞きいたけどホントか分らん。」

カール。

「まあ、食ってみりゃわかるだろ?」

俺。

「でも、全部食い切れませんし馬車に乗りきらないのでは?」

アーロンが大猪とデカい鳥を見ながら言う。

「あー・・・、その辺の事はどうにかするから気にすんな!」

魔法の事を誤魔化そうにもどう誤魔化したらよいのやら。

誤魔化さないで伝えるってのもありだよな?

武術だけじゃなく魔法なんかも教えられるようになるし。

そしてふとアンナの方の解体の進み具合を確認する。

アンナは鳥の毛をむしり取って袋に詰めていた。

「それは何に使うんだ?」

質問してみる。

「この鳥の羽は布団にするのと、他とで分けています。」

「へー布団か。」

「そうです、まあこの数では一人分にも足りませんけどね。」

「そうなんだ。」

「はい。なのでこのまま売るか、取っておいてちょっとづつ集めるかですね。」

「そっか、取っておくのもありだな。」

「まあ頑張ってね!」

「はーい!」

そして作業に戻る。

こっちもデカい鳥の羽もむしったり内臓を取り出したり色々作業をする。

大猪の皮も丁寧に剥ぐ、内臓に関しては可食部を分けて他は捨てる。

ジャックさんにもらったデカい斧は人間を捌いたので気分的に使わない。

やっぱり魔物に寄生虫などは見当たらなかった。

色々やっているうちに日が傾き始めた。

デカい方の解体は終わった。

「大方終わったか?」

「ハイ、数は多かったですがどうにか終わりました。」

アンナは山盛りになった鳥肉を指さして答える。

「んじゃ早速食べましょうか」

俺がそう言うと皆の目は輝き始める。

食べ方は昨日と同じく串焼き。

フライパンとか金網とかないから必然的に串焼きになる。

「俺はスープか何かを作るので、皆さんはお肉を焼いてもらっていいですか?」

「ブレッドが上手いから二人に教えてもらってやりますよ。」

とアーロン。

って事で俺は野菜とお肉たっぷりのスープを作る。

小さい走鳥類の肉を切って鍋に入れて火を通す。

野菜を入れて味付けして煮込む。

今回はトマトスープっぽくした。

アーロンたちはでかい方の鳥の肉を大きめに切って串に刺して焼いている。

脂が滴っていておいしそうだ。

でっかい金網かフライパンとかあったら便利だな。

出来たスープをスープ皿に入れて配る。

肉もちょうど焼けたみたいだ。

「ちょうどできましたよ。」

ディーンが俺の分をくれる。

スイとエンは肉の塊をそのまま渡す。

「このままでいいのか?」

「ワン!」

これでいいそうだ。

「さて皆食べようか。」

アンナも目をキラキラさせている。

肉の大きさはアンナの顔くらいある。

「いただきまーす。」

皆でお肉にガブッ。

柔らかくてジューシーで最高です。

味はあえて薄味にしてあるのかそのおかげで肉の味がしっかりわかる。

臭みはない。

「全然臭みが無いな。」

ぼそっとつぶやく。

「そうでふねほいしいでふ。」

ともごもごしながらアンナが答える。

「口に物を入れたまましゃべるな。」

お行儀が悪いので注意する。

「初めて食べましたが本当においしいですね。」

ブレッドも気に入ったようだ。

ちなみに他は感動したのか無言でもぐもぐ食べ続けている。

「足りなかったら好きなだけ食べていいからな。」

無くなればまた狩ってくればいいしね。

俺がそう言うとアンナ以外の全員スピードアップした。

よっぽど腹を空かせていたのだろう。

明らかに普通の動物よりおいしい。

村では普通の鹿やら猪やらをよく食べていたが、

それに比べてこの鳥はすごくおいしい。

アンナと俺以外は全員バクバクと食べ続けている。

スープも底をつき、肉もデカい鳥を一頭食いつくす勢いだ。

