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睡蓮  作者:
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違和感

1.俺は訳の分からないじじいと、後ろからついてくる訳の分からない男に苛立っていた。俺は今から女子高生を救いに行くんだ。助っ人が必要だろうとついてくる男は名前すら知らない他人だ。俺は女子高生と目を合わせた。明らかに怯えている。ストーカー野郎から彼女を守らないと。


2.男をしっかりマークする。どこかに入ろうとしているのかキョロキョロあたりを見渡している。逃がしはしない。どうだ、父親の背中はたくましいだろ。娘よ。うん?娘がいない・・・。どこだ?おかしいな。あ!男が居なくなる。いや、娘が優先だ!もしかして男の仲間に拉致されたのか?


3.若さは武器だ。正義感は何よりもたくましい。若い男二人が若い女性を助けに行く姿は何とも頼りがいがある。こういう世の中こそわしが求めていた世界じゃ。どうなることかと思っていたがやはりこの国の人間はたくましい。大和魂を創ってよかった。弱者に優しい世界がこの国なのだ。


4.高校生にしては根性があるな。よほど苦労してきたんだろう。僕は少し彼の後ろ姿に見とれていた。お爺さんのような肌ツヤの良い苦労知らずの姿にも憧れていたが、やはり泥臭い青臭い高校生の無垢な情熱はなんともいえない魅力を感じる。僕が高校生の時にはそんなタイプ一人も居なかった。


5.私は知らない人に追われていた。怖くなってとっさに知らない家に入った。そしたら知らない家の住人と鉢合わせた。すぐに追い出されるだろうと思ったけど、その人は優しく私の話を聞いてくれた。その人との他愛のない話は心が穏やかになって明るい気持ちにさせてくれた。


6.変な親父にストーカーされていたが、ようやくまいてやった。さてとポチに餌をやりに行くか。て、いうかここはどこなんだ?必死に逃げてきたから道に迷ってしまった。なんとなく見覚えがあるような無いような・・・。まあいい、少し休もう。なんか変な奴が座っているが気にしていられない。


7.あ!気づいてくれた。若い男の子達。おじいさんは待ってるのね。ま、お年寄りは危険だもんね。でも早く来てー。奴が迫ってくるー。とりあえずどこかに隠れなきゃって、パパ何してるの。娘の危機だよー。あーでもパパは使命感に燃えてるんだもんな!どうしよう。とりあえず隠れてよーと。


8.「ママ、おうち着いたよ!」「そうね。オムライス食べたいならまた卵買わなきゃね。どうしょう・・・」「お兄ちゃんただいまー」「あら?誰の靴かしら?誰か来てるの?」「ママー!知らない人いる」「えっ、お友達?」「あ、あの・・・すみません」「俺は救世主になった」


9.若い男二人は一人の男をめがけて歩いている。そうか恐喝か。まさかお年寄りがボスだったとはな。世も末だ。しかし、この状況を何とかしなければ。善人そうな眼鏡君を私は守らなければならない。警察から感謝状でももらえれば彼女はまた私に夢中になるはず。さあ、どうするか。


10.「とりあえずチャーハンを用意してくれ」「あ、ああ・・・悪いんだけど今日卵こんな感じで」「割れてるじゃないか!」「ちょっと人とぶつかって・・・」「弁償してもらわないと!」「い、いいわよ・・・そんな」「よくないよ!卵とかけまして、白いご飯と説く。その心はTKG。徹底的に金をごねる」


11.ニット帽が疲れ果てた顔で座ってんな。無職でも疲れるのかね。人のこと言えんけど。無職かしらんけど。なんか腹減ったな。なんかいい匂いしてきた。これチャーハンかな?うまそーな臭い。この家からだな。金もないし、家もない。この先どうすりゃいい。気がつけば競歩鬼ごっこ達も居ないな。


12.彼女は民家の壁に隠れている。スカートがチラチラと出たり入ったり。あれで隠れているつもりだろうか。まあいい。話を聞くだけだ。悪いことはしない。うん?後ろから人の足音?数人いるか?ここは人が居なくなってからにするか。少し気をまぎらわせよう。うん?足音がとまった。





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