⒈異世界転生
世の中は今や様々な問題で苦しんでいる
それは自分も例外では無い、しかし元々人と関わりを持ってないのであまり関係も無い
ただこの非日常の生活が少し退屈になってきた頃
事件は起きたのだ…
「···ここは、どこだ?」一面真っ白な部屋。
「お、目覚めたか。意外と早いお目覚めだったなー、なんか飲むか?」
目の前には白装束の男が本のようなものを片手にこちらを覗いていた
「あんた、誰だよ」
「へ?あ、そうか記憶がないのか。うーん、どうしようかなー?」
そう言いながら何か本をいくつかみて回る。
「お、あったえーと···なるほどねー」
「······あのな、勝手に理解してないで話してくれないか?」
本を見てずっとなるほどしか言ってねーし。
「えーはいはい、じゃあ時間ないから最短でいくよ、君は死んだ、そして異世界で新しく生活する!はい、以上!」
「···は?」
自分が、死んだ、だって?なんで、どうして?
「理由に関しては今は言えん、そして何故異世界で生活しなければならないのかもだ。」
まるで自分の思考が読まれているかのように答えが帰ってきた。
「···じゃあ、ここは天国とでも言うのか」
「んーちょっと違うが、まあそう言ってもいい。
ただ、君は選ばれてここに来ている」
選ばれる、一体何にというのか。
「ん、さてほんとにもう時間がない、君にはこれから異世界『ユリアード』という所に行くんだけど、まあ簡単に説明すると君の好きなファンタジーの世界のようなものだよ。魔術があったりモンスターが居たりね。そこで君は生活するんだけども、さすがにただの人間を異世界には行かせれないから特別に力をあげようと思う。まあ、その辺は異世界に行ってから確認してくれ。さて、なんか質問はあるかな?」
「いや、いきなり過ぎて何がなんだか、それよりもほかに聞きたいことは沢山あるんだが」
「それにも答えたいところだが、本当に時間が無いんでね。本来なら君が目を覚ました時には既に異世界に飛んでる状況だったんだ、まだ説明が聞けるだけ有難く思ってくれ」
「そんなの無責任だ、何も分からないのに」
「···すまん、でも何も言えないんだ···」
(言う時には、ちゃんと言えればいいが···)
しばらく沈黙が続き、白装束の男はハッとしながら口を開いた
「まじか、もう時間だ、とりあえず向こうに行ってから一度だけこっちで連絡出来るようにするから話はその時にだ。んで、異世界に行くのにもう一つだけプレゼントだ」
と言うと、男の手から青いオーラが出て自分の所へ向かってくる。
「···!なんだよ、これ?」
「異世界で確認することだ、恐らくステータスと言えば画面が出るだろう
まあ、なんだとりあえずは、異世界をちょっと楽しんでみてくれ、じゃあな」
次の瞬間、自分の意識は完全になくなっていた。
「·······くそ、だるい···」
転移をしてからずっと身体が重く思うように立ち上がれなくなっていた望。
···そういえば自分の名前が思い出せていることに気づく。桜庭望、なんでこのタイミングで思いついたのか?異世界行ったらさっきの奴に聞かないとな。
そうしていると、重くなっていた身体が段々と楽になり立ち上がれるようになってきた。
「ふう、そんでここは?どこだ?」
先程の真っ白な部屋から一変、今度はやたらと昔の写真の中のような白黒の部屋にいた。
部屋の中心にはテーブルがありPCのような物が置いてあった。
「ん?なんか書いてあるな···?」
【異世界での名前を決めて下さい】
「名前?今のじゃダメなのかよ?」
【今の名前では登録できませんカタカナで10以内で決めてください】
まさかの声に反応してるっていうね。まあ何でもありか。
「うーん、名前かー」
普段RPGとかやる時もカタカナの名前つけないからなー、なかなか思いつかん。
「···そうだ、あれにするかー」
もう、考えるの疲れたし。まあ変ではないでしょ。
【名前はテリーに決まりました】
「よし、そしたらどうすれば···」
その瞬間に再び視界が暗転していき、足元が段々と崩れていくような感覚に驚きながら意識が薄れていった。
······これで、第一段階はクリアか、ここからはあいつ次第って訳だ。
異世界の転移を終え、元の位置に戻ると同時に瞬間転移をしてきた奴が。
「··ったく、何の用ですかね、テトさん」
「やあ、お仕事ご苦労さん、レノくん」
よりによって、この人だもんなー。非常に厄介だ。
「まあ、とりあえず話がひとつあるんだけどねー?」
この人の話はひとつがふたつにもみっつにもなるんだよー、全然言ってることと違うんだよ。
「レノくん、なんか企んでるの?」
···!?な、なんだと···?
「さっきの子、本来異世界に行く子じゃないでしょ、でもレノくん、設定いじったみたいだね」
そうか、···ほぼバレてるって思っていいな···。
「テトさんは、通報するんですか?」
「うーん、そりゃしないとならない事はしてるけど、···今回は見逃すよ。」
は?いや、···さすがにな、予想外だ。
「まあ、何かしてるんだなーって分かったからいいかなーって、それだけだよー」
そう言って、じゃあねーって言いながらささっと瞬間転移していった。
「······絶対に変な事企んでる、よな?」
明らかに予想レーダーがアイツに反応してるわ
···まあ、そういう事になったらなったでプランを変えるだけだな。
7/1 更新
・白装束の男の説明の追加
・異世界での名前を決める描写の追加
・その他、細々した所
来週までに次の話を投稿出来ればと思います
よろしくお願いしますm(_ _)m