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⑹初めての接触(邂逅)

相棒君の登場です。

割と強い部類に入るとは思うのですが、今回は依頼人を縦に取られ、後手に回ってたようです。

相変わらず、理人君は無双します。


暫くレベリングと討伐しながら進むと、展開してたマップの端に、敵を示す赤い光点と中立を示す黄色い光点が現れた。


「ん?これは…襲われてるのか?」

「盗賊ではないでしょうか?それか護衛依頼中に仲間の冒険者が裏切って襲ってるとか?」

「うわあ、そんな事やる奴居るんだ?」

「えぇ、割とこの世界ではよくある事ですよ?」

「マジか…とりあえず見つけた以上、放っておくのも寝覚め悪そうだな。…助けるか。ミカエラ、これから現場に向かうから姿隠してろ」

「承知いたしました。理人様」


俺は足に力を入れ、ステータスだよりの行動に移る。

無駄に高いAGEをフル活用して、高速で走り抜ける。

数分後、現場に到着する。

見ると、まだ若い今の自分と同い年くらいの冒険者が、明らかに年季の入った年上の冒険者数人に襲われていた。

対人戦は初めてだが上手く行くか?

やるしかないか。

俺は深いため息を付きながら、劣勢になっている金髪碧眼の美少年に声を掛ける。


「おい!あんた大丈夫か?手助けは必要か?」

「え?君何処から??えっと手を貸してくれるかな?依頼人を守りながらだと、どうしても後手に回ってしまって」

「そういう事なら、依頼人の無事を先に確保すれば問題ないな。エクストラル・シールド!」


俺は、防御魔法を発動させ、依頼人を守ることにした。

これで、後方を気にしなくて良い。

戦いに集中できるな。


「防御魔法を発動し、依頼人の周囲に展開した。これで目の前の敵に集中出来るだろ?さっさと終わらせようぜ」


美少年の隣に立ちながら言う。


「君…見た感じ剣士なのかと思ったけど、防御魔法も使えるのか?凄いんだね」

「使えるのは別に防御魔法だけじゃないぜ?メガヒール!」


俺は治癒魔法を発動させ、美少年の傷をすべて癒やした。


「ち、治癒魔法まで?…えっと、ありがとう。助けてくれて。僕はクロト。君は?」

「俺か?俺は笠霧理人だ。リヒトでいい」

「リヒトか、よろしくリヒト」

「おう、そんな事より奴さん達大分苛ついてるみたいだぜ?戦闘に集中しよう。クロト」

「うん、そうだね。リヒト」


俺が治癒魔法を使うと目を見開いて驚いた美少年クロトは真剣な顔で男たちを見る。

俺も奴等の動向を見つめ警戒する。

手は腰の刀の柄に添えて、いつでも抜ける体制をとる。


「クロト一人くらいなら相手できるか?」

「え?リヒト?まさか一人で残り3人を相手どるつもり?」

「多勢に無勢は慣れてる。

任せろ」


不敵な笑みを浮かべ答えると、驚いた顔でクロトが俺を見る。

それを見た男たちが色めき出す。


「この餓鬼、舐めたこと言いやがって!」

「返り討ちにしてやる!」

「はっ相手の力量も測れないやつが、吠えるなよ?たかが知れてしまうぞ?おっさん(笑)」


軽く挑発してやる。

顔を真っ赤にした男二人が俺に襲いかかってくる。

低く腰を落とし、素早く刀を抜き技を放つ。


「美鏡古神剣術・一ノ太刀・疾風一閃!」


神速の刃が、男達を襲い一刀の元に斬り伏せる。

その体が綺麗に真っ二つに斬り離される。

恐らく自分たちが斬られたことにも気づけず死んだだろう。

呆然と仲間の亡骸を見つめる残りの男達。

隣のクロトも唖然としている。


「クロト!戦闘中だぞ!?呆けるな!」

「っ!!ご、ごめん!はぁっ!!」


