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睡蓮  作者:
42/50

ドタバタ

暗がりにスーツ姿の男が立っていた。


「あ、あんた・・・」


街灯に照らされた先にはハンサム男、眼鏡着物男、ギャルの女子高生もいる。


「やっぱり戻ってきて良かった。この家がどうも気になってね」


「あ・・・あの、無事にストーカーの女の子は助けられました。こいつが犯人です」


「このニット帽、やっぱりストーカーだったのか」


スーツ姿の男は斜に構えてそう言った。


「パパの言うとおりだったね!さっさと警察連れて行こうよ!」


娘の響子が慌てた様子でつめよる。


「そうだな」


「あの、そのつもりだったんだけどさ。被害者連れてくの忘れてて、こいつ連れてくだけじゃ意味ないから」


洋一はそう言って村瀬家を見つめた。


「あの子とまた顔会わさせるの?そんなの絶対だめ!トラウマになっちゃうよ!」


「そうは言ってもさ・・・」


洋一の言葉に響子はひらめいたように微笑む。


「あ!あたしが一緒に行けばいいんじゃない?あたしがこいつにストーカーされたことにして」


その言葉にすかさず西門寺が口を出す。


「俺はお前なんかストーカーしてない!」


「いや、そうだけど。彼女は連れて行っちゃダメ!トラウマになるもん」


「一度、話し合ったらどうだ?まだこの家に彼女は居るんだろ?」


「パパ!だから会わせちゃダメなんだって!」


「大丈夫だよ。これだけ大人な男がいるんだ。彼が押さえつけてるし。ほらそのためにロープも買ってきただろ?」


「そうだけど・・・じゃあ、なんかあったらパパのせいだからね」


「ああ、私が責任をとる」


山村はスーツの上着を脱いでネクタイを緩めた。洋一はゆっくり頷いた。


「老師はここで待っててください」


「わしゃ、もう帰りたいんじゃが」


「もう少しだけ・・・すみません」


洋一の言葉に老師はしぶしぶ頷いた。

山村が西門寺をロープで縛る。ハンサム男、眼鏡着物男も手伝う。


「なんかドタバタしてるわね」


「じゃあ、準備はいいですか?こいつを見てあの子が不快な顔したらロープ入れてた白いビニール袋を被せますから。それなら顔が見えないで済む」


「なんかうまくいく気がしないんだけどなぁ」


響子は乗り気ではなかったが、この状況で老師と二人で外で待っているより、家でこの状況をどうすべきが話し合うという好奇心が勝っていた。


「じゃ、あたしも行くよ」


洋一がゆっくり玄関の扉を開く。


「助けてくれー!」


中から男の叫び声が聞こえた。













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