⑺身分証明について
商人さんの名前出ます。
名無しにしてごめんね?商人さん。
今回はのんびり回です。
リヒトとクロトの中の良さが全面に出たほのぼの回ですね。
出発して暫く経った。
その間に3度程魔物に襲われ討伐した。
それにより、レベルが1上がった。
今はレベル6だ。
相変わらず、俺のステータスはぶっ壊れたままだ。
信用できる人にしか俺のステータスを開示するのは危険だな。
思わず溜息が溢れる。
「どうしたの?リヒト。溜息なんてついて…」
心配そうに俺の顔を覗き込むクロト。
「お加減でも悪いのですか?リヒトさん」
ナムルさんも心配そうに声を掛けてくる。
あ、商人さんの名前はナムルさん。
韓国料理みたいな名前だ。
俺は、愛想笑いを浮かべつつ誤魔化すように言う。
「大丈夫、ちょしたレベルアップ酔だから。一気にレベルが上がって酔っただけだ。問題ない」
「そう?少し休む?」
「いや、必要ない。進もう」
クロトからの申し出を断る。
「わかった。進もう。もう少し行けば、キリリカが見えてくるよ?」
「マジか?よし頑張ろう」
俄然やる気を出す俺を見て苦笑を浮かべるクロトとナムルさん。
「あ、クロト俺身分証明できるものがないんだが大丈夫かな?」
「え?」
「この大陸に来てまだ浅いし、この国の街に立ち寄るのは、キリリカが初めてなんだよ」
「あ~なるほどね。大丈夫、金貨1枚を保証金として衛兵に手渡して、街に入ってから冒険者ギルドで登録すれば良いよ。冒険者カードが身分証代わりになるから、作っておいて損はないと思うよ?」
「そっか…それなら安心だな。教えてくれてありがとう」
「どういたしまして」
美少年スマイルで答えてくれるクロト。
笑顔が眩しいぜ。
眩しいクロトの美少年スマイルに、ダメージを受ける俺。
それを微笑ましげに見つめるナムルさん。
特に大きな問題もなく順調に旅は続く。
キリリカに到着するまでの間に、俺はとんでもレベリングをしてしまった。
気づけばあれから20もレベルが上がった。
スキルの力すげぇ…。
自分の事なのに軽く引いてしまった。
まぁ上がって困る事はないし、良いかな?
などと呑気にこの時の俺は考えていた。
ナムルさん、良い人だな〜こういう人俺は好きかな?
クロトとリヒトが何気にラブラブしてるような気がしなくもない。
BLに走らないように気をつけねば!
次回商業都市キリリカに到着します。