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睡蓮  作者:
41/50

逆転

「お、お前、何考えてんだ・・・」


「なにって。監禁だよ。人質開放してほしかったら金を出せって警察をゆるすんだ」


「お前・・・それ、犯罪だぞ・・・俺よりリスクたけーじゃねぇか」


西門寺の言葉に向井は首を傾げた。

そういえばそうだな、という顔をしたが今更あとにはひけなかった。


西門寺はゆっくり玄関に歩き出す。


「あ、あいつ、やべー奴だ・・・気をつけろ」


すれ違う和馬たちにさりげなくそう言う西門寺。


「何言ってんの。お前のがやべー奴だよ。ストーカー野郎」


西門寺と向井の会話を聞いていない和馬たちはほっと一息ついた。


「逃さないよ」


洋一が西門寺の後を追う。


「・・・おい、悪いことは言わねぇ。この家から出た方がいい」


「は?今更逃げようとしても無駄だぜ」


「い、いや、そういうことじゃなくて・・・」


「どういうことだよ!」


「だからあいつはやべー奴なんだって」


「お前のがやべー奴だって!」


「俺のがまだまともだ!」


「ストーカーを捕まえた向井よりお前のがまともだって?笑わせるなよ!警察行くぞ」


「あ、あぁ。その方がいい。とりあえず外に出よう」


「おっ!意外と素直だな。和馬、こいつ警察連れて行くわ」


「俺も行こうか」


「いや、老師が外にいると思うから一緒に来てもらうよ。老師は空手の達人だから」


「そっか。じゃ、頼むわ」


洋一は西門寺の腕を掴んで玄関を後にした。


「なんじゃ?」


「あっ!老師」


「おさまったようじゃな」


「ええ!なんとか。これからこいつを警察に突き出します」


「そうか。しかし、被害者も連れて行かんでよいのか?」


老師の質問に洋一はハッとした。

確かにストーカーを警察に突き出した所で被害者が訴えなければ意味がない。


「じゃあ、あの子も連れて行かなきゃ」


「・・・お、おい、また戻るのか?」


「当たり前だろ!被害者連れて行かなきゃ」


「・・・あの子と一緒に警察に行くのか?」


「そうだよ!」


「・・・そ、それなら戻ろう。気をつけろよ」


「気をつけろって何をだよ!また、変なことするなよ!こっちは空手の師範がいるからな!」


「・・・わ、わかってる」


「老師も行かれますか?」


「わしはここで待っとる」


「そうですか。では、すぐ戻りますね」

 

洋一は西門寺を睨みつけながら再び村瀬家の玄関の扉に手をかけた。


「君たち」


その声に振り返る洋一。











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