表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
睡蓮  作者:
44/50

転機

「少し持っていてくれ。プリンセス」


マイケルはロープを響子に渡した。嫌々ながらも『プリンセス』という言葉に悪い気はしなかった。


「警察に電話しようとしてたのに。少しだけですよ。逃げんなよ。ストーカー」


「ギャルには興味ない。女は清楚じゃなきゃ」


「あっそうですか。あたしだってあんなみたいなストーカー興味ないし。ダセーことしてんじゃねーよ」


響子は西門寺を睨みつけながら、歩き出すマイケルに視線を送る。


「倒れている人を助けなければ」


マイケルがリビングに入ろうとする。


「いや、下手に動いたら和馬がどうなるか・・・」


洋一が不安げに言う。


「じいさんを呼ぶか?空手家なんだろ?」


山村が洋一に尋ねる。


「あっ!その手があったか!合気道も心得てるかもしれない」


「アイキドウ?」


マイケルが首を傾げる。


「あ、ああ。手を触れずに相手を倒すやつ。なんていうのかな、超能力だ!」


「グッド!」


マイケルは手を叩いた。その音に向井が反応する。


「いつまで隅でくっちゃべってるんだ。こいつがどうなってもいいのか?早く警察に連絡しろ。身代金を要求してやる」


「大胆な奴だな。自分から警察を呼べなんて」


「彼の目的は金か」


「拉致なんてしたってすぐ捕まるのにな」


「まあ、冷静な判断ができないのだろう。警察を呼ぼう」


山村がスマホを取り出す。

一同が一安心していると、むくっと起き上がる智子。ぼやけた視界に映るのは包丁を和馬につきつける向井の顔だった。


「きゃーーー!」


その声に桜子と美弥も目を覚ます。


「きゃーーー!」


桜子もこの光景を目の当たりにして叫んだ。


「きゃーきゃーきゃーきゃーうるせぇんだよ!こいつがどうなってもいいのか」


向井に抑え込まれる和馬。ナイフがこすれ少しだけ首から出血した。


「きゃーーー!血が出てる!」


智子が和馬を指差した。


「へ、平気だから俺は・・・」


和馬はなだめるように智子に言った。


「いいか!早く警察を呼べ!あっ、先に交渉か。ネゴシエーターて、のに憧れてたんだよね。そいつと話せるのかな」


向井は嬉しそうに天井を見つめた。


「いくらくらいの身代金なら一生暮らせるんだ?逃亡費とかもろもろもらって」


一瞬だけ和馬をつかむ向井の手が緩んだ。

和馬はその一瞬の隙をついて手を押さえ込む。あっという間に攻守が逆転した。


「あっ、ちょっと・・・」


「あんたがアホで良かったぜ」


和馬は包丁を掴み向井に向けた。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