表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ローファンタジーショートショート

笑顔になれる魔法

 小学生の頃に友達と喧嘩をした帰り道、泣きながら歩いていた僕にその女の人は話しかけてきた。

 この世のものとは思えないほどに綺麗な人で、なんだか彼女の周囲だけ輝いて見えるほどだった。

「笑顔になりたい?」

 見惚れている僕に彼女はそう尋ねてきた。その言葉に僕は、友達と喧嘩をして悲しいのに笑顔になれるの? 聞き返す。

 女性はもちろんと頷いた。

「なら笑顔にしてみせてよ」

 女性はうんと頷くと、僕の顔に軽く触れてこう言った。

「笑顔になれる魔法をかけてあげる」



 翌日学校に行った僕はいの一番に喧嘩してしまった友達に謝りに行った。友達はニコニコと笑いながら僕と仲直りをしてくれた。

 ああ良かったとホッとした僕が、ふとなにか違和感を覚えて教室を見回してみると、見る人見る人の大半がニコニコと笑っている。僕も含めて、笑っている人たちはみんな昨日あの女の人に会ったらしい。


 それ以来僕たちは全員、どんなに悲しいことがあっても、なにがあっても笑っている。




 多くの子どもたちに笑顔になれる魔法をかけた天使は天国へと帰ると、人々を笑顔にしろという仕事を完璧にこなしたと自分を労っていた。

お読みいただきありがとうございます

よろしければ評価や感想をお願いします

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