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10 サバイバル経験?

久しぶりの投稿です。

ようやくスタートです。

 徐々に周囲の風景が見えてきた。

周りを見渡すと木草木草、こんな感じの森だった。

「近くに村か道があるらしいから。とりあえず歩いて探そう。」

という事で、ユキにまたがり森をパカパカ進む。

この辺りは、そこそこ開けた森で時々木や草が密集していたりする。

草の丈はくるぶしほど。時々膝から腰ほどの丈の木や草がある程度。

たまに勾配や段差っぽいのがあるが基本的に平地。

ユキに乗っていても問題なく進めるような森だ。

今の所は特に危険そうな気配や鳴き声は聞こえてこない。

所で太陽さんから転生時に殆ど何も聞かされてない。

なので何処に居るのか、どこに行けばいいのかもわからない。

王都の北西辺りに転生させると言っていた。だから南東方面に行くのが正解だと思う。

・・・多分。

そもそも太陽の進む方向とか現世と一緒なの?って疑問がある。

とにかく太陽を確認する。

そして前世と同じと仮定し進む方角を決める。

確か太陽って東から登って西に沈む?

普段からそんな一般常識を気にしないから、自分の知識が心配になってくる。

太陽が昇る方角に向かって進む。

村か町まで、どれだけかかるか分からない。

暫くユキに乗り揺られる。

最初から保存食に頼りきりは良くないと思った。なので動物か木の実でも探そうと考える。

もちろん狩りをした事はない。とりあえずそれっぽくやってみる。

「いつまで歩く事になるか解らないから。食べ物を探しながら行こう。」

とユキにいいながら地面に降りて、周囲に注意を払い静かにゆっくり歩く。

暫く気配を捜し歩く。

すると気配を感じた。声を出さずにユキに手で『ここで待っててくれ』と合図を出す。

ユキは天才なので、これで理解してくれるのだ。

気配の方向に一人でそっと静かに近づく。

すると兎がいた。お食事中だった。

弓はない。なので兎を仕留めるために魔法を使う。

今回使う魔法は風を回転させて標的にぶつけて切る。

もちろんただ風を回転させても、少し涼しいだけだ。

だから魔法で風を極薄の円盤状にして高速回転させる。それを維持したまま標的にぶつける。

弓矢や投石などは飛ばした後飛ばしっぱなしになる。

対してこちらは風の円盤が標的に当たるまで、風を極薄の円盤状に維持し続けなければならない。

そうしないとただ途中で回転速度が落ちて涼風が吹くだけの便利魔法になってしまう。

この意外とめんどくさい魔法は【風刃】と言われている。

水圧で物を切断するのと同じ原理だが空気を使うのでもっと勢いとスピードが必要。

しかし、風なので見えにくいという超大きな利点があるし証拠や無駄な被害も残しにくい。

もちろん音はそこそこ出る。

さらには、しっかり魔力を込めないと強風や標的の固さに負けて、【風刃】が霧散してしまったりする。

普段は気分で、魔法の名前を言ってから魔法を発動している。

今は獲物が居るので声を出さずに【風刃】を使う。

魔力や水を同じように使って標的を切断する魔法もあるのだが。

すでにに存在している空気を使う分。【風刃】の方が少しだけ楽なのだ。

ヒュン!!