肉と野菜を食ったせいか、食った肉が魔物の肉だったからなのか。

瘦せこけた五人は血色が良くなり、心なしか肉付きも良くなった気がする。

「魔物の肉だからか?」

俺はその様子を見て、そう小さくつぶやく。

まあ・・・健康になるのであれば、どうでもいいか。

「ごちそうさまでした!!」

デカい鳥を一匹丸ごと食いつくした所で五人全員そろってお礼を言われる。

「腹いっぱいになったようだな」

俺は5人の様子を見ながら言う。

「信じられないくらい食べましたね」

アンナも目をまん丸にして驚いている。

「久しぶりに腹いっぱい食べました。」

「ありがとうございます。」

それぞれがお礼を言ってくる。

「一応仲間にするって言ったしな。」

見違えるほど健康的な姿になった気がする。

「さて食った後はその小汚い体を綺麗にするぞ。」

「お前ら全部脱げ!」

って事で洗浄します。

アンナとお湯を馬車の中に放り込み5人と2匹を並べる。

「水勿体なくないですか?」

アーロンが言う。

「まあ見ててくれ。」

そういって、素っ裸になった5人に魔法の水をぶっかける。

「ぼばばばばばぼばおば」

5発同時に魔法で放水する。

「ばぼおぼぶばべぶぼべぶば?(まほうをつかえるのですか?)」

誰が分からんがそんなことを言ったみたいだ。

「そうだよ、ここに居るメンバーだけの秘密だぞ。」

「ばばびばびば(わかりました。)」

って事でさらっと魔法の事を白状してしまった。

こいつらがどれだけ信用できるか分らんが、

どうせチクられても盗賊崩れの戯言として処理されるだろとたかをくくってみる。

「しっかり言う事を聞いていれば使い方を教えてやるぞ。」

「べびびぶべばぶばべばいぼべば?(平民には使えないのでは?)」

「そんなわけないだろ、誰でも魔力が有る奴は使えるよ」

「多分だけど犬でも馬でもスライムでも練習すれば使えるよ」

俺がそう言うとスイとエンにユキまでも興味ありげに俺の方を見る。

しかし俺は5人の体を綺麗にする事に気を取られていてきずかない。

ちなみに魔法の水を聖属性寄りにしているので、

ちょっとした疲労回復くらいにはなる。

一通り洗い終わったら、【浄化】の魔法をかける。

毒とかちょっとした病気とかに効く。

「風邪ひかない様に体を温めながら拭いておけ。」

そう言いつつしまい忘れていた、肉を【収納】にしまう。

「【収納】魔法も使えるんですか!!」

やっぱり驚いている。

「【収納】ってそんなに珍しいのか?」

皆驚くから聞いてみた。

「魔法は時々貴族が使っているのを見る事が時々あります。」

「ですが【収納】を使える人の噂すら聞いたことがありません。」

「せいぜい過去の偉人くらいなものです。」

「へぇー、そんなにか。」

「はい、普通なら貴族に連れ去られて馬車馬の如く酷使させられてしまいますよ。」

「俺の事を貴族にチクるか?」

「戦う術と魔法を教えてくれると言われました。」

「その上、飢えていた唯の盗賊の俺たちに魔物の肉を腹いっぱい食わせていただきました。」

「そんな人を売るなんてこと出来ません。」

「そっか」

なんか弱みに付け込んだみたいになっちゃったかな。

しかし俺はただ道端のチンピラの根性を叩き直すだけだし・・・まいっか。

5人が体を拭いて温めている間、スイとエンを洗う。

あの小さな鳥と戦ったらしく、体は結構汚れていた。

ビチャビチャにしてわしゃわしゃにする。

スイは大喜び、それに対してエンはビミョーな顔になってる。

「エンは水浴び嫌いか?」

エンはコクコクと嫌そうな顔でうなずいている。

スイはいつも冷静な雰囲気なのにはっちゃけている。

犬用のブラシは無いのでユキ用のいい感じのブラシでごしごしする。

水洗いした後、乾かす用の風魔法で乾かす。

