(^ω^)【新型コロナウイルス対策に仏像を彫ることになった話】のようです
突如発生した新型殺人ウイルスによる地球規模のパンデミック。
日本政府は遂に緊急事態宣言を発令したが、貴方は知っているだろうか?
緊急事態宣言の裏で、何が行われているのかを。
「おい。首相からお達しが来たぞ」
「なんだ。今度はずいぶんと遅かったじゃないか」
「やっと俺たちの出番か……待たせやがって」
緊急事態宣言の直後、首相官邸より、極秘裏にある組織へ一つの通達が為された……。
その内容は"殺人ウイルスの完全滅却"!!
こんなことができるのは、奴らしかいないッ!
('A`)「俺達が来ればもう解決は近い」
(・∀・)「なんたって、俺たちは日本最強の特殊戦略部隊」
(^ω^)「"NEET"だからな」
──"National Establishment Emargency Tactics"(国家緊急戦略)──
通称、"NEET"と呼ばれるこの組織は全国47か所に拠点を置く秘密組織!
隊員は平時には在野に居ながら、国家の危機において、それを排除する為に招集されるのだ!
そして各隊員はそれぞれが各分野のエキスパート・オブ・エキスパート!
特殊清掃員からパチプロまで、あらゆる技能を持った人間の精鋭部隊である!
最近では、日本上空に突如現れた侵略的上位存在"ロンギヌスの槍"を排除したことで有名だが、極秘組織の為世間には殆ど知られていない。
【NEET・島根支部】
(・∀・)「しかし、今回はウイルスか……初めてじゃないか?こういうのは?」
(^ω^)「確かに。もっと上の代の隊員の中には、日本住血吸虫と戦った者もいたらしいが」
('A`)「あれはウイルスじゃなくて虫ケラだろ?」
(・∀・)「どうする?」
(^ω^)「ってもなぁ……物理的に殺れるならともかく……」
('A`)「そういや、お前らって何のエキスパートだったっけ?」
(・∀・)「覚えといてくれよ、そんくらい」
('A`)「しょうがねぇだろ。会うの一年ぶりくらいなんだし。それに俺、コイツ知らないぞ?」
(^ω^)「あ、うっす。今年入隊しました。池内っス。よろしくお願いします」
('A`)「ああ。うん、で~、君は何のエキスパートなの?」
(^ω^)「うっす。俺は壱式書店で働いてまして、レーザーディスク研磨のエキスパートです」
(^ω^)「俺にかかれば、傷だらけで再生できないDVDも一発ですよ」
('A`)「あ、そう。そういう店って今、大丈夫なの?経営とか」
(^ω^)「いやぁ~ダメっすね。暇で暇で。だから今日来ました」
(・∀・)「まぁそうだよね。俺んとこも休業でさー」
(^ω^)「あ、そうなんすね。因みにあなたは?」
(・∀・)「俺は畑中。いつもは居酒屋で働いてる。手羽先を奇麗に食べるエキスパートだ」
(^ω^)「あぁ~手羽先食いにくいのにすごいっすね」
(・∀・)「まぁな。しかし、俺にかかれば骨しか残らん」
(^ω^)「すっげぇーー!!」
(・∀・)「あとで見せたるよ」
('A`)「いや、別にいいわ」
(^ω^)「そんで、あんたは?」
('A`)「俺は馬場。暇つぶしのエキスパートだ……これ以外で仕事はしていない」
(^ω^)「え?マジっすか?」
(・∀・)「うん。こいつそうなんだよ」
(^ω^)「じゃあ"ニート"じゃないっすか!(笑)。"NEET"だけに、なんつって」
('A`)「……は?」
(・∀・)「あ~あ。言っちゃったよ……」
(^ω^)「え?何すか?俺なんか悪いこと言いました?」
('A`)「いや、もうそう言うの飽きたんだよね俺」
(・∀・)「俺も。まぁ、君はまだ新人だから、今回は大目に見るけど」
(^ω^)「そんな禁句なのコレ!?」
('A`)「いや、だってそうでしょ。たまたま組織の名前がNEETだったからって無職と一緒にされるのは……ねぇ?」
(・∀・)「うん。そういうのは止めた方がいいよ。自虐にしても面白くないからさ。君だって入隊面接とか受けたんでしょ?」
(^ω^)「あ、はい。すんません……」
('A`)「……ま!俺も入隊したての時は君みたいなこと言ってたけどな!」
(・∀・)「俺も!なんか、上手いこと言ったって気になるんだよな!」
(^ω^)「……ちょ、止めてくださいよ~そうやって新人からかうの~」
('A`)「ハッハッハ!じゃ、そろそろ作戦考えるか!」