見兼ねて激を飛ばすと、ハッとして気を引き締め直したクロトが残りの男達の一人に切り込む。

それを見て、問題ないと判断した俺は、残りの男と対峙する。

切っ先を向け剣気を向ける。

わずかに気圧されたのを見逃さず、すかさず懐へ入り込み技を放つ。


「美鏡古神剣術・九ノ太刀・八重八雲!」


四方八方からなる連撃で相手を斬り刻み攻撃する連撃技。

男は成すすべなく斬り伏せられる。

血糊を飛ばし鞘に納刀しつつ、クロトの様子を見る。

戦闘に集中できているからか、危なげなく余裕を持って戦っている様だ。

クロトの武器は一般的な片手用直剣。

堂の入った剣術で相手を切伏せた。


「お見事クロト」

「リヒト程の剣術じゃないよ?」


剣を鞘に収めながら、苦笑を浮かべるクロト。

俺の側へとゆっくり移動してきた。


「見た事ない剣術だったけど、凄いねリヒトは」

「一つ訂正、俺の技は確かに剣術の一つだがクロトの使う物とは違うぞ?正確には、剣術ではなく刀術。刀専用の技だ」

「刀?」

「俺の持つ片刃の剣の事を刀って言うんだ。分類的には、曲刀にも分類されるんだが…」


そう言って、刀を鞘から抜いてみせる。

反り返った刀身に美しい波紋が浮かび上がるその刀身を見て、ほうっと溜息をつくクロト。


「綺麗だね」

「刀は物によっては骨董的価値があるからな。収集家が俺の故郷に一定数いたくらいだ」

「そうなんだ」

「名匠が打った刀は名刀と呼ばれ、収集家の間で高値で取引される位だ」

「そんなに価値の高い物なんだね。刀って」

「物によりけりだ。刀にもピンから切りまであるんだからな。こっちの剣と変わらんさ」

「そういうものなんだ?」


感心して頷くクロト。

防御魔法を張っていた事を思い出し、危険がないことを確認して防御魔法を解く。

商人らしき依頼人が俺達の元へやってくる。


「お二人共お怪我はありませんか?」

「ああ、問題ない」

「僕も大丈夫です。傷はリヒトが治癒魔法で癒やしてくれましたから」

「素晴らしい戦いでした。特にリヒトさん、美しく芸術的な剣さばき素晴らしかったです(笑)」

「そいつはどうも」


俺の手を取り身を乗り出してまくしたてる依頼人に若干引き気味に答えると、慌てて依頼人が身を離し謝ってきた。


「申し訳ありません。つい興奮してしまいました。お恥ずかしい所をお見せしました」

「いや、別に気にしてないから…」


気にしないよう宥めていると、クロトからある提案をされた。


「ねぇ、リヒト良かったら一緒に行かない?僕一人じゃ護衛は難しいし、リヒトが参加してくれれば安心なんだけどどうかな?」

「何処に向かってるんだ?」

「商業都市キリリカだよ?」

「なら、丁度良いな。俺もキリリカに向ってた所なんだ。一緒させてもらおう」

「あ、そうだったんだ」

「依頼料はお出ししましょう。リヒトさんなら信頼出来ます」

「なら頼むよ。てか、俺は冒険者じゃないぞ?良いのか?」

「え?そうなの?」

「ああ、俺は一介の旅の剣士だ。冒険者じゃない。ギルドには所属してないし」

「構いませんよ?私個人で雇いますから(笑)」

「そういう事なら…」


話も纏まり、後始末をしてその場を後にする。

倒した冒険者のギルドカードは、ギルドに報告する為の証拠として回収した。

かくして俺は、クロトと一緒に商隊の護衛としてキリリカに向かった。




如何ですか?

楽しんでいただけましたか?

クロト君、素直な良い子ですね(笑)

今後理人君の良い相棒になってくれるでしょう。

商人さん名無しのままだわ(苦笑)

次回名前出します。


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