表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/55

(14)鍛冶屋のドワーフ

今回は前回告知通り鍛冶屋のドワーフが登場します。

職人気質で気難しいが、気の良いドワーフさんです。

では本編をお楽しみください(笑)

職人街のある一角に俺たちは辿り着いた。

中からは鉄を打つ音が響く。

セインが中に声をかける。


「ごめんください!」


鉄を打つ音はするが誰も反応する様子はない。

あ~これは、作業に集中してて周りが目に入ってない状態かな?

多分聞こえてないんだろうな〜と考えていると、セインが再び声を張り上げる。


「あの!すみません!どなたか居られませんか?」

「セイン、多分店の主は作業に異常なまでに集中してるから、気づいてないんじゃないかな?相当な職人気質な人だと思うから邪魔すると機嫌損ねるかも…」

「だからといって、客を無視するのは如何かと思いますが?」

「セインの言い分はわかる。けどさ、職人気質が強い職人ってのは人種関係なくそういうもんなんだよ。前神経を一点に向け、集中力を高め、満足する品を創り出すことに命をかける。それが職人ってもんだ。俺の国にもそういう職人は少なからずいたし…」

「そういう物ですか?」

「無から何かを作り出そうとする者は往々にしてそう言うもんさ」

「ほう、良く職人ってもんを理解してるじゃねぇか?坊主」


野太い声が響いた。

見ると、俺の身長より低い小さな丸っこいヒゲを蓄えたおっさんがいた。

これってもしかしなくても。


「ドワーフ?」

「如何にも儂はドワーフの鍛冶屋ガルフじゃ。何か用か?小僧」

「仲間の防具一式と武器を新調したいんだ。このクロトのね」


クロトの肩を叩く。


「この坊主の防具と武器か?」

「あぁ、俺は今の装備に満足してるし問題無いんだが、クロトは本人のレベルと装備が噛み合ってないんだよ。装備のレベルが低すぎて合ってない。だから、新調したいんだ」

「ふむふむ、なるほど確かにお前さんの言うとおりだな。今のこの防具や武器は、この坊主に合ってない。装備のレベルが低すぎる」


一通りクロトの防具と武器を確認して頷くガルフさん。


「頼めないかな?ギルマスからあんたがこの街一の職人だと紹介されたんだが?これ紹介状」

「冒険者ギルドのギルマスからか?」


紹介状を受け取り内容に目を通す。


「ほう、お前さんがライラックを倒した凄腕剣士か…わかった。良いだろう。ヴォルフ坊からの紹介だしな。受けてやろう」

「ヴォルフ坊?」

「ギルマスの名じゃよ。知らんかったんか?」

「名前教えてもらってなかった」

「まったくヴォルフ坊め。自己紹介もちゃんとせずに話進めたんじゃろ?」


こくんと頷く。

ガルフさんは呆れたように溜息をつく。


「とりあえず、お前さんクロトと言ったかの?防具一式と武器を儂に預けてくれるかの」

「あ、はい」

「どのくらいで出来る?」

「明日迄には仕上げよう夕刻に取りに来たらええ」

「わかった。じゃあ頼む」

「任せておけ。ところで坊主、お前さんの名を教えてくれんか?」

「悪い。失礼だったな?俺の名は笠霧理人だ。理人が名で笠霧が家名だ。リヒトで良いよ」

「リヒトか。良い名じゃな」

「ありがとう。親がくれた大切な名なんだ」


にっこり微笑んで答える。

ガルフに防具一式と武器を手渡し、店を後にした。

さて次は…。


「次はどうするの?」

「この辺でいい服屋ってないか?」

「店主が変わり者ですが、質が良くリーズナブルな服を取り扱う店がありますよ?」

「変わり者って何?変なのか?まさかムキムキマッチョなオネエとか?」

「よくわかったね」


俺が戦々恐々としながら言うと、笑顔で団長さんが答えてくれた。

なんで、そんな良い笑顔なんだよ?

こんちくしょうめ!

まぁ良い我慢して行くか。

溜息を付きながら、店に向かう。


如何でしたか?

頑固そうですが気の良さそうなガルフさん。

そして名乗り忘れるうっかり屋さんのヴォルフさん。

対照的ですね(笑)

次回はムキムキマッチョなオネエが登場します!

かなりキャラが濃いと思うので心して読んでください。

ちなみにクロト君とリヒト君はオネエのお気に入りになります。

頑張れ、二人共。

では、次回をお楽しみ(笑)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