(・∀・)「題して"殺人ウイルスの完全滅却大作戦"~!」
(^ω^)「何も題してなくない?」
(・∀・)「細かいことは気にしない方がいい。ハゲるぞ」
('A`)「まずは、このイシューをソリューションする方法をブレストで」
(^ω^)「ウイルスって熱に弱いんですよね?……爆破とかどうっすか?」
('A`)「爆破かー……インパクトはあるけどなぁ。予算的に厳しいな」
(^ω^)「え?予算とかあるんですか?緊急時なのに」
(・∀・)「そりゃあるだろ。国の組織なんだから。逆に予算が無かったら何もできないぞ」
(^ω^)「へぇ~そうなんですね。勉強になります」
('A`)「いやブレストだからな。いいぞ、その調子でどんどんアイデア出してくれ」
(・∀・)「火炎放射器とかどうだ?これならピンポイントでウイルスを狙い撃ちできる」
(^ω^)「あ!その手があったかぁ~!」
('A`)「いいねぇ。案に入れとこう!かえん、ほうしゃ……き、っと」
(^ω^)「あ、でも。自分たちがウイルスに感染したら意味ないですよね?」
(・∀・)「そうか。確かに。忘れてたわ」
('A`)「じゃあ、火炎放射器は保留かな?」
(^ω^)「いや、でも一旦置いときましょうよ。なにかに使えるかもしれないし」
('A`)「確かに。じゃあ、どうやってウイルスの感染を防ぐか、だな」
(・∀・)「政府からの通達によると、ウイルスには"三密"に気を付けることが重要……とのことだが」
('A`)「三密……というと、身密・口密・意密か」
(^ω^)「それは一体?」
('A`)「手に印を結び(身密)、口に真言を唱え(口密)、心に仏を想う(意密)……此れ即ち三密」
(・∀・)「三密を以て悟りに近づくことを、空海は三密加持と呼んだが……政府はこれで何を伝えたいんだ?」
(^ω^)「暗号ですかね?」
(・∀・)「うーむ……分からんなあ、俺には」
('A`)「!!……分かった!!分かったぞ!!」
(・∀・)「?! 本当か、馬場!!」
(^ω^)「何ですか、政府の狙いというのは!!」
('A`)「三密とは仏教の神髄!!故に政府が仏教への帰依と大日如来による護国を願っているのは必然!!」
('A`)「では、仏教による国家鎮護と安寧祈願の為に必要なのは何か?……歴史を紐解けば答えはすぐに分かる!!」
('A`)「即ち、国分寺の建立だッ!!」
(^ω^)「なんだってぇッ!!」
(・∀・)「急げ!急いで全国の宮大工にこのことを伝えるんだァッ!!」
('A`)「……またれいッ!!」
(・∀・)「なんだ!?はやく寺を建てなければ!!」
('A`)「それは、既に国が始めているだろう。俺たちの出る領分じゃない」
(・∀・)「で、では……俺たちがやるべきことは……?」
('A`)「寺には何がいる?いや、何が無ければ寺ではない?」
(^ω^)「何がって……そりゃあ、寺なんだから、仏様……はっ!そうか!」
(・∀・)「仏像を……作れと、いうことか?」
('A`)「然りッ!我々は只今より、仏像量産作戦を実行するッ!!」
(^ω^)「でもどうやってッ?」
(・∀・)「いや、できなくもない。先ずは俺が、手羽先の骨を奇麗に取りだし……」
(^ω^)「俺が、その骨を削りだすってことですか?」
('A`)「そうだ。その間俺は暇だからゲームをしている」
(・∀・)「なんて完璧な作戦なんだッ!!」
(^ω^)「しかし……俺にそんな大役が、務まるだろうか……?」
('A`)「いけるさ。お前なら」
(^ω^)「何が分かるんですか!今日初めて会ったばかりの童貞腐れニートに!」
('A`)「お前を……信じているからだよ」
(^ω^)「!!」
(・∀・)「おやおや、クサいこと言うねぇ」
(^ω^)「俺……やります!仏像を彫ります!!」
('A`)「その息だァ!!よしじゃあ、俺の家に行くぞ!!ここから数日、家に籠って彫仏だ!」
(・∀・)「じゃあ俺、スーパーで手羽先買ってくるわ」
('A`)「あ、俺も行く。酒飲もうぜ」
(^ω^)「あ、じゃあ俺自分の店からDVD持ってきますよ。なんか見たいものあります?」
('A`)「コンテイジョン」
(・∀・)「ウイルスX殺人感染」
読者は仏像なんか彫らずに三密を守りましょう。仏を想えばコロナウイルスを退けることができるでしょう。たぶんできると思う。できるんじゃないかな。まあ、少しは覚悟しとけ。