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睡蓮  作者:
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1.バカ面がひっかかってるぜ。可愛そうに。小銭でもたかってんのか。あいつもバカ面だな。バカ同士でだましだまされあってください。俺はそんなことにかまっている暇はない。今さら帰る家もなくなった。この先どうやって生きていけばいいんだか。なんか変なじじいに見られてる気がするが。


2.「響子、何してんだこんな所で」「あ、パパ。いや別に・・・」「学校帰りか?」「う、うん・・・」「本当か?またどこかで遊んでたんじゃないのか?」「そ、そんなわけないじゃない・・・。それよりパパ、あいつ怪しくない?」「怪しい?誰が」「あの男、ずっとあの女の子のこと見てんの。キモい」


3.この国は愛で溢れていなければならない。愛とは相手が居て成立するもの。破壊と創造、その繰り返しにより強い国が出来上がる。今は破壊の時期なのかもしれない。私がそろそろやらなければならないのか。壊すことなどいつでもできる。その前にやらなければいけないことがある。


4.じじいにどういう生活してるのか聞いてみよう。すみません、おじいさんですか?おばあさんですか?ちょっと失礼か。あの、自由そうな顔してますけど普段何をされてるんですか?うーん、なんか違うなあ。そうだなあー。ここは男らしく、弟子にしてください!か。


5.変な人が追いかけてくる。つけられている気がする。嘘。ストーカー?私なんかにストーカー?いやだ、どうしよう・・・。なんかどんどん距離が近づいてくる気がする。怖い、助けて。誰か助けて。あの人は気づいてくれないの。やっぱりハンカチ落としておくべきだった・・・。


6.何故逃げる?俺は君に気持ちを伝えたいだけだ。今まで一度も人に告白したことなどない。好きになっても黙っていた。我慢して自分を押し殺してきた。迷惑かけないように人に嫌われないように。何かを変えないと人生は変わらないだろう。だから勇気を持って俺は歩きだした。なのに何故逃げる?


7.「パパ、気をつけてね」「あ、ああ。確かに挙動不審だな。確実にあの女の子の後をつけている」「でしょ!警察に言よーよ」「いや、まだ証拠がない。響子動画をまわしてくれ」「わ、わかった・・・」「しかし、物騒な世の中になったな。私も知らない人を尾行するのは初めてだ」


8.肩をぶつけられた。「すみません」「あ、いいえ・・・」大学生くらいの若い女の子は怯えた様子で足早に歩き出した。どうしたんだろう?買い物袋が落ちた。「ママ大丈夫?あのお姉ちゃん悪い人ね」「え?あ、いいのよ。急いでるみたいだから」落とした衝撃で卵はひび割れた。追い討ちをかけるように男が踏み潰して行った。


9.「大丈夫ですか?」「あ、ああ・・・まだいらっしゃったんですか」「ひどい奴もいるもんですね。新しいの買いましょう」「あ、いえ結構です」「これじゃ夕飯にならない」「いえ、別の料理を考えます」「二人とも急いでいるみたいでしたね」「あ、ええ」「なにか変な感じでしたね。あの二人」


10.夕日が綺麗だった。オレンジ色は嫌いじゃない。テーマは「狭くて深いもの」海はないな。となると狭いものか。世の中か。ああ考えようによっては狭かったり広かったり。うーん、なかなか思い浮かばないな。狭いもの狭いもの・・・。そうだ!俺の部屋。あー弱いな。何言ってんだろ。俺。


11.変な奴が「労働」とか言ってきた。何が労働だ。こういう奴とは関わらないのが一番だ。労働とは俺が一番嫌いな言葉。楽して金儲け。それに尽きる。あー、なんか変な奴に話しかけられたけど。ま、いいか。気を取り直して衣食住だったらどこをせめて行くべきか。あー腹減ってきなー。


12.若者は逃げて行った。私の容姿が気に入らないのか。確かに眼鏡で着物を着ていたら乞食にでも間違えられそうだ。おや?女性が足早にこちらに向かってくる。後ろには男が興奮気味に追いかけているようだ。うん?その後ろにはまたサラリーマンと女子高生?これはどういう状況なのだ?






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