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第4話:星屑

4話です!色々キャラを増やしていきますよ!

「ありがたいんですけど素直に喜べないんですよね…」

 ヴィネスと出会ってペコリがむくれてしまったのは何回目だろうか。ペコリは自分の服が乾くまでヴィネスの服を借りることになったが、ヴィネスは178cm、ペコリは152cmと、26cmも差があるのだ。

 故に丈は長くぶかぶかで、手足の袖を多く捲っているため、まるでおさがりの服をもらった妹みたいな格好になってしまったのだ。


 ペコリがむくれいると、外がどんどん騒がしくなってきた。

 どうやらまた紫ローブ集団が現れたらしく、人はまた逃げまどっていた。

 今度は十人ほど来ており、攻めてくるスピードもそれなりに速かった。


「お前は村人の救護にまわれ!俺は奴らをやる。」

「わかってるわよ。本来アタシの能力は前衛向けじゃないんだから。」

 そんな会話を交わし、オネットは紫のもとへ向かった。


 そして、オネットは奴らの前に立ちふさがった。

「邪魔はやめろ。すべてを還すのだ。作り替えるのだ。」

 やはり話は通じそうにない。

「会話ができないことがわかりゃ十分だ。ぶっ潰す。」

 そう言うと、オネットは瞬時に3人の腹に蹴りを入れた。


 3人は吹っ飛んだが、しばらくした後また起き上がった。

 ほかの7人はすでに散らばっており、ヴィネスもまた既に守りに入っていた。

 ヴィネスはのらりくらりとしているが判断は速く、自分の周りに村人を集め、村人ごと防壁魔法でカバーしてしまった。そして、その周りを無数の罠で固め、紫は入ってこられなくなってしまった。


「アタシの能力は簡単よ。防壁魔法を張って罠を仕掛けるだけ。ただ、どこに張って仕掛けるかを瞬時に見極め実行する判断力と集中力、いくつでも張って仕掛ける魔力量をただ、どれも高水準で持ち合わせているだけよ。」

 ヴィネスの言葉に空気はぴりついた。


「それが何だというのです。」

 7人のうち1人が震えた声を出す。

「私達がここで死んだとしても、ほかの仲間が別の場所で役目を果たす。その時間稼ぎさえできれば本望です。何故なら私達『星屑』は、まだまだたくさんいるのですから。」

 その声は狂気に満ちていた。


「言いたいことはそれで終わり?」

 その一言と共に、底に槍のある落とし穴、足首をからめとり逆さ釣りにするロープ、どこからともなく振り子のように襲い掛かる巨大なハンマーが一斉に発動し、ものの数秒で全滅させてしまった。

「星屑なら星屑らしく、燃え尽き朽ちなさい。」

 そう言い捨て、オネットのもとへ向かう。


「そっちも終わったようね」

 ヴィネスは無傷のオネットを見て声をかける。能力を使った直後のオネットはただただ筋肉が大きく膨れ上がっていて、服がパツパツになっていた。


「あんたの能力もえぐいわよね、攻撃されればされるほど筋力が増して、攻守ともに強化されるなんて。シンプルだけど使いにくそうね。」

 ヴィネスの言葉に頷きながらオネットは口を開く。

「まったくだ。わざと殴られるのも大変だし、何より痛てぇ。」

 オネットは愚痴をこぼしている間に筋肉は元に戻っていた。


「終わったんですか~?」

 ペコリが建物から恐る恐るひょっこりと顔を出す。二人とも無傷だということを確認すると、ペコリは喜んで抱きつきに行った。

「正直あんな有象無象、アタシらなら余裕よ。このレベルの奴らなら各大陸に点在している仲間も苦戦はしないはずよ。雇い主はなぜアタシらを選んだのかしらね…」


 確かにその通りだった。星屑の強さは、一般市民はともかくその町の腕利き魔法使いや剣士が抑え込めば済むほどの実力でしかなく、『アルク・ハティヤーズ』をわざわざ雇うほどの敵ではないのだ。

「雇い主がアホなのか、なんかしってるかの二択だが、前者は大陸のトップに近いやつだからまずないよな。後者はなぜ騒ぎが大きくなる前から多くを知っているのか、それなら向こう側の関係者って考えるのが自然だけど、ならなぜ自分らが動きづらくなるような真似をするのかわからん。」


 オネットは考える途中で、抱きついたのに反応が薄いオネットにむくれているペコリに気が付いた。

「プクー!こっち見てくださいよぉ!」

 そういうとペコリはほっぺを膨らまし、プイと向こうを向いてまたまた拗ねてしまった。拗ねた姿もかわいいため、しばらく眺めてから慰めるのもありかとも考えたオネットだが、今日で何回も拗ねてかわいそうになったのですぐに慰めることにした。


「ごめんってペコリ、心配ありがとな~」

 オネットの声色が子供をあやすときのそれたっだのでペコリは不満になりかけたが、頭をなでられたので「ふふっ」っと一瞬でご機嫌になった。あまりのチョロさに驚く二人だったが、あまりの可愛さにそれまでに話していた話の内容などとっくに忘れていた。


「さ、早いとここの辺の村に腕利きの魔法使い呼んで、俺らは仲間探しに行こうぜ?それで騒ぎになっている場所守った方が効率がいい。」

 オネットが策を講じると

「アンタ、ほかの連中の連絡先持ってないの?アタシは斬寅とシヴァとあのお色気ちゃんのなら知ってるけど」


 予想外の言葉にオネットは驚くが、ヴィネスはさらに驚いてた。

「あんた、200年前じゃないんだから携帯ぐらい持ちなさいよ!」

 ヴィネスはあきれながらオネットに言う。


 魔法が世界に現れてから科学は大幅に衰退したが、科学と魔法を織り交ぜた技術は大幅に進歩しており、携帯電話もその一つなのである。電気の代わりに魔力で動くため、お金もかからなければ電波が悪い云々もない。その文明の利器をオネットは全く使っていなかったのである。


「今までなくても困らなかったし、いらないかなーなんて思って…」

 オネットはおずおずとヴィネスに言い訳をするが、

「今困ってるじゃない!それに、たぶんアンタが気づいてないだけで相当苦労してるわよ!今すぐ街へ行って買いなさい!」

 ヴィネスの言い方はもはやオカンだった。しぶしぶオネットは街へ買いに行くことにし、ヴィネスは他のメンバーに呼びかけるようにした。





少しずつ伏線を張っているつもりですが、できているんですかね、、、


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