警察
「はーい、どちらさま?」
孝之が玄関に向かった。
「マジか!」
玄関の覗き穴の向こうには警察官と思われる二人の男が立っていた。
「おい!母さん。本物の警官がいる!」
「なんでよ!」
桜子は料理の手が止まった。
「あ!私が呼びました。そういう流れだったので・・・」
「パパどうするの?」
響子が山村を見つめる。
「・・・まあ、今の状況じゃ事件性はなくなったから。しかしながらどう警察を追い返せばいいか」
和馬と向井も和解している様子だった。
しかし、孝之と西門寺はまだ睨み合っている。
「こいつ、捕まえてもらおう!ストーカー野郎」
「ダメ!お兄ちゃん悪くないもん!」
西門寺をかばうように智子が孝之の手を突っぱねた。
「お前、そういえば警察官とか嘘ついてたな。侮辱罪で捕まえてもらおう!名誉毀損罪でもいい!」
「だめ!」
小さな手が孝之をかばった。美弥が口をとがらせながら言った。
「みーのお兄ちゃん悪くない!」
「おお!美弥!人形の腕ひきちぎるくせに優しいとこあるんだな。お兄ちゃん嬉しいぞー!」
「お兄ちゃん遊んでくれるもん!」
その光景を母親の桜子が優しく見つめていた。
「まあ、どっちもどっちということで。警察には私からうまく言っておこう」
「パパ、大丈夫?事情聴取とかされて拘束されない?」
「いや、大丈夫だろう。私が通報したんだし、私が説明しないと」
山村が玄関に向かおうとすると桜子が声をかけた。
「あの・・・私たちの関係性とか聞かれません?」
山村はハッとした。
「そうだ!かなり複雑な状況だから説明が難しいな。知り合いっていうのはどうです?」
「どういう知り合い?」
「決まってるじゃないですか。僕と律子さんが夫婦。それ以外は娘、息子」
マイケルは得意げに言うと山村を見て少し考え込んだ。
「あなたは、お隣さんだ」
マイケルはそう言って微笑んだ。
「オッケー!レッツゴー!オトナリサン」
山村はマイケルにうながされるまま玄関に向かった。
扉を開ける。
「通報がありまして。ご主人ですか?」
警官の一人が声をかけてきた。
「・・・すみません。私が通報しました。まあ、色々ありまして、間違いだったみたいです」
「間違い?」
「あっ・・・ええ。すみません。ご迷惑をおかけして」
山村の反応に少し不信感を持った警官が家の中を覗き込んだ。
「少し中を見させてもらっていいですか?」
「あっ、ええ・・・」
玄関を上る二人の警官。
和馬、マイケルと目を合わす。もう一人の警官はその後ろをついていく。
「ずいぶんと大人数ですけど、何をされていたんですか?みなさんどういったご関係で?」
「あ、えーと・・・」
山村は言葉をつまらせた。
「お巡りさん。こいつが犯人だ!」




