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睡蓮  作者:
32/50

新たなる使者

「だいたい、なんなんだ。お前たちは。気持ち悪いんだよ。愛とか、なんだとか」


「おい!おい!そんな言い方ないだろ!老師の愛の定義にケチつけんのか!」


「おい!洋一やめとけ。またややこしくなるから」


「こいつの根性を叩き直さないとおさまらねぇ。どうせ彼女もできない童貞野郎だ」


「おい!また暴言吐いてるぞ」


「あっ」


和馬になだめられた洋一はゆっくり老師に視線を送る。老師は優しく微笑んでいる。


「・・・ろ、老師。すみません。また暴言を吐いてしまいました。俺を殴ってください。人に根性どうの言う権利は俺にはありません。殴ってください」


「お主は暴言など吐いておらんぞ」


洋一はあっけにとられた。


「・・・いや、童貞野郎って」


「それはおそらく事実じゃ」


「じじい!俺は確かに童貞だが、野郎は暴言だぞ」


ニット帽が老師に近づきながらそう言った。


「おい!老師に近づくな!童貞野郎!」


「だから野郎は暴言だろ!再び謝れ!」


「謝るわけないだろ!老師は暴言と言っていない」


「暴言だ!」


洋一とニット帽の会話を聞いていた和馬は内心あきれていた。どうでもよかった。そこへ老師がそっと近づいてきた。


「わしらの世界では野郎は『男』という意味じゃ。お主は暴言だと思うか?」


「言葉的には暴言に聞こえるけど、まあ、そういう意味だと知れば暴言じゃないかな。よくわからんけど・・・」


老師はまた微笑んだ。


「なあ、お前らいつまで言い争ってんだよ。さっさと行かないと女の子どうなってるかわかんねぇぞ!」


「あっ!そうだった。和馬。わりぃ、わりぃ」


洋一は我に返ったように和馬に駆け寄った。


「じゃあな。童貞野郎。俺たちは忙しいんだ!」


ニット帽はムッとした様子で背を向けたが、何かを思い出したかのように再び洋一たちに声をかけた。


「さっきから女の子を助けるとか言ってるけど、どういうことだ」


「お前には関係ないだろ!」


「女の子を助けるのか?」


「そうだよ。ストーカー野郎からな」


「ストーカー?それは大変だ」


ニット帽は慌てた様子で洋一たちに駆け寄った。


「詳しく聞かせてくれ。俺にもとしごろの妹がいるんだ。実は妹を探してる」


その場にいた、和馬、洋一、老師はお互いの顔を見合わせた。


「あんたに妹がいたのか?」


「ああ、俺もこうみえて今さっきストーカーにあったとこだ」


「嘘をつくな!」


洋一は思わず声を荒げた。








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