(32)ヴァンパイアロードの驚異①
今日は、今回はヴァンパイアロードの回です。
ただ長くなりそうだったので二部構成にしました。
新しいヒロインも出てきます。
クロト君のヒロイン候補です。
では、本編をお楽しみ下さい。
クラインの暴走から数日、王宮は落ち着きを取り戻していた。
俺とアイリスの婚約もエルフ国民に大々的に伝えられ、すでに周知し始めている。
そんな折周辺を探る為、俺はアイリスとクロトを伴い、森へ来ていた。
ヴァンパイアの動きを探る為だ。
森の隅々を時間をかけて調べる。
その時木の上から褐色の肌をしたエルフが落ちてきた。
おそらくダークエルフだろう。
褐色の肌に柔らかな銀の髪。
間違いない。
傷を負い意識を失っているようだ。
ヴァンパイアに洗脳されたりはしていないようだ。
クロトが彼女を抱き起こしながら治癒魔法を掛ける。
「君、大丈夫?」
心配そうにダークエルフの娘の様子を見るクロト。
しばらくして彼女が目を覚ました。
「ううん…ここは?」
「良かった。意識が戻ったよ?リヒト(笑)」
「あぁ、ここはエルフの国の首都の周りにある森の中だ。何があった?説明できるか?」
「あ、あなたは?」
「俺は人族のAランク冒険者の笠霧理人だ。こっちは同じAランク冒険者で相棒のクロトだ。こいつが傷だらけの君の治療をしたんだ」
「ありがとうございます。クロトさん」
「ううん、無事に助かって良かったよ(笑)あ、彼女はアイリス。エルフの国のお姫様で、僕の相棒のリヒトの婚約者なんだ(笑)」
「エルフの国の姫様!?失礼致しました!私はダークエルフのフィアナと申します.ダークエルフの里がヴァンパイアたちに襲われ壊滅しました。それを伝える為、命からがら落ち延びてきたのです」
「ダークエルフの里が!?それは本当ですか?」
「はい、私は父や母に守ってもらいなんとか逃げ切れたのです。でも、ヴァンパイアにされた同胞たちに襲われ、なす術なく傷を負わされ、何とかここまで逃げてきたのです」
「奴等、エルフの国で失敗したと見ると、今度は同種族の祖を持つダークエルフを襲ったのか」
「エルフの国もヴァンパイアに襲われたのですか?」
「ええ、リヒト様のおかげで難を逃れたのです」
「そうだったのですか」
「それでダークエルフは、生き残ったのは君だけか?」
「いえ、奴らの目を逃れ、地下に隠れた同胞が少なからずいると思います。それもいつまで持つか」
「そうか、大変だったな。これからエルフの王の元へ行く。同じ話を王にもしてくれるかな?」
「は、はい」
俺達はフィアナを連れ首都に戻り、王と謁見した。
「と、言う訳でダークエルフの里が壊滅した。フィアナの話では、奴らの目をかいくぐって、地下に落ち延びている者が少なからずいるそうだ。だが、それもどこまで持つかは、わからないそうだ」
「ダークエルフの里まで…」
「奴らは何がしたいのだ?」
「女神の力を弱めることが狙いだろう。恐怖の心を集めれば、それだけ魔神の力が増す。おそらくはそういう狙いもあるはずだ。後は俺が減らした戦力の増強だろうな」
「なるほど、狡猾で残忍な奴らが考えそうな事ですな」
「あぁ」
「どうされるおつもりですか?」
「ダークエルフの里を調べる。もしかしたら、真祖であるヴァンパイア・ロードが潜伏しているかもしれない」
「ロードですか?」
「そうだ。奴らだけにかかりきりではいられない。魔神の手の者はまだいるし、オークロードもまだ野放しのままだからな。友の為にもやつは撃たなくてはならない」
「わかりました」
頷く王。
俺達はフィアナの案内で、ダークエルフの里に向かう。
その頃…。
「どうなっている?」
「奴らの潜伏先は掴めています。いま総攻撃をかけているところです。いずれ陥落させられるでしょう」
「失った戦力を補強せねばならん。急げ!奴がここに気づく前に戦力を補強するのだ!」
「はっ!イエス・マイロード」
頭を垂れ足早に出ていくヴァンパイア達。
部屋にはロードだけが残された。
「もうすぐだ。もうすぐで戦力が揃う。見ておれ人間。貴様の首打ち取り目の前でお前の女を犯し、我が物としてくれよう」
下卑た笑いを浮かべるロード。
直接この言葉をリヒトが聞いたなら、塵も残さず消えるのはロードの方だろう。
それに気づかず笑い続けるヴァンパイアロード。
哀れを通り越して愚かである。
次回に続く…。
如何でしたか?
やっとクロト君のヒロインを出せました。
アイデアをくださったやじんさんありがとうございます。
ダークエルフは考えてなかったので、助かりました。
普通のエルフ出すなら、ダークエルフは必須ですよね?
良くダークエルフとエルフは仲が悪いと描く方が多いですが、俺は違います。
うちの子達は争ったりしませんよ?
良い子達なので(笑)
それと勘違いされてる方もいるようなので、この場ではっきりいいます。
一人称が素で【俺】ですが、性別学上は間違いなく女なので勘違いしないでくださいね?
気になったので改めて指摘させてもらいました。
では、次回こそ決着つけます!
次回を乞うご期待!