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15 森でお散歩

楽しくお散歩します。

 今はジャックさんとマーシーちゃんとで森を散策している。

エリーさんは家で手作業をしながら母犬を見てくれている。

「あたし森歩くの久しぶりだ!」

とマーシーちゃんが言う。

「わざわざ森に入ることも少ないからな。」

今日は午前中の内に畑や家畜の世話を一通りした後。

森の事を教えてもらうために三人で散策している。

実は昨夜ジャックさんに熊の魔物の話をした。

その時それとなく毛皮の加工をお願いできないか聞いてみたのだ。

するとジャックさんとエリーさんはあっさり了承してくれた。

逆になかなか触る機会が無いという事で喜んでいたほどだった。

そうとなれば早速という事で材料集めをすることに。

毛皮を鞣すのに特定の木や植物を使うらしい。

しかしここ最近は鞣しの仕事をしていなかったので在庫は無いとの事。

なので材料を手に入れなければならないのだが。

実はその材料は、村周辺の森で手に入るそうだ。

今日はその材料集めという事だ。

そして鞣しに使う材料を採取するついでに森の事を教えてもらう事になった。

「通常の材料なら、鞣すだけで何か月もかかるんだ。」

「そこで特別な材料を使う。それを使用すると鞣しの期間は短くなり毛皮の質も良くなるんだ。」

「そんな超便利な物があるんですか?」

「ふつうの材料は村の周辺にあるんだが。」

「しかしその材料は村の近くにはない。それに果実が毒なので注意しなきゃならんのだ。」

と説明してくれるジャックさん。

「あっ!それ聞いたことある。」

とマーシーちゃんが言う。

「なんか、毒があるから村の近くにあったその木を切っちゃったって!」

「誰かが誤って食べない様に切ってしまったんですか?」

「そういう事だな。少し深く森に入ればその木は生えているので材料に特に困ることはなかったのだが。」

「最近は畑仕事だけだったから、どこにあったかな・・・」

結構うろ覚えなようで取り合えず森を探索する事になった。

ちなみにユキも荷馬車を引いて一緒に散策している。

「まあ過食か非過食か見分けるっつってもこの辺の果実は一種を除いて無害だから気にせず食べて問題ないぞ。」

「毒があるのは鞣しの材料に使うやつだけですか?」

「そうだ、それだけだ。」

そこにマーシーちゃんが口をはさむ。

「とにかく色々取って食べてみようよ!」

「そうだな。色々有るからとにかく食ってみろ。」

ってことでとにかく手あたり次第、味見をしていくことになった。

「ん~!うまっ!!」

「おいしー!」

「やっぱり土が良いからなのか野生の果物もうまいんだよな。」

と三人とユキはみんなで味見する。

甘くておいしい。

ユキもおいしそうに食べている。

「ユキ!うまいか!?」

ユキも気に入ったようだ。ひょっとしてユキは甘党かな?

「この果物はこの国のほとんどの場所にあるから覚えとけ。」

「はーい」

「ん?」

そんな話をしていたら、ユキの足元に蛇が居た。

するとジャックさんは叫ぶ。

「おい!そいつは毒蛇だぞ!」

「気を付けろ!」

すぐ魔法を放とうとする。

しかし冷静にユキが動く。

プチ!!

蛇が反撃する暇もなく前足で蛇の頭を踏みつぶすユキ。

「普通の馬って蛇を怖がるんだけどなぁ・・・」

「すごっ!」

2人とも驚いている。

「まあいつも通りのユキですね。」

と言ってるとユキは蛇をムシャムシャ食べ始めた。

「ちなみにユキは肉も行けちゃいます・・・」

「ほんとだ・・・」

「最早馬っぽい何かだろ・・・」

転生前の事。あまりにユキが狂暴だったので、師匠らが面白がって肉を与えていた。

そのおかげでユキは踏み潰した蛇をそのまま食べれるようになったらしい。

「ユキはまぎれもなく馬ですよ!・・・多分」

って言っておくが俺もユキの生態はよくわからん。

「とにかく、さっきの毒蛇は滅多に見かけないが気を付けろ。」

すでにユキのお腹の中だが体色は不気味な紫の模様があった。

「あの色が目印ですか?」

「そうだ。この辺じゃあんな色してるのはアイツくらいだからわかりやすいだろ。」

「にしてもユキちゃんすごい。」

毒をもった生物はこの辺に限り珍しいとの事だった。

ちょっとした事件もありつつ散策を続ける。

木になっている果実や野草、時々ある根菜など色々食べられる物を教えてもらった。

基本的に食べ物に関しては畑の物で十分らしいが、遠出をする時など知っておくと重宝するとの事。

ユキは甘い物や根菜系を好むらしいが実は生肉もいける様だ。

そしてついに目的の物が見つかった。

「おー!これだ!」

とジャックさんが声を上げる。

沢山の木があった。

その木には目立つ色の木の実が成っており分かりやすかった。

「この派手な木の実ですか?」

「そうだ。この木の実と葉っぱを使うんだ。」

「これを使えば作業はすぐに終わる。それに質も一層いい物になる。」

「ただ、量を確保するのが難しいので、通常の材料と交互に使ったりするんだ。」

「今回はあの立派な魔物の毛皮なのでこれだけを使って鞣す事にした。」

やはりあの熊は魔物だったらしい。

この辺じゃなかなか見ないレベルの大きな個体らしくその素材も特別との事。

なので今回はこの木の葉と木の実だけを使ってマントを作ってくれるらしい。

「ありがとうございます。」

「しっかし。あんなデカいのも狩っちまうんだな。」

「あの時は死ぬかと思いましたよ。」

「あんなにデカいのが居るならハンターに周辺の調査依頼した方がいいかもな。」

「あんなのが居たら村が滅ぶんじゃない?」

ルーシーちゃんは冗談半分で言っているが実際に滅んでもおかしくないと思う。

「一応狩りのついでに周辺に怪しい気配が居ないか注意しています。」

「それに私の手に負える個体であれば対処しますよ。」

「ああ!頼りにしてるよ。」

「では早速、採取しちゃいますか!」

ってことで採取開始。

枝から葉っぱと実を落として袋に詰める。

ひたすらその繰り返し。

その後は事件もなくひたすら採取。

他愛もない話をしつつ採取を終える。

「まあ、これだけ取れば十分だろ。」

荷馬車いっぱいに採取した。

「場所も覚えたし次からはすぐ来れそうだな。」

今後俺が狩りをするので、ちょいちょい取りに来るそうだ。

ってことで家に帰る。

家に帰るとエリーさんと母犬は母同士だからなのか仲良くなっていた。

エリーさんによるともうじき生まれるかもとの事だった。

「何か必要なものってあるでしょうか?」

出産など初めてだからよくわからない。

「とくには無いでしょうけど。」

「出産直後は少し狂暴になるかもしれないから、あまり近寄らない方がいいかもね。」

との事らしい。

「わかりました!」

そもそも野生の犬だったし、特に必要なものは無いかな?

そんな感じで村での日々が過ぎていく。


せっかくデカい熊を狩ったのでマントか何かを作ってもらいます。

本来皮の加工は数か月から半年ほどかかるそうです。

異世界の不思議植物のおかげで質も良く期間も短縮できます。

あと普通の馬は蛇を食べないと思います。

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