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4.青竜イースと契約の儀





 カイの瞬足により洞窟から出て青竜の元へきた2人は、テリーは木の影に隠れ、カイは青竜と対峙していた。



「やあ、戻ってきたよ」

(ふん、わざわざ戻ってきて死にたくなったのか?)

 青竜はゆっくりとカイの目の前に顔をおき、威嚇をする。

「うーん、どっちかって言うと仲間になりたい?って感じかな。竜さん強いから」

(なるほど、身の程知らずとはよく言うものだな。

···ならば久々に暴れてみよう。)

 青竜はそう言うと、かなりのスピードで周りの木をなぎ倒してカイの逃げ道を無くしていた。

「!テリーに会えなくなっちまったか···。」

 テリー自体はもう少し奥で待機しているので被害はないだろう。

(さあ、始めようじゃないか)

「おう、受けてたつよ。」


 それぞれの戦い方はかなり堅実で、青竜はブレスを放ち、逃げ場がない所で一撃を狙う戦い方で、一方のカイはそのブレスを瞬足を利用し、避けてブレスのあとの隙のある時に攻撃という感じだ。

 もちろんこの感じだと、カイがかなり優勢に聞こえるが、実際は避けるのがギリギリで攻撃まで行けてはいない。ここまで数十分戦って3度ほどしか攻撃は出来ていないのだ。

「くっ、思ったよりもブレスの頻度が高い···。もう少しダメージを与えないとな···。」

(この程度か、それで仲間など全然早いわ!)

 青竜が攻撃の手を緩め、新たな攻撃をしようとした時、

「···そっちこそ、隙、見せていいのか?」

 カイは瞬足で青竜の胴体部分まで飛び、剣で力を込め一刺し体をねじるようにいれた。

その時に少し青い光が見えたが、カイは気にとめなかった。

(む、そこまで飛べるとは、お主は面白いな。···しかし、ダメージを与えているかは別だ。)

 青竜は地面に降り立ったと思えば、出てきた時のように光っていた。

「また、何かあるのか···!?」

カイは直ぐに後ろへ回避をし、盾に持ち直していた。

 やがて、その光が無くなった時、そこに居たのは竜ではなく人、女性が立っていた。

「···ほう、これは···。···私の負け、だな」

竜でなくなった女は、そんなことを呟いた。

「え?その、さっきの竜、だよね?」

「ふむ、そうだ。しかし、人間の姿に戻すとは、お主も、···いやお主の仲間は凄いな。」

 女が言ったことをあまり理解が出来ず、なんの事か分からなかったが、後方からの声でその考えは直ぐに答えとたどり着いた。



 カイが戦闘を始めていた時、テリーはカイの指示が出るまで待っていた。しかし、周りの木が倒されてしまったためにカイの全体像を捉えることは出来ていなかった。

「うーん、これじゃ指示されてもよくわかんないな···。」

 指示が出ればスキルを発動して青竜を仲間にするというような感じなのだが、どうにもここまで上手くはいかないようだ。


「そもそも、スキル名言えば発動出来るって言ってたけど分かんないしなー」

 カイが言うにはスキルは名前を言えば発動が出来るらしいが、なにせこの世界に初めてきたので発動の感覚など全く分からない。

「···一回やってみようかな。」

 テリーは戦っている青竜とカイの所へスキルを放ってみた。

「契約の波動」

 スキル名を言い、何が起こるか少し楽しみもあったが、輝きとともに出たのは1本の杖だった。

「···?え、なんだ、これ?」

 青く輝くその杖は、テリーの手元へと収まり輝きが増した。

「これは、どうすれば···?」

 スキル名は言ったのでこれ以上何も手がかりがないテリーは、ただ立ちつくしていることしか出来なかった。

「···!そうだ、ステータス表示だ」

 テリーはステータスから何か分かることがないか確認をしてみた。




名前:テリー(桜庭 望)   状態:正常


スキル:・ヒール ・杖術 「契約弾」


Pスキル:・異世界人補正 ・ステータス表示

    ・夜目Ⅰ ・召喚神の証 ・契約の儀

    



