Prologue 『tomorrow』
初めに、この話はチュートリアルで、ちょっとだけこの世界が詳しくなれるよ。まあ飛ばしてくれても構わないよ。
ここは暗雲に覆われた最後の人類生存可能区域「tomorrow」である。ここで人々は、あしたはきっと明るいと希望を胸に抱き続け、暗い今日を生き続けるのだ。ある者は太陽のようなランプの開発を、ある者は晴れを懐かしむ歌を、ある者は耕作の効率化を研究し、ある者は飛行の計画を立てている。
tomorrowは台風の目などの例外を除き一年を通して曇りである。人々はこの暗い都市で日々精神をすり減らし、またビタミン剤がなければ体もとうに朽ち果てているだろう。こんな場所であるから、治安は悪く殺人や強盗はtomorrow建設前、つまり晴れていた時よりも増えている。
半径八十キロ(西区はその限りではない)という狭さで、そのほとんどは居住区か工業地帯だ。ほかの場所が資源が取れるというわけでもない。なのになぜ、人々が生活できているかと言えば、西区の海を十キロ行った先に「神域」と呼ばれる孤島があるからだ。そこにはtomorrowに住む全人類分の資源が毎日出現し、それに頼って彼女たちは生活している。神域と呼ばれるだけあって、まさに神に施されているのだ。
神は、人類がtomorrowへ追いやられたと同時に、つまり怪獣どもの出現と同時に現れた。神についてはtomorrow内で大きく二つの見解がある。怪獣と同時に現れたから、神は怪獣の仲間だという見解と、人間に友好的なのだから、神は神であり怪獣ではないという見解だ。施しを受けているためか後者の見解を支持する人の方がそれなりに多い。
tomorrowは大きく五つのエリアに分けられていて、神域の管理や漁業、商業などが盛んな西区、唯一守られている自然のある北区、工業地帯である東区、日本語話者以外が多く住み各個人の現地の暮らしを再現する南区、そしてtomorrowの中枢である中央区だ。ほかに小さな区分があり、列をイロハ順に、方角を十二支順に並べてたりしていて……。
『ピピピピ、ピピピピ……』
おっと、彼女が目覚める時間だね。
tomorrowの区分に関しては途中で終わっちゃったね。知りたかったらこれを見といてくれ。
https://kakuyomu.jp/users/SouyakuChisato2939/news/16817139556609269326
では最後に私の自己紹介を。私は神で、この作中唯一君たちを認識している存在だ。よく分からないなら筆者のアバターだと思ってくれ。私も私が良く分からない。
それでは、ぜひこの作品を楽しんで行ってくれ。それじゃあまた。