二匹とも柴犬の成犬サイズくらいに成長した。

ホントにこいつらは白くてフワフワでかわいいな。

なんかこいつら魔力が高めな気がする。

他の個体はこいつらの母犬しか知らないが。

現時点で母犬よりもはるかに魔力が高い。

可愛いからそんなことはどうでもいいけど。

って事で一通りみんなの体を洗った後、俺の体も洗う。

魔物を二体倒したのでちょっと血の匂いがする。

なんか5人の視線を感じるが気にせず洗う。



以下五人の小声談義

「声と体型でなんとなく男じゃないかと思ってたけど。」

「ああ、しっかり男だったな。」

そういって皆でうなずいている。

「この辺りの人種じゃないし顔もなんかやたら美形だしどっちか分からなかったんだよな。」

「うんうん」

「男っぽい女なのか」

「女っぽい男なのか」

「俺たちの身長はこの国じゃかなりでかい方だけど、あの人も同じくらいデカいよな。」

「うんうん」

「てか、魔物の肉って初めて食ったけどすごいな。」

「ああ、なんかいきなり元気になったし。」

「そういえば王都に行くために身分が欲しいって言ってたけど」

「やっぱ外国人か?」

「知らん」

「知らん」

「知らん」

「知らん」

「うん、まあどうでもいいか。」


体を洗い終えて服を着てさっさと寝る。

今日も俺とユキで夜番をする。

「ほんとに良いんですか?」

アーロン。

「良いよ。俺とユキはこういう体質だから気にすんな。」

全員が寝ている間、いい感じの固さの木を探して魔法で切断する。

専門家ではないので木材は雰囲気で選んだ。

そしてその木を適当な大きさに切り訓練用の木剣と木刀を多めに作る。

そして木で訓練用の槍も作る。

訓練用と言っても先を尖らせれば最低限使える。

魔法でやすり掛けもする。

武器はあの盗賊の中にいた奴らの装備を使わせようと思う。

立派なロングソードと革製だがしっかりした防具。

サイズ感も大きくは違わないし間に合わせにはなるだろ。

ただ俺は刀は使えても剣の方はいまいち中のいまいちだ。

多少は神の国のエルフのおじいさん師匠から習ったが刀や薙刀ほどは使えない。

だから困ったら色々混ぜてそれっぽく教えてやればいいか。

まずは体力作り、そして素手での戦い方と剣。

そして魔法と神聖魔法。

ハンターとして人様のために真面目に仕事をすれば、

魂も綺麗になって行くだろうとのガバガバで大雑把な計画。

そうなればあからさまな悪人にはならない筈。

魂が聖寄りか闇寄りかで結構個人の行動に影響する。

とエルフの師匠や太陽さんが言っていた。

だから根性を叩き直す、つまり魂を聖属性寄りにする。

という事になる。

ここからどうしようか?

ある程度鍛えてから町に入った方がいいのか?

町に入ってから鍛えた方がいいのか?

今の状態だと本当にただの素人集団だし、いきなりハンターになれるのか?

ハンターは動物や魔物さらには人間を相手にするとの事らしい。

だからある程度鍛えておかないと、ハンターになる事すらできないのでは?

こいつらを鍛えると言っても我らがお嬢様を王都に送らなきゃいけない、

鍛える時間もじっくり取れないかもしれない。

最低限の体力作りをしつつ剣や槍なんかをちょっとづつ教える?

そうして実力を上げつつ王都に入るための最低限のランク?クラス?まで上げる。

その辺りが出来れば一先ずいいかな?

ユキが起きて来たので作った木剣なんかを【収納】しまって双子を抱いて眠りにつく。

何でほとんどの物語で魔物の肉はおいしいって設定なのでしょうか?

この物語では後々気が向いたら説明を入れるかもしれません。

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