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エルフの国エルンフィア

今日は、今回はエルフの国です。

少々鼻持ちならない失礼なエルフの衛兵が出てきます。

本編をお楽しみ下さい。

更に数週間後エルフの国である首都エルンフィアのある森の入り口についた。


「ここが首都の入り口か?アイリス」

「はい、リヒト様」


アイリスに確認を取り、進もうとすると足元に矢が突き刺さる。


「リヒト!」

「リヒト様!」


慌てる二人を手で静止冷静に対処する。


「ご挨拶だな。初対面の相手に確認もせず、攻撃するのがエルフの流儀か?」

「…」

「だんまりか…」


呆れて嘆息すると、相手のエルフが話し始めた。


「我が国の王女を拐かす罪人に礼儀など必要ない!」

「はぁ?拐かす?お前本気で言ってるのか?俺達は人族の国に転移トラップで飛ばされたアイリス王女をオークに襲われていた所を助け、保護してたんだぞ?誘拐犯扱いされる謂れはない!アウグスト辺境伯爵からの正式な依頼を受けたA級冒険者だ!この事は伯爵から早文が届いているはずだが?」

「そ、それは…」

「黙れ!姫様を離せ!罪人が!」


再び俺を狙って矢を放ってくるエルフの衛兵。

今度は俺の心臓をめがけての矢だった。


「リヒト様!」


アイリスが俺を庇うように前に出る。

俺はアイリスを抱き寄せ、刀で矢を切り落とす。


「アイリス危険だから前に出るな」

「いえ、愛するリヒト様が同胞に不当な攻撃を受けておりますのに、黙ってみてるなんて出来ません!それにこんなことを許しては、転生の女神アレンシエル様の怒りがエルフ全体に下ってしまいます!」

「たしかに理不尽は感じるが、だからといってアイツに口出し手出しさせるつもり無いぞ?てか、お前が悲しむような事たとえ俺の為であろうと容認するわけ無いだろ?安心しろ」


後ろからアイリスを抱き締める。

俺の腕に中でアイリスが寄りかかるように俺に身を預けてきた。

それを憎々しげに見るエルフの衛兵達。


「貴様の言い分が本当だとして、アイリス王女に慣れなしい。離れろ!」

「恋人なんだから馴れ馴れしいのは仕方ないだろ?」

「恋人だと?」

「あぁ、アイに確認してみろよ?」

「リヒト様は私の最愛の方です。無礼を働くことは許しません!」


アイリスの言葉にざわめく衛兵達。


「おい、不味くないか?姫様の大切な方を害したなど王の耳に入ったら」

「それ以前に勝手な判断で攻撃したことがバレても不味いぞ?」

「馬鹿!その前に姫様の言葉忘れたのか?あの人間を敵に回すと転生の女神アレンシエル様の怒りを買うと言ってたじゃないか!あの人間アレンシエル様の加護を持っているんじゃないか?」


更にざわめく。


「確かに俺はアレンシエルの加護を持ってる。アレンシエルの使徒だからな」

「な、何だと?」

「事実だ」


そんなやり取りをしてると、中から更に上の騎士のようなものが現れる。


「武器を収めよ!貴様ら誰の許可を得て相手を攻撃している!恥を知れ!エルフと言う種族を滅ぼすつもりか?」


騎士の怒号に身を縮ませるエルフの衛兵達。

偉そうにしてたエルフも顔を青ざめさせる。

俺の前に来た騎士は頭を下げ謝罪を口にした。


「申し訳ありません。リヒト様。同胞が大変失礼致しました。女神の使徒様に攻撃を仕掛けるなど、我らエルフの相違ではございません」

「わかってるよ。気にしなくて良い。ただのちょっとした行き違いだ。気にしてない」

「寛大なるお言葉ありがとうございます」

「大したことじゃない。一つ警告していいか?」

「何でしょうか?」

「今回俺は一切手を出さなかったが、次はそうとは限らないぞ?仲間を傷つける真似をするなら容赦しない。アイリスを害する事もだ。敵に回ると言うなら容赦しない」


アイリスの肩を抱き寄せながら宣言する。


「承知致しました。私が責任を持ちまして皆様をお守りいたします」

「ありがとう。あんたの名前聞いていいか?俺は笠霧理人だ。こっちは相棒のクロト」

「私はアリオスと申します」先程、リヒト様に無礼を働いた男はクラインと申します」

「あんたの名前覚えておくよ」

「ありがとうございます」

「それともう一つこれは忠告だ」

「何でしょうか?」

「ここにつく前に立ち寄った花の街カサンドラでヴァンパイアに襲われた。この国にも入り込んでるかもしれない。気をつけろよ?」

「ヴァンパイアですか?」

「あぁ、俺達が遭遇したのは人間をベースにしたヴァンパイアだったが、ヴァンパイアに種族は関係ない。人間でもドワーフでもエルフでも襲われれば奴らの眷属になってしまう。眷属になってしまうと元には戻せない滅びるかそのまま化け物のまま生き続けるしかない」

「わかりました。王にも伝えます!」

「そうしてくれ。アイリスが悲しむような事を野放しにはしたくない」

「リヒト様」

「それとヴァンパイアの首領ヴァンパイアロードは魔神の配下だ」

「魔神でございますか?」

「魔王を操って世界を自分の物にし、女神を滅ぼそうとする世界の敵だ。俺はそいつを倒す為にこの世界に送られた」

「そうでございましたか」

「だから、俺を害する事はこの世界の破滅を助長するだけだと知れ」

「っ!?」


息を呑む衛兵達とクライン。

更に顔色を青くさせて冷や汗を流す。

アイリスとアリオス、クロトが冷たい目で彼らを見る。


「僕も一言いいかな?クラインだっけ?今度リヒトを傷つけるようなら、僕も本気で戦うよ?僕の大事な親友で相棒のリヒトを害するなら当然だよね?」

「くっ!」

「クライン!当然の対応と心得ろ!それだけの事をお前達はこの方々にしてしまったのだからな?」

「は、はい、申し訳ございません」

「この方々が人格者で高位の冒険者だったからこそ、大きな被害が起きなかっただけで、下手をすればエルフと人間の間で戦争が起きていたかもしれないのだ!よく反省せよ!処罰は追って王から下されると知れ!」

「ははっ!」

「リヒト様、クロト様、王の元にご案内します。こちらです」


頭を垂れ、礼を取る衛兵とクライン。

俺達は、アリオスに案内されて王の元に向かう。

ようやく首都に入れるらしいな。

さて、王がまともな人だといいんだが…。




如何でしたか?

ちょっと話を聞かない理不尽なエルフの衛兵が出てきましたね。

クラインと言うエルフはアイリスの関係者です。

次回で明かしますが、次回を乞うご期待ください(笑)

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