⑽濃いキャラの伯爵来た!
おはようございます。
今日の朝は調子がいいので投稿しました(笑)
サブタイトルにもあるように、今日は濃いキャラの伯爵が出ます。
ちょっと朝から濃いかな〜とは思いますが、憎めないキャラなので宜しくお願いします。
ではお楽しみ下さい(笑)
「お待たせしました!手続は済ませましたからどうぞ?お通りください」
「あ、ありがとう」
「いえ同意しまして」
「キリリカの街をお楽しみ下さい」
衛兵達や街の人達が口々に歓迎してくれる。
俺はただ馬鹿を一人締めただけなんだが?
何故こうなった?
戸惑っていると、団長様に腕を引かれた。
「リヒトこちらだ。領主様をお待たせする訳にはいかん。少し急ぐぞ?」
「了解した」
「わかりました」
団長様に連れられて騎士団と共に領主の屋敷へ向かう。
途中でナムルさんと別れ、屋敷には俺とクロトで訪れた。
「でかっ!…なぁ?ここの領主様って爵位の階級は?何なんだ?」
何の気無しに聞い見る。
「辺境伯爵様だ」
ふーんと気のない返事を返す。
内心では会えばわかるだろうと楽観視していた。
まさか、強烈な濃いキャラ出てくるとはこの時俺は予想していなかった。
領主様の屋敷は、世間一般で知られるような何でも成金趣味みたいに華美にしたがる貴族の物と違い。
趣があり、自然と調和する様な美しい造形美がそこにあった。
物作りが好きな日本人が好む様な侘び寂びの利いた良い屋敷だった。
「綺麗だな」
思わずポロリと漏らす。
それを誇らしげに胸を張り見る団長様。
「そうだろうそうだろう。この屋敷は、伯爵様のご自慢なんだ」
「貴族の屋敷って普通華美なものになりがちなんだけど、自然との調和が良くて良いな。侘び寂びが生かされててすごく良い」
「ほう、この造形美の良さがわかるのかね?素晴らしい」
「俺の国の国民性は、物作りに強いこだわりと繊細さがあるからな。つまり職人気質な国民性を持ってるってことだ」
「ほう、なるほどな。興味深い」
豪快な笑い声と共に、質素で美しい屋敷の面影とは、108度違うキャラの濃すぎるおっさんが立っていた。
「伯爵様!執務室にてお待ちくださいと申し上げましたのに」
「こちらの都合で呼び寄せたのだ。私が出向くのは当然であろう?アレンよ」
「はっ…」
団長様が、恭しく頭を垂れる。
それを満足げに見て、俺達に視線を向ける。
ムキムキマッチョっでキャラ濃い伯爵様。
あんぐりと口を開いて、唖然とする俺とクロト。
予想以上の濃いキャラ来た〜!
何?このマッチョマン?
伯爵?これが?見えねぇ。
「ふむ貴様が、ライラックを倒したという旅の剣士か?ただならぬオーラを感じるな。まるで歴戦の有志の様なオーラを感じる」
「は、はぁ…」
「私はこのキリリカの領主!アウグスト・キリリカスだ。良くキリリカに参った。歓迎するぞ」
無駄に声がでかく俺の背中をバシバシと叩き、豪快な笑い声を響かせる伯爵。
い、痛い。 叩くのやめてくれないかな〜。
地味に痛いんだけど?
「ども、旅の剣士してます。笠霧理人です。あ、リヒトが名前で笠霧は家名です」
「変わった名だな?東の国の者か?」
「えぇまぁ、俺の国では家名が先に来て名前が後に来るんですよ」
「ほう」
「なので呼ぶ時はリヒトで良いですよ?笠霧って言い辛いでしょ?」
「うむ、わかった。リヒト。此度はライラックを止めてくれたこと感謝する。やつの傍若無人な態度には私達も困っていたのだ。本当に助かった。ありがとう」
「別に、親友のクロトを貶める事言いやがったから許せなかっただけだ。大したことはしてない。何よりあんな奴が高ランク冒険者なんて、冒険者の質が疑われるぜ?」
「ふむ、確かにな」
「今はまだ良い、これくらいの被害で済んでるからな。でも長い目で見ると不味いと思うがね」
「どういう事かな?」
「国に有事が起こった時奴が裏切る行動を取らないとは限らない。あんたに対してだって従うとは言えないだろ?下手すると、世界の裏切り者になるかもな」
「むむむっ」
「確かにその危険性はあると思います。王都にいるグランドギルドマスターに話すべきかと」
インテリ眼鏡のイケメン副団長様の言葉に神妙に頷く伯爵。
直ぐにその場で書面をしたため、王都に出すよう指示する。
「リヒト、何から何まで済まないな。君の指摘のとおりだと思う。助かったよ」
「どういたしまして」
お礼を言われ、伯爵と握手を交わす。
「はははっ気に入ったぞ?リヒト。私の事は「オーグ」と呼ぶが良い。私が許す」
豪快に笑いながら、上機嫌に言う。
豪快な伯爵様である。
悪い人ではないな。
「あ、ありがとう。でも、良いのか?俺なんかにそんな事許して」
「リヒトなら構わぬ」
気に入られたみたいだな。
ありがたく受け取っとくか。
伯爵からの好意だからと受け入れる事にする。
如何でしたか?
キャラ濃かったでしょ?
胸焼けしそうかな〜と書いてて心配になりましたが大丈夫でしょうか?
次回はようやく冒険者ギルドに向かいます。