 明らかにスキルが色々と変わっていて、なんかびっくりする事も出来なかった。···契約の波動どこいったんだよ。

【契約の儀】スキル忘れ不可

 契約の波動を使用後に入手。なお、『杖起動』で杖が出現する。


【杖術 「契約弾」】PスキルによりMP消費なし

 契約の波動と同様の効果。ただし、範囲は見えている全てのモンスターとなる。


 2つのスキルを見てみて、契約の儀はこの杖を出すためのスキルのようだ。ただスキル名ではなく、杖起動という特定の言葉が必要なようだ。

 一方、杖術というあまり聞いた事のない言葉の方は前の契約の波動と同じスキルなようだが、範囲がとても広くなっているらしい。


「ってことは、この杖持ってスキルが使えるわけか。···よし。」

 テリーは杖を構え、再び青竜とカイの戦いの方へと向けた。戦いはカイが一撃を食らわすところであった。

「よし、いくぞー、契約弾!」

 テリーの声とともに、杖から閃光弾が青竜にめがけて飛んでいき、青竜に直撃した。その瞬間はカイが一撃を放ったときとちょうど重なっていた。


「当たったけど、どうなったんだ?」

 テリーはあまり状況が理解出来ず、しかし竜の姿が見えなくなったため、カイの所へと行くことにした。





       ♢   ♢   ♢




 青竜の影響で道が無くなっている森の中を進んでいくテリー。ようやく開けた場所までこれて、その先にはカイと知らない女性が立っていた。

「カイさーん!無事ですかー!?」

「おうー、大丈夫だ。···まあ恐らくテリーのおかげだろうが。」

 カイは何か悟ったような顔でこちらまで歩いてきていた。後ろにいる女性も一緒に。

「あのー、後ろの人誰ですか?」

「あー、青竜だった人だ。どうやら竜人族だったらしいな。」

 竜人族という、全く分からないワードが出てきてテリーの頭で処理が出来なくなっていた。

「?あ、あのー、まだこの世界の事しらないんですよねー?」

「そうか、まだこの世界の話をしてなかったな。じゃあ、それも含めて全部話すか。」

 カイはそう言うと、このユリアードという世界について話を始めた。



 このユリアードという世界には大きく6つの大陸にわかれている。今いるアリア大陸はこの世界の中で一番の中立国で、最北に位置している。

その他に、エルシア大陸、ククル・クリナ大陸、ヒヒピッピ大陸、スリザード大陸とこの世界の中心にあるフーラスト天空国がある。

このフーラスト天空国に住んでいるのか竜人族、妖精族たちなのだが、1000年以上前から天空国への行き方は知られていないとされている。


「まあ、そもそも5000年以上前の戦争の時に既に天空国は崩壊してたとか、そんな噂もあったからな。この大陸だけは調べようにも調べれないってことだ。」

「···戦争の時はまだ崩壊なんかしてなかったわ。少なくとも、2000年前まではそんなことは無いはずよ。」

 後ろに居た女性、元青竜はそう言った。

「そもそも、天空国の行き方を無くしたのはあの戦争のせいでよ。それを隠し通そうとしてたんだから。」

「おいおい、なんでそんなこと知ってんだ?」

 カイは竜人族であることでそこまでの情報が出るとは思ってもみなかった。

「···。まあ、私はずっと封印されてたからそこまで知ってるわけでもないわよ。そんなことよりも、私は契約されたのよ。テリーにね。」

「え?もしかして契約出来てたんですか?」

「そうみたいだぞ。」と、カイ。

「まあ、テリーの事はこれからは主って呼ばないとならないけどね。なにか問題あるかしら?」

「い、いや問題ないけど。あんまりよくわかってないんだよね、この世界の仕組みとか」

「···大丈夫よ、知ってるわ。私が教えるから問題ないわ。···あぁ、カイもね?」

 突然言われたカイは唖然としていた。

「は?なんで俺が?」

「巻き添えよ、ここに来てしまった。本来のプランとは違う事が起きちゃったからね、って事で主、よろしく。」

「うん、よろしく。···えーと名前ってあるの?」

女はあー、そうねと言うと、

「私はイースでいいわ、昔からそう呼ばれていたわ。」

イースは少し考えてからそう名乗った。

「おい、お前ら勝手に話を進めるな。俺はなただ調べに来ただけで···」

「分かったわ、そういう話はこの森を出てからよ。カイ、リコール使えるんでしょう?」

「は?ま、まあそうだけど、···じゃあとりあえず俺の街に帰るぞ?」

 イースはいいわ、と言ってカイの横へとついた。

「テリー、横に来ないとリコールで帰れないぞ。範囲が限られてるからな。」

「あ、はい。」

 テリーはカイの隣まで行くとリコールを発動し、光に包まれカイの街へとワープをした。



(まあ、人数は一人増えたけど使えそうだから利用させてもらうわ。···レノには後で報告ね。)

 イースはレノへ連絡をしながらテリー達と街の中へと進んでいた。





誤字など何かありましたらご報告お願い致します。


活動報告に書きましたが、ここまでが一応プロローグという感じになります。この後からはしっかりお話を書き溜めてからの投稿にします。


また、ここまでの内容を少し(?)いじりますが、話自体は変わらないようにはできる限りしますのでお願いします<(_ _)>

(もしかしたら話数が減ったり、増えたりする可能性はあります)


次は1ヶ月以内に頑張って書いていきたいと思います!どうぞよろしくお願いしますm(*_ _)m




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[一言] 改編頑張ってください(●︎´▽︎`●︎) つづきを楽しみに待ってます。
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