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第1話



 猛ダッシュでエレベーターに駆け込む少女が1人。


 黒いスパッツと、白い星形のマークついた研究所用の制服。



 ハアッハアッ…



 少女は汗だくになりながら、額から流れる汗を拭っていた。


 背丈ほどもある長いツインテールが、腰を落とす背後で靡いている。


 どうやら、かなり遠いところから走ってきたのだろう。


 少女は手鏡を手に持ちながら、乱れた前髪を整えていた。


 今日は就任式だ。


 第6ビオトープにて、8年もの間、研究員としての職務を全うしてきた。


 彼女は「人間」ではない。


 …いいや、こう言ってはなんだが、彼女が限りなく人間に近い生物であることは、彼女の普段の生活を見ていれば自ずと理解できることだろう。


 この職場にいる職員は、彼女の「生態」についてよく理解している。


 日本海溝南端に存在する第6ビオトープでは、水深8000mを超える海の中に研究所が存在しており、普段職員が活動しているメイン区域は、“BLUE GARDEN”と呼ばれる、直径500mの球体でできた建造物の中にある。


 水深200mの「真光層」という地点にこの球体は存在し、東京湾から専用の潜水艦でビオトープへの出入りが可能であるが、この場所に出入りすることができるのは、ビオトープを管理するNIBB(National Institute for Basic Biology)の職員と、国際海事機関(IMO)の関係者、及びそれに関連する関係者のみとなっている。


 世界各地にビオトープは存在するが、日本国内には全部で6つのビオトープがあり、そのうちの一つが、この「第6ビオトープ」となっていた。


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