放たれた高速回転する風の円盤は兎の首めがけて飛んでいく。

兎が【風刃】の音に気づく前に兎の首を切断する。

円盤はその気になればブーメランの様に何度も使用できる。

今回はもう必要ないので首を切断した後、すぐ霧散していく。

「ユキ!もう来ていいぞ!」

と叫びユキと合流して、早速解体をしてみる。

生まれてこの方、動物の解体などしたことがない。

魚?三枚おろし?スーパーで売ってる切り身で十分です。

なので解体のやり方はさっぱり知らん。多分内臓と血を抜いて皮を剥ぐのだと思う。

何となくの知識だけは教えてもらっているが細かいところは知らんので適当にやってみる。

すでに首は無い。なので断面を下に向けて血を絞ってみる。

一応魔法で地面を掘ってそこに血を捨てる。

血は結構抜けたかな?ってくらいで。

ナイフで中身を傷つけない様に腹を裂いて、内臓を取り出す。

訓練中に自分の内臓をよくぶちまけられていているので、特に抵抗はない。

内臓はどれが可食部か分からない。

だから、掘った地面に血と内臓を共に埋める。

次は、肉と皮の間にナイフを入れてジャキジャキ剥いでいく。

皮は使えるのか分からない。なので一応取っておく。

やり方が合っているかは分からないが解体は終わった。

こんな感じなら動物の肉の確保は問題ないと思う。

他に食べられそうな物は果実や木の実、野草なのだが。

この森にはそこそこの数が生っている。

しかし食べれる物かどうか分からないので、なかなか手を出せない。

太陽さんは俺に少々の毒耐性があるとか言ってたっけ?うろ覚えだ。

それ以外に、解毒魔法は使えるので問題はないと思うが一応やめておく。

食べた瞬間死ぬとか有るかもしれないから。

夜が近づく。

料理に焚き木は必要かと思いたつ。

薪になりそうな乾燥した枝や木を集めつつさらに歩く。

真っ暗になる前に、いい感じに広くて土が見えている地面を休憩場所に決めて地面を整える。

ユキから鞍を外して軽く拭き、鞍を【収納】収納する。

ユキに軽くブラッシングして、魔法の【浄化】を使い馬体を清潔にする。

【浄化】は簡単に言うと何かをきれいにする神聖属性魔法。

その後、座る場所に布を敷く。

土で浅い囲いっぽいのを作る。かまど?みたいにする。

その中心に拾った枝を良い感じに配置してみる。

早速、火を起こして狩った兎を焼いてみる。

大きめの葉っぱを探してその上に兎の肉を置く。

食器なんて無いのだ。

野生動物は寄生虫の様な物が結構いると聞いたことがある。

なので、一応ナイフでちょうどいい大きさに切る。焦がさない様に生の部分が無いように焼く。

もちろん鍋やフライパンは無いので直火で焼く。

調理器具なんてものは無い。

血が付いたらこまめに手や道具をしっかり洗う。なんか不衛生で体に良くないらしい。

最初は木の枝に肉を刺して焼いたら枝まで焦げてしまった。

結局、めんどくさくなって魔法で肉を浮かせて焼く。

これを横着と言ってはいけない。魔法の訓練も兼ねているのだ。

実際炎と肉の適切な距離を測るのが大変だったりする。

何度かは表面を焦がしてしまったが。生食よりはまし。

時間はがかかったが完食できた。兎一匹でもしっかり腹いっぱいになった。

転生前にもらった皮の水筒を取り出し水を飲む。

【収納】の中は腐ったりしないそうなので問題ない。

しかし【収納】の外だと皮の水筒は痛んだりするらしい。なので手入れはしっかりしろとの事。

そしてユキの方を見る。

本来の馬は大量の草と水が必要らしいが。やはりうちの子は食事の頻度と量が極端に少ないようだ。

厩務員のおじさんも言っていたが、ユキはかなり小食だ。

「腹減ってないか?」

と言いながら、ユキ用にバケツを貰っていたので【収納】内の飲み水を入れて飲みやすい位置に置いておく。

夜は魔法を使い地面の土で壁を作ってその中で寝る。

壁は魔法でしっかり固めれば崩れてこない、屋根には布をかぶせるので十分。

ぶっちゃけ、魔法で土の豆腐ハウスを適当に作っても、一晩くらいなら雨が降っても問題ないくらいの強度はある。

それ以上の期間になると、根本的にまともな作りではない限り雨や風、重力で徐々に倒壊する。

要するに魔法の強度次第で丈夫さと時間が変わる。

今回は気分と天気が良かったのでテントっぽい作りにした。

体や衣服は水魔法と浄化魔法できれいにする。

そんな魔法でのごり押しゆるゆるサバイバル生活が始まったのだ。

何日か立った時にきずいた。

水の問題だ。飲める水は十分持ってきている。

しかしそれでも有限だった。

ユキにも水を飲ませているので減り方は結構早い。

水が無くなる前に川を見つけたい。

ただ川の水は意外と汚い。動物の死骸や糞なども流れてる可能性がある。

だからしっかり煮沸しなければ腹を壊す可能性があるらしい。

しかし鍋も何もない。バケツはあるがユキ用の木製なので火をかけられない。

どう煮沸消毒しようか考えながら探す。

実は浄化魔法をかけるだけで川の水は飲み水に出来るのだが。

この時のわたくしは完全に忘れている。

川を探しつつ、村か道も探しつつ、ひたすらユキに乗り森を進む。


放浪していて気付いたことがある。

前世は引きこもり生活を送っていて、自分は孤独には強いと思ていた。

しかし死後【神の国】で長い間色々な人や神と過ごした。

色々な目に会わされたりもしたが。

転生後誰とも会っていない今、思っていたよりも寂しさを感じる。

そんな事をいろいろ考えながらしばらく歩く。

すると突然鳴き声が聞こえてくる。ガウガウと犬か狼か狐か分からない。

おそらく犬系の動物の鳴き声と、もう一つさらに狂暴そうな大きそうな何かの鳴き声が聞こえてきた。


思ったより普通の異世界サバイバルですね。

ガチのサバイバルよりゆるゆるです。

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